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当て馬にはなりたくない
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さて、ひょんなことからリーリエと龍之介のお茶会に顔を出すハメになったルクシュであるが、ここであるひとつの問題に直面することとなる。
(会話の内容、えげつな~…)
ルクシュは耳を覆いたくなる衝動と必死に戦っていた。よく下ネタは女同士の方がえげつないと聞くが、まさにそれである。リーリエと龍之介の会話の内容のほぼ八割が下ネタなのだ。それも生々しいレイノルドとのセックス描写がそのうちの十割ときた。
(主人の性事情、知りたくねええ…)
確かにルクシュは獣人ハーフだし、その辺の奴らよりずっと性欲が強いという自覚はある。
だが、性欲が強いことと性癖を掘り下げることは違う。まったくの別問題なのだ。
そういう意味ではルクシュは淡白なタイプであった。これは獣人全般に言えることだが、とにかく穴さえあればいい。獣に近い血を持つ者ほどこういった性嗜好は強くなっていくし、例に漏れずルクシュもその傾向が強い。
挿れて、出して、スッキリして終わり。である。
なのでムードなど不要だし、なんだったら恋愛感情もなくていい。体の相性さえ良ければ嫌いな奴とだって寝れる。そういうタイプなのである。
否、だったので、ある。
「そんで気絶してる間にちんこ根元から縛られて、目ぇ覚めるまで延々ファックだぜ?酷くね?」
「でも根元ガチガチに縛られてたって結局いつも中イキしてるんだし、関係なくない?っていうか龍之介が気絶すると私まで意識なくなっちゃうのよ、アレなんとかならないのかしら」
「感覚共有切ればいいんじゃねーの」
「そうしたらいつ意識が戻ったかわからなくて起き抜けのエッチが体感出来ないじゃない!」
「そうまでしてヤリたいか…?俺は正直一回か二回くらいでもう腹いっぱいなわけなんだが…」
「なに言ってるのよ!レイノルド様のちんこが勃起する限り、何度だって抱かれたいのよ私は!!」
「性欲オバケ過ぎひん…」
これである。恥じらいとかはないのだろうか…
(…………静まれ、俺、)
想像するな、とルクシュは頭の中で別のことを考える。その努力をする。
ふと気をゆるめると意識のないくったりとした龍之介を獣のように犯すレイノルドの姿を想像してしまう。それだけならまだいいが、気がつけばレイノルドではなく自分が龍之介を組み敷いて、衝動の赴くままに腰を振ってガツガツ奥を突く、そんな光景を瞼の裏にみてしまうのだ。
(白昼夢だ)
行為の音や喘いでる声が聞こえてくるのが尚始末に悪い。
想像はより具体的に脳裏に浮かぶし、卑猥な嬌声はダイレクトにルクシュの雄を刺激した。
昼間は軽口を叩き合っていても、ふとした瞬間にムラムラしてしまう。こんなに誰かひとりに執着したことなどなかった。セックスはただの性欲解消の為の行為のはずなのに、なのにどうして自分はこんなにもこの男とセックスがしたいのか。
(どうしてオナニーする時龍之介の顔が浮かんでくるのか)
よく、わからないと、ルクシュは思う。
それにつけてもこのふたりの会話を聞いていると、色んなところが痛くなって困るなとルクシュは溜息を吐く。
頭とか、股間とか、胸とか、色んなところが
(痛い、なあ…)
早く終わんねえかな、と
ルクシュは今日も、心を無にして部屋の扉の前に立ち続けるのであった。
(会話の内容、えげつな~…)
ルクシュは耳を覆いたくなる衝動と必死に戦っていた。よく下ネタは女同士の方がえげつないと聞くが、まさにそれである。リーリエと龍之介の会話の内容のほぼ八割が下ネタなのだ。それも生々しいレイノルドとのセックス描写がそのうちの十割ときた。
(主人の性事情、知りたくねええ…)
確かにルクシュは獣人ハーフだし、その辺の奴らよりずっと性欲が強いという自覚はある。
だが、性欲が強いことと性癖を掘り下げることは違う。まったくの別問題なのだ。
そういう意味ではルクシュは淡白なタイプであった。これは獣人全般に言えることだが、とにかく穴さえあればいい。獣に近い血を持つ者ほどこういった性嗜好は強くなっていくし、例に漏れずルクシュもその傾向が強い。
挿れて、出して、スッキリして終わり。である。
なのでムードなど不要だし、なんだったら恋愛感情もなくていい。体の相性さえ良ければ嫌いな奴とだって寝れる。そういうタイプなのである。
否、だったので、ある。
「そんで気絶してる間にちんこ根元から縛られて、目ぇ覚めるまで延々ファックだぜ?酷くね?」
「でも根元ガチガチに縛られてたって結局いつも中イキしてるんだし、関係なくない?っていうか龍之介が気絶すると私まで意識なくなっちゃうのよ、アレなんとかならないのかしら」
「感覚共有切ればいいんじゃねーの」
「そうしたらいつ意識が戻ったかわからなくて起き抜けのエッチが体感出来ないじゃない!」
「そうまでしてヤリたいか…?俺は正直一回か二回くらいでもう腹いっぱいなわけなんだが…」
「なに言ってるのよ!レイノルド様のちんこが勃起する限り、何度だって抱かれたいのよ私は!!」
「性欲オバケ過ぎひん…」
これである。恥じらいとかはないのだろうか…
(…………静まれ、俺、)
想像するな、とルクシュは頭の中で別のことを考える。その努力をする。
ふと気をゆるめると意識のないくったりとした龍之介を獣のように犯すレイノルドの姿を想像してしまう。それだけならまだいいが、気がつけばレイノルドではなく自分が龍之介を組み敷いて、衝動の赴くままに腰を振ってガツガツ奥を突く、そんな光景を瞼の裏にみてしまうのだ。
(白昼夢だ)
行為の音や喘いでる声が聞こえてくるのが尚始末に悪い。
想像はより具体的に脳裏に浮かぶし、卑猥な嬌声はダイレクトにルクシュの雄を刺激した。
昼間は軽口を叩き合っていても、ふとした瞬間にムラムラしてしまう。こんなに誰かひとりに執着したことなどなかった。セックスはただの性欲解消の為の行為のはずなのに、なのにどうして自分はこんなにもこの男とセックスがしたいのか。
(どうしてオナニーする時龍之介の顔が浮かんでくるのか)
よく、わからないと、ルクシュは思う。
それにつけてもこのふたりの会話を聞いていると、色んなところが痛くなって困るなとルクシュは溜息を吐く。
頭とか、股間とか、胸とか、色んなところが
(痛い、なあ…)
早く終わんねえかな、と
ルクシュは今日も、心を無にして部屋の扉の前に立ち続けるのであった。
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