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不安と性癖
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しかしおかしいのはレイノルドである。
以前は夢うつつの状態でもう既におっぱじまっていることが多く、覚醒と同時にイッてしまう、なんて展開も少なくなかった。
レイノルドにはとにかくこちらに合意を得る、という概念がない。ヤリたくなったら龍之介が寝ていてもお構いなしだ。
そりゃあ始まりが性奴隷だったのだから主が奴隷の都合など考えるはずもないのだが、今は一応嫁なわけである。もう少しこちらの気持ちとか、状況とか、ムードとかを考慮してくれてもいいのにな……なんてことをうっすら考えていた、ことは否めない。
だが実際、こうも手を出されなくなると不安でしかないわけで…
「なぁ、レイノルド」
「…………なんだ」
「なんか、お前おかしくない?何か悪いものでも食った?」
「食べていない」
「じゃあなんで…」
「なんで?」
「………………………」
なんで、最近、手ェ出してこねぇの?
(なんって言えるか──!!)
と、龍之介はシーツに顔を擦りつけ拳を何度も振り上げる。これではまるで欲求不満みたいじゃないか!(そうだけど)べっつにレイノルドに抱かれなくったって他のふたりに抱かれているし、充分満たしてもらっているのだ。それは間違いない。
なのに、どうしてか不安になる。
(最近こいつ胸ばっか触って他の部分にはちっとも触れねえし、なんだったらフェラもさせようとしてこない。こんなのどう考えたっておかしいだろ?悪阻あけはあんなに盛ってた癖に!!)
もしかして、もう俺の体に飽きたんだろうか?
「…………………」
「どうした、リュウ」
気分でも悪いのか、と問われ顔を覗き込まれる。多分、物凄く情けない顔をしていたのだろう、レイノルドが息を呑む気配がした。
そして、何故か次の瞬間思い切り破顔したのであった。
「なっっんだよ、その顔!!」
「いや………久々にこう、下半身にガツンとくる表情だなと」
「はぁ!?え?はぁっ!?」
「良いな。笑っている顔もいいが、やはり私はリュウのそういう顔が好きだ」
「そ、そういうって…」
どんな顔だよ!?と言う抗議の声は、最後まで届かなかった。
レイノルドが龍之介の顎を掴み、その唇を塞いできたからである。
「あ……んぅ、……っ」
顔を固定され、レイノルドの肉厚な唇が重なってくる。啄むようにキスされたかと思えば強引に舌を捩じ込んできたり、戯れに上唇を食まれたり舌をきつく吸われたり、あっという間に龍之介の息が上がっていく。唇を貪られながら耳を愛撫され、背筋に甘い痺れが走る。唾液の絡まる音が妙に響いて急速に下半身が熱くなる。もう、こんなの何にも考えられなくなる…
(あれ?俺って今、何に悩んでたんだっけ?)
なんて、執拗に繰り返される口づけに心も体も蕩け出した頃には、龍之介の感じていた不安など、すっかり有耶無耶にされてしまうのであった。
以前は夢うつつの状態でもう既におっぱじまっていることが多く、覚醒と同時にイッてしまう、なんて展開も少なくなかった。
レイノルドにはとにかくこちらに合意を得る、という概念がない。ヤリたくなったら龍之介が寝ていてもお構いなしだ。
そりゃあ始まりが性奴隷だったのだから主が奴隷の都合など考えるはずもないのだが、今は一応嫁なわけである。もう少しこちらの気持ちとか、状況とか、ムードとかを考慮してくれてもいいのにな……なんてことをうっすら考えていた、ことは否めない。
だが実際、こうも手を出されなくなると不安でしかないわけで…
「なぁ、レイノルド」
「…………なんだ」
「なんか、お前おかしくない?何か悪いものでも食った?」
「食べていない」
「じゃあなんで…」
「なんで?」
「………………………」
なんで、最近、手ェ出してこねぇの?
(なんって言えるか──!!)
と、龍之介はシーツに顔を擦りつけ拳を何度も振り上げる。これではまるで欲求不満みたいじゃないか!(そうだけど)べっつにレイノルドに抱かれなくったって他のふたりに抱かれているし、充分満たしてもらっているのだ。それは間違いない。
なのに、どうしてか不安になる。
(最近こいつ胸ばっか触って他の部分にはちっとも触れねえし、なんだったらフェラもさせようとしてこない。こんなのどう考えたっておかしいだろ?悪阻あけはあんなに盛ってた癖に!!)
もしかして、もう俺の体に飽きたんだろうか?
「…………………」
「どうした、リュウ」
気分でも悪いのか、と問われ顔を覗き込まれる。多分、物凄く情けない顔をしていたのだろう、レイノルドが息を呑む気配がした。
そして、何故か次の瞬間思い切り破顔したのであった。
「なっっんだよ、その顔!!」
「いや………久々にこう、下半身にガツンとくる表情だなと」
「はぁ!?え?はぁっ!?」
「良いな。笑っている顔もいいが、やはり私はリュウのそういう顔が好きだ」
「そ、そういうって…」
どんな顔だよ!?と言う抗議の声は、最後まで届かなかった。
レイノルドが龍之介の顎を掴み、その唇を塞いできたからである。
「あ……んぅ、……っ」
顔を固定され、レイノルドの肉厚な唇が重なってくる。啄むようにキスされたかと思えば強引に舌を捩じ込んできたり、戯れに上唇を食まれたり舌をきつく吸われたり、あっという間に龍之介の息が上がっていく。唇を貪られながら耳を愛撫され、背筋に甘い痺れが走る。唾液の絡まる音が妙に響いて急速に下半身が熱くなる。もう、こんなの何にも考えられなくなる…
(あれ?俺って今、何に悩んでたんだっけ?)
なんて、執拗に繰り返される口づけに心も体も蕩け出した頃には、龍之介の感じていた不安など、すっかり有耶無耶にされてしまうのであった。
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