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不貞行為ダメ絶対
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「んっ」
びくっ、と体が反射的に強張った。冷たいそれは直ぐに離れて、代わりにぬるりとした感触に唇を割られる。
強引に入ってきたものに舌を絡めとられて思わず変な声が漏れた。自分でも驚くほど意識がはっきりせず何処か他人事のように感じている一方で、体の方は確実に甘い疼きを自覚して徐々に呼吸が乱れていく。心と体が別々に切り離されている感覚とでも言うのだろうか?まるで夢の中にいるかのような心地のまま、龍之介はエルヴィンに唇を吸われ続けた。
「んぁ、んぅ…」
気付けば完全にソファに押し倒されていた。細身に見えていたエルヴィンだが、のしかかられていると龍之介の力ではびくともしない。そもそも龍之介自身もふわふわしている状態の為抵抗する、という発想自体が浮かんでこない。
けれど、さすがに執拗に舌を舐められ絡めとられ、まるでセックスのようなキスをされ続けていると違和感を覚えてくる。あれ、俺なんでこんなことされてるんだろ?という疑問がようやく脳裏を掠めた頃には体の方はすっかり陥落してしまっていた。唇と唇の間を繋ぐ唾液の糸を指先で拭われ、それをべろりと舐め取られる。めちゃくちゃに卑猥なその光景に心臓がバクバクと早鐘のように高鳴った。明らかに性的な興奮を感じている体に対して、それでも頭の方は未だに靄がかかったような状態が続いている。やっぱり、何かがおかしい。
「どうします?続きをしましょうか?」
「へ……?あ、えっと……?」
疑問に疑問で返してしまった。それくらい、何を言われているのか咄嗟に理解することは難しかった。
「あなたの痴態は散々見て、聞いてきた気でいましたが、いざこうして自分の手で乱れる姿を目にすると……また違った感想になりますね」
「……エ、エルヴィン……さん……?」
「私は異種族とのセックスは好みませんが、出来ないというわけではないのです。あなたがどうしてもと望むなら、このまま抱いてあげてもよいのですよ?」
「抱、抱く……?」
俺を、エルヴィンさんが?と、龍之介はまわらない頭で考える。
それは、駄目だろう、と瞬時に思う。いくらなんでも今のこの自分の立場でそんなことをするのは、間違いなく不貞行為にあたる。エドやスピネルとセックスするのとはわけが違うのだ。
(しかも、子作りの真っ最中だぞ……!)
そんな時に、夫でもなく愛人でもない男に抱かれるなんて、流石に尻の軽い龍之介であってもそれはいけないことだと認識出来る。しかも相手は、レイノルドの元執事であるエルヴィンだ。
「いや……ダメですよ、な、なんで……?」
そもそもなんでこんな状況に陥ってるんですか?と龍之介は至極真っ当な疑問を口にする。だが、残念ながら真っ当なのは言葉だけで、龍之介の下半身はパンツを突き破りそうなほど勃起していたので全く説得力がなかった。体が心を裏切るってこういうことである…
びくっ、と体が反射的に強張った。冷たいそれは直ぐに離れて、代わりにぬるりとした感触に唇を割られる。
強引に入ってきたものに舌を絡めとられて思わず変な声が漏れた。自分でも驚くほど意識がはっきりせず何処か他人事のように感じている一方で、体の方は確実に甘い疼きを自覚して徐々に呼吸が乱れていく。心と体が別々に切り離されている感覚とでも言うのだろうか?まるで夢の中にいるかのような心地のまま、龍之介はエルヴィンに唇を吸われ続けた。
「んぁ、んぅ…」
気付けば完全にソファに押し倒されていた。細身に見えていたエルヴィンだが、のしかかられていると龍之介の力ではびくともしない。そもそも龍之介自身もふわふわしている状態の為抵抗する、という発想自体が浮かんでこない。
けれど、さすがに執拗に舌を舐められ絡めとられ、まるでセックスのようなキスをされ続けていると違和感を覚えてくる。あれ、俺なんでこんなことされてるんだろ?という疑問がようやく脳裏を掠めた頃には体の方はすっかり陥落してしまっていた。唇と唇の間を繋ぐ唾液の糸を指先で拭われ、それをべろりと舐め取られる。めちゃくちゃに卑猥なその光景に心臓がバクバクと早鐘のように高鳴った。明らかに性的な興奮を感じている体に対して、それでも頭の方は未だに靄がかかったような状態が続いている。やっぱり、何かがおかしい。
「どうします?続きをしましょうか?」
「へ……?あ、えっと……?」
疑問に疑問で返してしまった。それくらい、何を言われているのか咄嗟に理解することは難しかった。
「あなたの痴態は散々見て、聞いてきた気でいましたが、いざこうして自分の手で乱れる姿を目にすると……また違った感想になりますね」
「……エ、エルヴィン……さん……?」
「私は異種族とのセックスは好みませんが、出来ないというわけではないのです。あなたがどうしてもと望むなら、このまま抱いてあげてもよいのですよ?」
「抱、抱く……?」
俺を、エルヴィンさんが?と、龍之介はまわらない頭で考える。
それは、駄目だろう、と瞬時に思う。いくらなんでも今のこの自分の立場でそんなことをするのは、間違いなく不貞行為にあたる。エドやスピネルとセックスするのとはわけが違うのだ。
(しかも、子作りの真っ最中だぞ……!)
そんな時に、夫でもなく愛人でもない男に抱かれるなんて、流石に尻の軽い龍之介であってもそれはいけないことだと認識出来る。しかも相手は、レイノルドの元執事であるエルヴィンだ。
「いや……ダメですよ、な、なんで……?」
そもそもなんでこんな状況に陥ってるんですか?と龍之介は至極真っ当な疑問を口にする。だが、残念ながら真っ当なのは言葉だけで、龍之介の下半身はパンツを突き破りそうなほど勃起していたので全く説得力がなかった。体が心を裏切るってこういうことである…
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