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年下包容力系男子
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「大丈夫ですか!?」
「あっ、……こっ、」
ここここわかったーー!!と龍之介は部屋に駆け込んできた狼くんに全力で飛びついた。
マジで怖かった!!なにあれ!?今のなに!!?
「恐らく、この気配は魔人ですね。この国に現れるのは非常に珍しくはありますが…」
「ま、まじんて!あんなに怖いものなの!!?」
俺の知ってる魔人はあんなんじゃないんだけど!と必死に訴える。すると、狼くんは龍之介を落ち着かせようと背中をさすりながらギュッと抱きしめてくれた。なんとまあ、包容力のある子だろうか…
「魔人にも色んなタイプがおりますから。ですが大半は恐ろしく、危険な存在です」
「そ、そうなんだ…」
確かにひと口に人間といっても様々な性格の者がいる。種族単位で性格や性質を語るのは暴論かもしれない、と龍之介は思い直す。
そう思ったら、少し落ち着いてきた。龍之介は逞しい狼くんの胸筋に顔を擦りつけながらはぁ~と息を吐く。うん、普通に息が吐けるって素晴らしい。そう確かめるように龍之介はそのままの体勢で息を吸ったり吐いたりを繰り返す。
すると、気付けば狼くんの下半身がとんでもないことになっていた。
「あ、悪い」
「…………いえ、こちらこそ」
申し訳ないです、と狼くんは頬を赤らめる。密着したまま顔を擦りつけ過ぎていた。これはどう考えても俺が悪いと龍之介は反省する。
(それにしても…)
とても素直な反応である。正直、かわいい。
因みにこの狼くん、年は人間でいうところの19歳くらいらしい。マジもんの10代でした。
(さっき本気で怖い思いしたせいか、俺もちょっと下半身に違和感が…)
命の危機に瀕すると性欲が高まるって本当なのである。人の体とは不思議なものだ。
まあ狼くんにつられている、というのもあるだろうが。
「……………」
「……………」
なんだか変な雰囲気になってしまった。
狼くんの股間は相変わらず物凄い存在感を放っているし、龍之介は龍之介でちょっとムラついてきてしまっている。
何かきっかけさえあれば、すぐにでもおっぱじまりそうな空気感だ。
(いやいやマズいだろ……俺そんなビッチじゃないし)
と思ったが、既に前科があったことを思い出す。あったわ、前にも似たようなことが。
(俺、性欲強まってんのかな…)
あれだけ散々レイノルドに抱かれまくっているのに、この上まだシたいのか。
チラリ、と視線を上に向ける。
琥珀色の瞳が、龍之介を見下ろしていた。
(すごく、カッコいいと思ってしまった…)
いや、やっぱり狼って格好良いよなと龍之介はあらためて思う。
そう言えば、狼は意外に感情が豊かで積極的にコミュニケーションをとる動物だと聞いたことがある。
懐けば腹をみせたり尻尾を振ることもあるのだそうだ。
(ちょっと、見てみたいかも)
腹をみせるのは無理でも、仲良くなれば尻尾くらいは振ってくれるかもしれない。
そんなことを、龍之介は考えていた。こんな状況下でのんきなもんである。狼くんの気も知らずに。
「あっ、……こっ、」
ここここわかったーー!!と龍之介は部屋に駆け込んできた狼くんに全力で飛びついた。
マジで怖かった!!なにあれ!?今のなに!!?
「恐らく、この気配は魔人ですね。この国に現れるのは非常に珍しくはありますが…」
「ま、まじんて!あんなに怖いものなの!!?」
俺の知ってる魔人はあんなんじゃないんだけど!と必死に訴える。すると、狼くんは龍之介を落ち着かせようと背中をさすりながらギュッと抱きしめてくれた。なんとまあ、包容力のある子だろうか…
「魔人にも色んなタイプがおりますから。ですが大半は恐ろしく、危険な存在です」
「そ、そうなんだ…」
確かにひと口に人間といっても様々な性格の者がいる。種族単位で性格や性質を語るのは暴論かもしれない、と龍之介は思い直す。
そう思ったら、少し落ち着いてきた。龍之介は逞しい狼くんの胸筋に顔を擦りつけながらはぁ~と息を吐く。うん、普通に息が吐けるって素晴らしい。そう確かめるように龍之介はそのままの体勢で息を吸ったり吐いたりを繰り返す。
すると、気付けば狼くんの下半身がとんでもないことになっていた。
「あ、悪い」
「…………いえ、こちらこそ」
申し訳ないです、と狼くんは頬を赤らめる。密着したまま顔を擦りつけ過ぎていた。これはどう考えても俺が悪いと龍之介は反省する。
(それにしても…)
とても素直な反応である。正直、かわいい。
因みにこの狼くん、年は人間でいうところの19歳くらいらしい。マジもんの10代でした。
(さっき本気で怖い思いしたせいか、俺もちょっと下半身に違和感が…)
命の危機に瀕すると性欲が高まるって本当なのである。人の体とは不思議なものだ。
まあ狼くんにつられている、というのもあるだろうが。
「……………」
「……………」
なんだか変な雰囲気になってしまった。
狼くんの股間は相変わらず物凄い存在感を放っているし、龍之介は龍之介でちょっとムラついてきてしまっている。
何かきっかけさえあれば、すぐにでもおっぱじまりそうな空気感だ。
(いやいやマズいだろ……俺そんなビッチじゃないし)
と思ったが、既に前科があったことを思い出す。あったわ、前にも似たようなことが。
(俺、性欲強まってんのかな…)
あれだけ散々レイノルドに抱かれまくっているのに、この上まだシたいのか。
チラリ、と視線を上に向ける。
琥珀色の瞳が、龍之介を見下ろしていた。
(すごく、カッコいいと思ってしまった…)
いや、やっぱり狼って格好良いよなと龍之介はあらためて思う。
そう言えば、狼は意外に感情が豊かで積極的にコミュニケーションをとる動物だと聞いたことがある。
懐けば腹をみせたり尻尾を振ることもあるのだそうだ。
(ちょっと、見てみたいかも)
腹をみせるのは無理でも、仲良くなれば尻尾くらいは振ってくれるかもしれない。
そんなことを、龍之介は考えていた。こんな状況下でのんきなもんである。狼くんの気も知らずに。
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