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ムードなんていらない

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「変化って、どの程度出来るようになったの?」
「護衛騎士になる為の最低のラインは越えてます」
「と、言うと?」
「顔と…手と足、それから生殖器を同時に人型に変化出来るように訓練しました」
「前は出来なかったんだよな」
「はい。出来てもどれかひとつ、といった程度で……人型を保つには魔力量がギリギリだと教官には言われていました」
「へえ、やっぱり元々の素質とかも影響あるんだ」
「そうですね。自分は士官学校の頃から魔力操作が苦手だったので、正直出世はしないだろうと諦めていました」
「人型取れなきゃ、出世しないんだ?」
「そうですね。他国には獣人をよく思わない地域もありますから、上に行くには人型を取れることが必須の条件とされます」
「ふうん」
「こんな機会が無ければきっと、こんなに必死になることも無かったと思います」
「こんな機会、かあ…」



「ね、どこから変化する?」
「同時ではなくてですか?」
「うん、折角だからいっこずつ見てく」
「恥ずかしいですね、なんだか」
「はは、裸にされてる気分?」
「それより…もしかしたら…」
「悪いことしてる気分になるな…」



「ゆび、きれい」
「そうですか?」
「うん、ゴツゴツしてていい感じ」
「関節は太いかもしれないです」
「爪短いね」
「…切ってきましたから」
「へえ、ふふっ」
「笑わないでください…」



「あの、顔は正直…期待外れだと思います」
「ええ?なんで」
「あまり、その、整っているとは言い難いと…」
「そんなん気にしないよ」
「でも、あなたのまわりの人は、みんな…」
「俺、別に面食いじゃないよ。綺麗な顔はそりゃ好きだけど、綺麗な顔だからってそれだけで好きになるわけじゃないし」

「………目つき、悪いですよ」
「えっ、かわいいじゃん!」
「何処がですかっ、三白眼じゃないですか」
「三白眼いいじゃん!マジカッコいい!狼くんて感じするわ」
「へ、変じゃないですか」
「うん、めっちゃイイ感じ」
「…なら、よかったです」




「うお、デカ…」
「すみません、これ以上は小さくなりませんでした…」
「これが最小サイズってこと?こっからまたデカくなるん??」
「多少は…」
「大丈夫かな、俺」
「あの、全部挿入らなくてもイカせられるように頑張りますからっ」
「はは、うそうそ、大丈夫だよ。意外と伸びるんだぜ人間の体って」

「……………」
「あ、膨らんだな」
「すみません…見られてると思うと…」
「うわあ、多少じゃなくない?めちゃくちゃ反り返ってきてんだけどっ」
「す、すみませんっ」
「いーよ、これも特訓の成果だろ。見せてよ全部」
「……………はい」



「でも尻尾はついたままなんだな?」
「尻尾と耳は、まだコントロールが難しくて」
「へえ、いいな」
「いいですか?」
「うん、いい」


「…キスしていいですか?」
「うん、いーよ…」
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