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寝室は分けてます
しおりを挟む「───ッ、」
途端にゾワゾワっと肌が粟立った。異物が入り込んできた感覚に体が強張る。
「んっ、ぁ」
が、すぐにスライムから吐き出される催淫効果で尻の奥がキュンと疼いた。これはもう条件反射的な部分もあるだろう、スライムが尻の中で蠢くのはそこに餌があるからだが、龍之介にとっては挿入前の愛撫の意味合いが強い。よってスライムがヌルヌルと前立腺や奥の気持ちいいところを這いまわる度に堪えきれない甘い吐息が口からこぼれ出てしまう。こればっかりは仕方がない。こんな淫乱な体に仕上がってしまったのは自分だけの責任じゃないはずだ…!
「はっ、これ、やばぁ…」
いつもなら誰かが必ずそばにいて、龍之介の欲しい快楽をすぐに与えてくれる。
けれど今日に限って言えばレイノルドもスピネルも城を空けていて、狼くんにも別室で待機するように言いつけてしまっていた。
レイノルドに至っては離れていても遠見を使って視ている可能性もなきにしもあらずだが、こういう時レイノルドが干渉してくることは殆どない。レイノルドはわりと人の恥ずかしい姿を視て愉しむタイプの変態だからである…
(うぅ……こんなことなら、今日はひとりで寝るなんて言わなきゃよかった……)
あのしょんぼりした狼くんの尻尾を思い出し、龍之介は心の底から後悔する。もう少し優しくしてあげればよかった、なんてことを今更ながらに悔やんでもまあ遅い。
エルヴィンとすぐに喧嘩になるのはよくないけれど、険悪になるだけの理由が狼くんにはちゃんとあるのだろうし、それは龍之介としてもよくわかっていた。
ただ幻術とか言われると、そこはもう龍之介には理解が及ばない範疇の出来事過ぎて判断が出来ない、というのが率直なところである。なので狼くんのいうことを鵜呑みにするわけにもいかないし、ただエルヴィンのことを庇い過ぎるのもよくない……という板挟みに合ってしまうのだ。
好きな子の言うことはなんでも肯定してあげたくなるけれど、エルヴィンに限って言えば自分が無理を言って残ってもらっている手前無下にも出来ない。実際残ってもらって良かったなと感じている部分も多々あったし、出来れば仲良くして欲しいというのが龍之介の偽らざる本音なのであった。まあ、無理なものはしょうがないけど…
「あ……くそ、……すげ、濡れてきた……」
スライムの齎す刺激で既に前も後ろもぐっちょぐちょである。困ったことに龍之介の今いる寝室は防音魔法が効いていて、いくら声をあげても狼くんには届かない。レイノルドは龍之介のあられもない声がどれほど外に漏れても気にしないタイプだが、狼くんはその逆で龍之介の喘ぎ声を使用人たちに聞かれるのを嫌がる傾向にあった。
その為狼くんとセックスする時は声が漏れないように防音魔法の効いたこの部屋を最近では使うようにしていたのである。
(まさか、それが仇になるなんて……)
このままじゃ、朝までスライム入れたまま悶々とひとりで慰めるハメになるのでは……?と龍之介が涙目になっていると、ふと頭上に暗い影が落ちた。
「………えっ、なん、で?」
「随分お困りのようですね」
宜しければ助けて差し上げましょうか?と龍之介を見下ろしながらにっこり笑ったその人は、被っていた黒いフードを脱ぎ捨てる。
その下から現れた水色の髪に目を奪われたその瞬間、またしても龍之介の意識は紗がかかったようにぼやけていくのであった。
途端にゾワゾワっと肌が粟立った。異物が入り込んできた感覚に体が強張る。
「んっ、ぁ」
が、すぐにスライムから吐き出される催淫効果で尻の奥がキュンと疼いた。これはもう条件反射的な部分もあるだろう、スライムが尻の中で蠢くのはそこに餌があるからだが、龍之介にとっては挿入前の愛撫の意味合いが強い。よってスライムがヌルヌルと前立腺や奥の気持ちいいところを這いまわる度に堪えきれない甘い吐息が口からこぼれ出てしまう。こればっかりは仕方がない。こんな淫乱な体に仕上がってしまったのは自分だけの責任じゃないはずだ…!
「はっ、これ、やばぁ…」
いつもなら誰かが必ずそばにいて、龍之介の欲しい快楽をすぐに与えてくれる。
けれど今日に限って言えばレイノルドもスピネルも城を空けていて、狼くんにも別室で待機するように言いつけてしまっていた。
レイノルドに至っては離れていても遠見を使って視ている可能性もなきにしもあらずだが、こういう時レイノルドが干渉してくることは殆どない。レイノルドはわりと人の恥ずかしい姿を視て愉しむタイプの変態だからである…
(うぅ……こんなことなら、今日はひとりで寝るなんて言わなきゃよかった……)
あのしょんぼりした狼くんの尻尾を思い出し、龍之介は心の底から後悔する。もう少し優しくしてあげればよかった、なんてことを今更ながらに悔やんでもまあ遅い。
エルヴィンとすぐに喧嘩になるのはよくないけれど、険悪になるだけの理由が狼くんにはちゃんとあるのだろうし、それは龍之介としてもよくわかっていた。
ただ幻術とか言われると、そこはもう龍之介には理解が及ばない範疇の出来事過ぎて判断が出来ない、というのが率直なところである。なので狼くんのいうことを鵜呑みにするわけにもいかないし、ただエルヴィンのことを庇い過ぎるのもよくない……という板挟みに合ってしまうのだ。
好きな子の言うことはなんでも肯定してあげたくなるけれど、エルヴィンに限って言えば自分が無理を言って残ってもらっている手前無下にも出来ない。実際残ってもらって良かったなと感じている部分も多々あったし、出来れば仲良くして欲しいというのが龍之介の偽らざる本音なのであった。まあ、無理なものはしょうがないけど…
「あ……くそ、……すげ、濡れてきた……」
スライムの齎す刺激で既に前も後ろもぐっちょぐちょである。困ったことに龍之介の今いる寝室は防音魔法が効いていて、いくら声をあげても狼くんには届かない。レイノルドは龍之介のあられもない声がどれほど外に漏れても気にしないタイプだが、狼くんはその逆で龍之介の喘ぎ声を使用人たちに聞かれるのを嫌がる傾向にあった。
その為狼くんとセックスする時は声が漏れないように防音魔法の効いたこの部屋を最近では使うようにしていたのである。
(まさか、それが仇になるなんて……)
このままじゃ、朝までスライム入れたまま悶々とひとりで慰めるハメになるのでは……?と龍之介が涙目になっていると、ふと頭上に暗い影が落ちた。
「………えっ、なん、で?」
「随分お困りのようですね」
宜しければ助けて差し上げましょうか?と龍之介を見下ろしながらにっこり笑ったその人は、被っていた黒いフードを脱ぎ捨てる。
その下から現れた水色の髪に目を奪われたその瞬間、またしても龍之介の意識は紗がかかったようにぼやけていくのであった。
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