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後悔先に立たず
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この世界で男同士で子供を作ろうと思ったら、幾つかの選択肢がある(らしい)
その中でも最も体に負担がかからないとされているのが女体化だ。性別自体を子作りの期間だけ変化させ、出産、授乳が終わった頃に元の性別に戻すというものだ。
「これは投薬治療で体が変化し終わるまで約半年程かかる」
「いや、聞いてないし。説明しなくていいから」
「だが私は女の体には欲情しない」
「だから聞いてないってば…」
「男の体のままでも妊娠することは可能ですよ」
後を引き継ぐようにエルヴィンが続きを話し始める。
だから、説明しなくていいって言ってるのに…人の話を聞かない奴らである。
「この場合は妊娠に必要な臓器や機能を体内に生成します。よってそれにより生理もくるようになります。しかし出産は帝王切開のみとなりますね」
因みに母乳も出ますよとエルヴィンは言った。まったく要らない情報である。
「あとは卵で産むという方法も──」
「だぁー!!もういい!聞かない!聞きたくない!!」
これ以上聞いてなるものか!と、龍之介は声を張り上げる。
「産まない!産まないからな!!」
「どうしてだ?私とリュウの子供ならきっと可愛いぞ」
「そうですね、人間のハーフやクォーターは希少ですし、配合によってはとても優秀な子供が産まれると聞きます。試してみる価値はあるでしょう」
「嫌だったら嫌だ!!」
「そんなに嫌か?」
「嫌だ!!」
「……そんなに嫌がられると、逆に意地でも孕ませたくなるな…」
「(やばい)」
レイノルドの目つきが変わっている。あ、これはヤバい、不味い、と龍之介は異変を察知する。これは変なスイッチを押してしまったかもしれない。
「あっ、え、えーと、ほら!!妊娠したら暫くセックス出来なくなるだろ!?安定期まではしない方がいいって聞くし、その後も産まれるまでは激しいのは駄目だって言うじゃんか!!」
それって困るんじゃね?と、龍之介は必死にレイノルドに訴える。性奴隷とセックス出来なくなったら本末転倒じゃん!と、それはもう言葉巧みにレイノルドを説き伏せにかかった。
(そうだった…!コイツは俺が嫌がれば嫌がるほど喜ぶような鬼畜だった!!)
うっかり失念していた。嫌がってはいけなかったのだ。そんなことをすればレイノルドは嬉々として自分を孕ませにかかるだろう。否、確実に孕ませるに決まっている。この男はそういう奴なのだ、間違いない。
「……まあそう言われてみれば確かにそうだな」
「スローセックスをたのしめばいいではないですか」
「ゆっくり挿入とか無理だから、この人には…」
「人間の出産は命懸けと聞くしな。私も出産でリュウを失いたくはない」
「(やった!!)」
「別の方法を考えるか」
「(なんでだ!!)」
普通に今の流れで諦めてくれよう、と龍之介は涙目になる。
龍之介にとってはリーリエよりよっぽどこの今の会話の流れの方が怖かった。
こんなことならあの時リーリエの下僕に立候補しておくんだったと、龍之介は深く深く、後悔したのであった。
その中でも最も体に負担がかからないとされているのが女体化だ。性別自体を子作りの期間だけ変化させ、出産、授乳が終わった頃に元の性別に戻すというものだ。
「これは投薬治療で体が変化し終わるまで約半年程かかる」
「いや、聞いてないし。説明しなくていいから」
「だが私は女の体には欲情しない」
「だから聞いてないってば…」
「男の体のままでも妊娠することは可能ですよ」
後を引き継ぐようにエルヴィンが続きを話し始める。
だから、説明しなくていいって言ってるのに…人の話を聞かない奴らである。
「この場合は妊娠に必要な臓器や機能を体内に生成します。よってそれにより生理もくるようになります。しかし出産は帝王切開のみとなりますね」
因みに母乳も出ますよとエルヴィンは言った。まったく要らない情報である。
「あとは卵で産むという方法も──」
「だぁー!!もういい!聞かない!聞きたくない!!」
これ以上聞いてなるものか!と、龍之介は声を張り上げる。
「産まない!産まないからな!!」
「どうしてだ?私とリュウの子供ならきっと可愛いぞ」
「そうですね、人間のハーフやクォーターは希少ですし、配合によってはとても優秀な子供が産まれると聞きます。試してみる価値はあるでしょう」
「嫌だったら嫌だ!!」
「そんなに嫌か?」
「嫌だ!!」
「……そんなに嫌がられると、逆に意地でも孕ませたくなるな…」
「(やばい)」
レイノルドの目つきが変わっている。あ、これはヤバい、不味い、と龍之介は異変を察知する。これは変なスイッチを押してしまったかもしれない。
「あっ、え、えーと、ほら!!妊娠したら暫くセックス出来なくなるだろ!?安定期まではしない方がいいって聞くし、その後も産まれるまでは激しいのは駄目だって言うじゃんか!!」
それって困るんじゃね?と、龍之介は必死にレイノルドに訴える。性奴隷とセックス出来なくなったら本末転倒じゃん!と、それはもう言葉巧みにレイノルドを説き伏せにかかった。
(そうだった…!コイツは俺が嫌がれば嫌がるほど喜ぶような鬼畜だった!!)
うっかり失念していた。嫌がってはいけなかったのだ。そんなことをすればレイノルドは嬉々として自分を孕ませにかかるだろう。否、確実に孕ませるに決まっている。この男はそういう奴なのだ、間違いない。
「……まあそう言われてみれば確かにそうだな」
「スローセックスをたのしめばいいではないですか」
「ゆっくり挿入とか無理だから、この人には…」
「人間の出産は命懸けと聞くしな。私も出産でリュウを失いたくはない」
「(やった!!)」
「別の方法を考えるか」
「(なんでだ!!)」
普通に今の流れで諦めてくれよう、と龍之介は涙目になる。
龍之介にとってはリーリエよりよっぽどこの今の会話の流れの方が怖かった。
こんなことならあの時リーリエの下僕に立候補しておくんだったと、龍之介は深く深く、後悔したのであった。
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