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かませ犬ムーブ
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さて、いざお許しを頂いてさあ、どうぞ!とされると意外と怖気付いてしまうものである。
(条件出されたけど…それもなぁ…)
レイノルドが龍之介に手を出す条件としてあげたのはふたつ。
ひとつはレイノルドの遠見が届かない場所での性行為はしないこと。
ふたつめは、行為の最中にレイノルドが入ってきても行為を止めないこと、の以上ふたつである。
(乱交には慣れてるし、複数プレイも別に嫌じゃないんだけど…)
龍之介相手だと何故かひっかかる。出来れば誰にも邪魔されたくないと思ってしまう。後は単純にレイノルドがいると緊張する…というのもあった。
獣人は自分より能力の高い者には身が竦むようになっている。これは条件反射的なもので、生理現象みたいなものだった。
ただ克服することは可能で、慣れることもままあった。だが一度植え付けられた上下関係というのは中々払拭出来ない。本能がそれを拒むのだ。
(前に直談判した時はダメだって言われたのに、なんで今になって許可してくれたんだろ)
龍之介にはああ言ったが、実のところは無理だと思っていた。だって龍之介には言ってなかったが、実際自分はレイノルドに直接聞いていたのだ、龍之介を抱いてもいいか?と
そして、断られていたのだから。
(性奴隷の時は駄目で、恋人になったらOKてことか?それとも龍之介が俺に慣れたから?)
よく、わからないなと思う。だが同時にラッキーだとも思った。どんな経緯であれ龍之介とセックスできるのだ。あの白い首に吸いついて、好きなだけキス出来るのだ。
そう考えるだけで体が熱くなる。今すぐにでもめちゃくちゃに抱き潰したい衝動に駆られる。
だが、いざ龍之介を前にすると尻込みしてしまう自分がいるのだ。
(一回抱いて、そんでその後は?定期的に抱かせてくれるのか?俺がしたい時に、好きなように押し倒して許されるのか??)
一度吸ってしまった甘い蜜を、自分はいつか手離すことが出来るだろうか?
そんなことばかりを、ここ最近ずっと考えている。わかっている、怖いのだ。こんなに誰かひとりに執着した経験がないから、それを取り上げられた時のことを、つい考えてしまう。俺は臆病者だ。
(レイノルド様は、きっと、俺の気持ちに気が付いている)
恋人が他の男に抱かれていても、以前は何とも思わなかった。相手が獣人ならそれは仕方がないことだし、そうでなかったとしても性衝動は抑えようとしても難しい時があることをルクシュは身を持って知っていたからだ。
だから相手を責めるつもりはないし、楽しくやっているならそれでいいと思っていた。ささやかな嫉妬をすることもあったが、それも良いスパイスになって浮気の後のセックスは大いに盛り上がった。
要は、浮気相手とのセックスより恋人とするセックスの方がいいだろう、という確認なのだ。
その確認をする為に、他の異性と(時々同性と)浮気セックスをするのかもしれない。
(なんてな…)
その理屈でいくと、自分は完全に当て馬だとルクシュは思う。
レイノルドと龍之介が気持ちの良いセックスをする為の前哨戦、もしくは前振り、かませ犬…
「言ってて悲しくなってきたぜ…」
そんなことをグダグダ考えながらも、気がつけば足が龍之介の部屋へと向かっているのだから、もう手に負えない。
まったく、恋なんて、真剣にするもんじゃないなとルクシュは思う。思いながら、部屋の扉をノックした。
(条件出されたけど…それもなぁ…)
レイノルドが龍之介に手を出す条件としてあげたのはふたつ。
ひとつはレイノルドの遠見が届かない場所での性行為はしないこと。
ふたつめは、行為の最中にレイノルドが入ってきても行為を止めないこと、の以上ふたつである。
(乱交には慣れてるし、複数プレイも別に嫌じゃないんだけど…)
龍之介相手だと何故かひっかかる。出来れば誰にも邪魔されたくないと思ってしまう。後は単純にレイノルドがいると緊張する…というのもあった。
獣人は自分より能力の高い者には身が竦むようになっている。これは条件反射的なもので、生理現象みたいなものだった。
ただ克服することは可能で、慣れることもままあった。だが一度植え付けられた上下関係というのは中々払拭出来ない。本能がそれを拒むのだ。
(前に直談判した時はダメだって言われたのに、なんで今になって許可してくれたんだろ)
龍之介にはああ言ったが、実のところは無理だと思っていた。だって龍之介には言ってなかったが、実際自分はレイノルドに直接聞いていたのだ、龍之介を抱いてもいいか?と
そして、断られていたのだから。
(性奴隷の時は駄目で、恋人になったらOKてことか?それとも龍之介が俺に慣れたから?)
よく、わからないなと思う。だが同時にラッキーだとも思った。どんな経緯であれ龍之介とセックスできるのだ。あの白い首に吸いついて、好きなだけキス出来るのだ。
そう考えるだけで体が熱くなる。今すぐにでもめちゃくちゃに抱き潰したい衝動に駆られる。
だが、いざ龍之介を前にすると尻込みしてしまう自分がいるのだ。
(一回抱いて、そんでその後は?定期的に抱かせてくれるのか?俺がしたい時に、好きなように押し倒して許されるのか??)
一度吸ってしまった甘い蜜を、自分はいつか手離すことが出来るだろうか?
そんなことばかりを、ここ最近ずっと考えている。わかっている、怖いのだ。こんなに誰かひとりに執着した経験がないから、それを取り上げられた時のことを、つい考えてしまう。俺は臆病者だ。
(レイノルド様は、きっと、俺の気持ちに気が付いている)
恋人が他の男に抱かれていても、以前は何とも思わなかった。相手が獣人ならそれは仕方がないことだし、そうでなかったとしても性衝動は抑えようとしても難しい時があることをルクシュは身を持って知っていたからだ。
だから相手を責めるつもりはないし、楽しくやっているならそれでいいと思っていた。ささやかな嫉妬をすることもあったが、それも良いスパイスになって浮気の後のセックスは大いに盛り上がった。
要は、浮気相手とのセックスより恋人とするセックスの方がいいだろう、という確認なのだ。
その確認をする為に、他の異性と(時々同性と)浮気セックスをするのかもしれない。
(なんてな…)
その理屈でいくと、自分は完全に当て馬だとルクシュは思う。
レイノルドと龍之介が気持ちの良いセックスをする為の前哨戦、もしくは前振り、かませ犬…
「言ってて悲しくなってきたぜ…」
そんなことをグダグダ考えながらも、気がつけば足が龍之介の部屋へと向かっているのだから、もう手に負えない。
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