190 / 239
成人してから
しおりを挟む
「ロジアン……その、そういう話はせめて、成人してからに…」
「成人したら、抱いてもいいのか?」
「抱っ!?」
それはちょっと、一足飛び過ぎない?と龍之介は思う。もっとこう、あるだろう、色々と……どうしてこの世界の男共はすぐにセックスしたがるのだろうか。セックス以外にすることないの?
「お前が成人するまであと2年弱あるだろう。それまで龍之介が抱かれたくなるような、良い男になっておくんだな」
「スピネル、煽るようなこと言うなよな…」
無責任だぞ、と横目で睨みつけるとスピネルは楽しげな表情を隠そうともしていない。こいつ、面白がってやがる……どこの世界に親子揃っておんなじ男の愛人になる奴がいるのか。親子丼なんてまっぴらである。
(突っ込む方ならまだしも、こっちは突っ込まれる側なんだぞっ…!)
あと普通に愛人なんてポジションは、ロジアンには似つかわしくないと思う。この子にはもっと陽の当たる場所で、威風堂々としていて欲しい。可愛い嫁……は無理でも、男を立ててくれるような伴侶が彼にはお似合いだと思うからだ。
(俺は、相手を立てるって柄じゃないしな…)
むしろ面倒を見られている側である。衣食住全てを依存している状態だ。
あれっ…これって所謂ヒモって奴なんじゃ…
「とにかくお前はまず、レイノルドに慣れることからはじめるんだな。ニールネルと一緒に少しずつ免疫をつけていけ。それから双子たちにはまだ刺激が強いだろうから、レイノルドには近づけさせるなよ」
「…………貴様は平気なのか?」
「俺?全然平気じゃなかったぜ、ゲロゲロ吐いてたし」
「元々恋人だったのではないのか?」
「そうだけど、久々に会ったら顔にデカい傷はあるわ、中に魔人がいるわ……そもそも気配?オーラ?雰囲気?が全然変わってんだもん、こっちだってビックリだぜ」
「そんな軽いノリで魔人を受け入れられても困るんだけどな」
「しょうがねぇだろ、受け入れないわけにもいかねえんだから」
龍之介にはレイノルドがどんなになっても、ノーとは言えないのだ。例え取り柄の顔がぐちゃぐちゃになっていようと、悪魔だか魔物だかの血が混じってようと、中に魔人を飼っていようと、それが拒絶の原因にはなり得ない。
「どんなになってても、俺の方からレイノルドを拒否するなんてことは、あり得ないんだよ」
「だってよ、聞いたか?ロジアン。妬けるよなぁ」
「………………」
ロジアンは無言で龍之介を睨みつけ、そのまま数十秒が経過した後、漸く手を離してくれた。
「……………出直してくる」
その声には悔しさが滲まれており、なんだか酷く、彼を傷つけてしまったのではないかと
そんなふうに、龍之介は思ったのであった。
「成人したら、抱いてもいいのか?」
「抱っ!?」
それはちょっと、一足飛び過ぎない?と龍之介は思う。もっとこう、あるだろう、色々と……どうしてこの世界の男共はすぐにセックスしたがるのだろうか。セックス以外にすることないの?
「お前が成人するまであと2年弱あるだろう。それまで龍之介が抱かれたくなるような、良い男になっておくんだな」
「スピネル、煽るようなこと言うなよな…」
無責任だぞ、と横目で睨みつけるとスピネルは楽しげな表情を隠そうともしていない。こいつ、面白がってやがる……どこの世界に親子揃っておんなじ男の愛人になる奴がいるのか。親子丼なんてまっぴらである。
(突っ込む方ならまだしも、こっちは突っ込まれる側なんだぞっ…!)
あと普通に愛人なんてポジションは、ロジアンには似つかわしくないと思う。この子にはもっと陽の当たる場所で、威風堂々としていて欲しい。可愛い嫁……は無理でも、男を立ててくれるような伴侶が彼にはお似合いだと思うからだ。
(俺は、相手を立てるって柄じゃないしな…)
むしろ面倒を見られている側である。衣食住全てを依存している状態だ。
あれっ…これって所謂ヒモって奴なんじゃ…
「とにかくお前はまず、レイノルドに慣れることからはじめるんだな。ニールネルと一緒に少しずつ免疫をつけていけ。それから双子たちにはまだ刺激が強いだろうから、レイノルドには近づけさせるなよ」
「…………貴様は平気なのか?」
「俺?全然平気じゃなかったぜ、ゲロゲロ吐いてたし」
「元々恋人だったのではないのか?」
「そうだけど、久々に会ったら顔にデカい傷はあるわ、中に魔人がいるわ……そもそも気配?オーラ?雰囲気?が全然変わってんだもん、こっちだってビックリだぜ」
「そんな軽いノリで魔人を受け入れられても困るんだけどな」
「しょうがねぇだろ、受け入れないわけにもいかねえんだから」
龍之介にはレイノルドがどんなになっても、ノーとは言えないのだ。例え取り柄の顔がぐちゃぐちゃになっていようと、悪魔だか魔物だかの血が混じってようと、中に魔人を飼っていようと、それが拒絶の原因にはなり得ない。
「どんなになってても、俺の方からレイノルドを拒否するなんてことは、あり得ないんだよ」
「だってよ、聞いたか?ロジアン。妬けるよなぁ」
「………………」
ロジアンは無言で龍之介を睨みつけ、そのまま数十秒が経過した後、漸く手を離してくれた。
「……………出直してくる」
その声には悔しさが滲まれており、なんだか酷く、彼を傷つけてしまったのではないかと
そんなふうに、龍之介は思ったのであった。
59
お気に入りに追加
1,616
あなたにおすすめの小説
異世界のオークションで落札された俺は男娼となる
mamaマリナ
BL
親の借金により俺は、ヤクザから異世界へ売られた。異世界ブルーム王国のオークションにかけられ、男娼婦館の獣人クレイに買われた。
異世界ブルーム王国では、人間は、人気で貴重らしい。そして、特に日本人は人気があり、俺は、日本円にして500億で買われたみたいだった。
俺の異世界での男娼としてのお話。
※Rは18です
悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!
梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!?
【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】
▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。
▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。
▼毎日18時投稿予定
平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです
おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの)
BDSM要素はほぼ無し。
甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。
順次スケベパートも追加していきます
双葉病院小児病棟
moa
キャラ文芸
ここは双葉病院小児病棟。
病気と闘う子供たち、その病気を治すお医者さんたちの物語。
この双葉病院小児病棟には重い病気から身近な病気、たくさんの幅広い病気の子供たちが入院してきます。
すぐに治って退院していく子もいればそうでない子もいる。
メンタル面のケアも大事になってくる。
当病院は親の付き添いありでの入院は禁止とされています。
親がいると子供たちは甘えてしまうため、あえて離して治療するという方針。
【集中して治療をして早く治す】
それがこの病院のモットーです。
※この物語はフィクションです。
実際の病院、治療とは異なることもあると思いますが暖かい目で見ていただけると幸いです。
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる