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性癖のおかげ?
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「お前、マジで悪趣味」
「うん?文句があるなら見るな、早く出て行け」
シッシッと犬でも追い払うようにスピネルに対して手を振り払う。そもそもレイノルドはこの光景を誰かと共有する気はなかったし、自らの性癖を理解してもらおうなどとも思っていない。たまたまスピネルがいる時におっぱじまってしまった為、どうせなら大画面で鑑賞しようと思ったまでである。
「出て行けって言ったってなぁ…」
ふたりの目前にはシーツをぐちゃぐちゃに汚しながらセックスに没頭するエルヴィンと龍之介の姿が映し出されている。
正直見たくない。見たくはないのだけれど、見ないという選択肢はスピネルには与えられていない。
(どんな姿だって見たい。暫く会えないのだからそれは余計にだ)
だがしかし、とスピネルは思う。いやらしく喘ぐ龍之介の顔は可愛いし、とろとろになった前も後ろも今すぐむしゃぶりつきたくなるくらい扇状的だ。散々エドワードに抱かれている龍之介だって見てきているし、今更誰かに抱かれている龍之介を見て嫉妬に狂うなんてことはない。
と、そう思っていたのだけれど
「相手が悪い…」
「そんなにエルヴィンが疎ましいか?エルフというだけでそれ程までに嫌悪感を募らせるか」
「お前は平気なのか?お前だって半分獣人の血が流れているだろう」
「私は半獣だし、そもそも師匠がエルフだったからな。耐性はついているし、偏見はないさ」
「偏見…」
偏見ではない、とスピネルは思う。エルフに対して抱くこの不快感は生理的なものだ。生理的に受け付けないものを受け入れる度量はスピネルにはない。これが国と国、他種族間の政治的な問題なら個人的な感情は挟まない。けれどこれは、この目の前の光景は話が違う。そもそも高位エルフの魅了の前では魔力耐性のない者は無力だ。いいように操られ服従させられるしかない。獣人たちは魔力操作が不得手な種族だ。故にエルフとの相性はすこぶる悪かった。そういう意味でも獣人とエルフ、特に力の強い高位エルフとの関係には根深いものがあった。
「逆にお前はなんで平気なんだ?あれ程忌み嫌っていた母国に戻ったのも結局は龍之介の為だろう?そのくらい愛してるのになんで態々他の男に抱かせるんだよ」
「何故って、興奮するから」
「こうふん…」
レイノルドのよりイイ!すごい!気持ち良過ぎて頭おかしくなるうとか言われてんのが興奮すんの??
「するだろ?普通に」
「いや……それはふつうではない、ぞ」
「そうか?最高に滾るだろ」
次会った時、どうやって上書きしてやろうかと考えるだけで射精しそうだと薄ら微笑うレイノルドに、スピネルは軽い頭痛を覚える。
(ま、こんな性癖の奴だからこそ、俺もエドも受け入れてもらえたんだろうけどな…)
これは感謝すべきところなのかもしれない。寧ろ幸運だったのかも?と
そんなことを考えながらもスピネルは目の前で繰り広げられる龍之介とエルヴィンのセックスを、結局最後まで見届けるハメになるのであった。
「うん?文句があるなら見るな、早く出て行け」
シッシッと犬でも追い払うようにスピネルに対して手を振り払う。そもそもレイノルドはこの光景を誰かと共有する気はなかったし、自らの性癖を理解してもらおうなどとも思っていない。たまたまスピネルがいる時におっぱじまってしまった為、どうせなら大画面で鑑賞しようと思ったまでである。
「出て行けって言ったってなぁ…」
ふたりの目前にはシーツをぐちゃぐちゃに汚しながらセックスに没頭するエルヴィンと龍之介の姿が映し出されている。
正直見たくない。見たくはないのだけれど、見ないという選択肢はスピネルには与えられていない。
(どんな姿だって見たい。暫く会えないのだからそれは余計にだ)
だがしかし、とスピネルは思う。いやらしく喘ぐ龍之介の顔は可愛いし、とろとろになった前も後ろも今すぐむしゃぶりつきたくなるくらい扇状的だ。散々エドワードに抱かれている龍之介だって見てきているし、今更誰かに抱かれている龍之介を見て嫉妬に狂うなんてことはない。
と、そう思っていたのだけれど
「相手が悪い…」
「そんなにエルヴィンが疎ましいか?エルフというだけでそれ程までに嫌悪感を募らせるか」
「お前は平気なのか?お前だって半分獣人の血が流れているだろう」
「私は半獣だし、そもそも師匠がエルフだったからな。耐性はついているし、偏見はないさ」
「偏見…」
偏見ではない、とスピネルは思う。エルフに対して抱くこの不快感は生理的なものだ。生理的に受け付けないものを受け入れる度量はスピネルにはない。これが国と国、他種族間の政治的な問題なら個人的な感情は挟まない。けれどこれは、この目の前の光景は話が違う。そもそも高位エルフの魅了の前では魔力耐性のない者は無力だ。いいように操られ服従させられるしかない。獣人たちは魔力操作が不得手な種族だ。故にエルフとの相性はすこぶる悪かった。そういう意味でも獣人とエルフ、特に力の強い高位エルフとの関係には根深いものがあった。
「逆にお前はなんで平気なんだ?あれ程忌み嫌っていた母国に戻ったのも結局は龍之介の為だろう?そのくらい愛してるのになんで態々他の男に抱かせるんだよ」
「何故って、興奮するから」
「こうふん…」
レイノルドのよりイイ!すごい!気持ち良過ぎて頭おかしくなるうとか言われてんのが興奮すんの??
「するだろ?普通に」
「いや……それはふつうではない、ぞ」
「そうか?最高に滾るだろ」
次会った時、どうやって上書きしてやろうかと考えるだけで射精しそうだと薄ら微笑うレイノルドに、スピネルは軽い頭痛を覚える。
(ま、こんな性癖の奴だからこそ、俺もエドも受け入れてもらえたんだろうけどな…)
これは感謝すべきところなのかもしれない。寧ろ幸運だったのかも?と
そんなことを考えながらもスピネルは目の前で繰り広げられる龍之介とエルヴィンのセックスを、結局最後まで見届けるハメになるのであった。
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