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酒は飲んでも呑まれるな

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調味料の違いや火の扱いに若干手間取ったものの、なんとか夕食を作り終えた龍之介は久々の労働に謎の達成感を覚えていた。

「俺、久しぶりにセックス以外で人の役に立った気がする…」
「切ない台詞だなぁ」

苦笑いされながらワインをあけて、ダームウェルは美味しそうに龍之介の作った夕食を食べてくれる。うーん、作りがいのある良い食べっぷり…

「ぜんぶ美味い」
「……(ちょっと嬉しい)」

良い気分になったところで、龍之介はこの世界に来てこれまた初めてアルコールを摂取した。レイノルドの屋敷では出されなかったし、王様との食事の時も、宿屋に泊まった時でさえ一滴も飲んではいなかった。

「ワイン、飲んでいい?」
「いいぞ」
「やった!白も赤も両方飲んじゃおっと」

久しぶりの飲酒に、すっかり舞い上がっていたのは確かである。それにダームウェルが用意した酒はどれもこれも抜群に美味かった。
ペースも考えずにカパカパグラスをあけ、気付いた時には泥酔状態である。


「派手に酔っ払ったな」
「よっ、……て、ねぇし」
「顔真っ赤かだぞ」

ほら、水飲めよ、とダームウェルは水を飲まそうとしてくるが、龍之介はイヤイヤをして頑なにそれを拒否する。そこにたいした理由はないのだが、何故か全力で拒む龍之介にダームウェルも苦笑いを浮かべる。

「ほんと、酔っ払いのすることはわかんねぇな」

仕方ないとばかりにダームウェルは水を口に含むと龍之介の顎を掴んで口うつしする。
吐き出されるかと思いきや、素直に飲み込む様子の龍之介の反応に、ダームウェルは2、3回その行為を繰り返す。

が、そのうちやはり水ではなく別のものを求めて舌が蠢き出す。どちらからともなく舌を絡め合い、唇に吸いつく。戯れるようなキスを何度も交わすうち、下腹部に熱が集まり出す。ああどうして人は酒を飲むと、セックスがしたくなるのだろうか…


「お前、前より雰囲気エロくなったな。レイノルド以外の男にも抱かれたりしたのか?」
「はぁ?……んだそれ、ヤなこと、思い出させんじゃね、っての…」
「呂律回ってねぇなぁ」

ダームウェルは苦笑して、酒臭い龍之介の唇にキスをする。キスしたままシャツの隙間から乳首を軽く擦る。んっ、と途端に吐息混じりの甘い声が漏れた。

「乳首、感じるか?」
「ンッ、……じる、…っと、触っ…」
「ハハ、積極的になったなぁ」

それとも酔っ払ってるせいか?とダームウェルは笑いながら両方の乳首を指で捏ねたり弾いたりしながら龍之介の反応を楽しんでいる。その間も、互いに深く唇を貪り合う。室内にはキスの淫らな水音とふたりの荒い呼吸だけが響いていた。
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