上 下
58 / 239

虎と狼とうさぎさん

しおりを挟む
レイノルドの指が、龍之介のいちばん気持ちの良い場所をぐりぐりと刺激してくる。
その度にグチュグチュと卑猥な音がなり、口からは否定とも言えないような甘い嬌声がこぼれてしまう。

やめて欲しいのにやめて欲しくない、指を抜いて欲しいのに抜いて欲しくない、

どちらも本当の気持ちなのに、どうしていいかまるでわからないのだ。わからないからただレイノルドのしたいように、いいように弄ばれてしまう。こんなん絶対嬉々としてやっているに違いないのに!

(ちくしょう…!後ろから好き放題弄りやがって!絶対ニヤニヤしてるに違いねえ!!)

いつものあのだらしなく緩みきった顔で抱かれているのかと思うとこっちまで恥ずかしくなってくる。せめてもの救いはエルヴィンがまったく我関せずでいてくれることである。
出来ればとめて欲しかったがそれは無理だとわかっている為この対応がベストである。もうこうなったら無視してくれていた方が逆にありがたい。

問題なのは獣人さんたちの方である。
女性は気まずそうに顔を俯けているが(この方はうさぎさんである)残りの男ふたりはこちらをガン見である。しかもはっきりくっきり勃起していらっしゃる。心なしか息も荒い。

(正直怖い…!こっちから散々煽っといてなんだけど、虎と狼じゃ視覚的にも恐怖倍増なのよ!!)

俺なんかで興奮してもらって申し訳ないけど、ここに来る前に見せてもらった獣人仕様のちんこを思い出すと縮み上がってしまう。個体差はあるだろうが、あんなん突っ込まれたら尻が壊れてしまう。サイズ調整されたとて、である。

(服の上からでもわかる、あんなに勃起して……痛くない、のかな)

一応案内と警護の目的で配置されている獣人さんたちである。職務中にこんなん見せられてムラムラさせられるとは夢にも思わなかったろう。本当に申し訳ない気分でいっぱいである。

(俺だって、こんなガッツリいかれるとは思わなかったんだよ…!いいとこキスどまりだと思ってたんだ!!)

それがコレである。下手するとこの場で突っ込まれかねない。そうなったらもうなんか色々と死ねる。二度とこの国では上を向いて歩けないだろう…


「レイ、レイノルドぉ、」
「うん?なんだ、リュウ」
「く、口でするから、も、ゆるしてぇ」

指だけで軽く数回は中イキしていた。本音を言えばもっと太いのが欲しいし、射精もしたい。ちんこも扱きたいし乳首も舐めて欲しいし思い切り奥まで突かれたい!

しかしだ、いくら広いといってもここは馬車の中である。そんな激しくしたら大迷惑だし、それになにより他人が見ている。その上この至近距離だ。

ここまでイチャつけば仲睦まじいのは充分伝わったはずである。なら当初の目的は達したはずだ。道中どれだけ長いか知らないが、もういい加減こんな茶番は終わらせて膝枕でもして寝てしまいたい。膝枕、いいじゃないかラブラブっぽくて!!


そんな気持ちを込めての渾身の台詞だったのだが、なんとレイノルドはすげなく却下した。

「駄目だ。こんなに尻の穴をとろとろにしているのに何故口で出さねばならない?」
「っ、なな、何言って…!」
「そんなに口でしたいなら、目の前に立派な雄のペニスが2本もあるだろう」
「なっ!?」

なに言い出すんだコイツ!!?と龍之介は思わずレイノルドの胸ぐらに掴みかかる。正気か?俺をここで売るつもりか!?と力の限り揺さぶってみるが、レイノルドは平然としている。寧ろちょっと笑ってさえいた。なんでそんなに楽しそうなの!?と龍之介は愕然とする。

(俺に、今ここでコイツらのちんこを咥えろってこと…?)

そんなことしてどうなんの?それで俺の立場が少しでもよくなるわけ??

救いを求めてエルヴィンの方を見るもガン無視である。少しでも期待した自分が馬鹿だった。龍之介は意を決して視線を正面の獣人たちの方にチラリと向けてみる。

(うっ、……動物の顔で表情なんでそんなにわかんないはずなのに、なんかちょっとわかるような…)

あきらかに期待に満ちた眼差しを向けられている気がする。

(うそぉ)

逃げ場なし、であった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界のオークションで落札された俺は男娼となる

mamaマリナ
BL
 親の借金により俺は、ヤクザから異世界へ売られた。異世界ブルーム王国のオークションにかけられ、男娼婦館の獣人クレイに買われた。  異世界ブルーム王国では、人間は、人気で貴重らしい。そして、特に日本人は人気があり、俺は、日本円にして500億で買われたみたいだった。  俺の異世界での男娼としてのお話。    ※Rは18です

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

変態村♂〜俺、やられます!〜

ゆきみまんじゅう
BL
地図から消えた村。 そこに肝試しに行った翔馬たち男3人。 暗闇から聞こえる不気味な足音、遠くから聞こえる笑い声。 必死に逃げる翔馬たちを救った村人に案内され、ある村へたどり着く。 その村は男しかおらず、翔馬たちが異変に気づく頃には、すでに囚われの身になってしまう。 果たして翔馬たちは、抱かれてしまう前に、村から脱出できるのだろうか?

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

勇者御一行様

BL
総受け勇者による魔王討伐の旅の様子です。エロしかないのでご注意下さい。

ファンタジーな世界でエロいことする

もずく
BL
真面目に見せかけてエロいことしか考えてないイケメンが、腐女子な神様が創った世界でイケメンにエロいことされる話。 BL ボーイズラブ 苦手な方はブラウザバックお願いします

アダルトショップでオナホになった俺

ミヒロ
BL
初めて同士の長年の交際をしていた彼氏と喧嘩別れした弘樹。 覚えてしまった快楽に負け、彼女へのプレゼントというていで、と自分を慰める為にアダルトショップに行ったものの。 バイブやローションの品定めしていた弘樹自身が客や後には店員にオナホになる話し。 ※表紙イラスト as-AIart- 様(素敵なイラストありがとうございます!)

ある少年の体調不良について

雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。 BLもしくはブロマンス小説。 体調不良描写があります。

処理中です...