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加減を知らない
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「いっ、…てえ!!」
噛まれた。おもいっきり噛みつかれた。
これはさすがに不味い、と龍之介はサーっと血の気が引いていく。
絶対に切れちゃいけないとこが切れた気がする。その証拠にどぷっと血が溢れ、どくどくと大量の血液がシーツを汚していった。
「ちょ、マジで落ち着け!揺らすな!腰を振り続けるな!!」
「あー気持ちいい…リュウの中って最高、こんなに締まる穴って実在するの?何回抱いても抱きたりないんだけど…」
「…………(聞いてねえ…!!)」
一定のリズムでガクガクと揺すぶられながら、龍之介はどうにかして止血しないとと噛まれた首筋を指で強く押さえる。
さすがにこうなると、快感より死への恐怖が上回る。だが体が強張っているせいかいつも以上に中の締めつけがキツイらしく、レイノルドは腰を打ちつけるのに夢中で龍之介の緊急事態に気づかない。
むせかえる血の匂いと、まるで首に心臓があるかのような錯覚。目眩がした。このままでは確実に失血死する。
「はっ、んっ、ふ、ううっ」
これは非常に不味い。奥を突かれる度に一緒に脳が揺れている。男は命の危機が高まると性欲も高まるというし、確かに龍之介の下半身も萎えてはいない。心なしかいつもより体も敏感になっている様な気もする。
だがわかる。この傷はヤバい。
(最近、エスカレートしてきてるとは、思ってたんだ…)
ダームウェルが来てからというもの、多少の傷ならすぐに魔法で回復出来てしまう為か、レイノルドの加虐趣味が加速していたのだ。
中でも噛みつき癖には肝を冷やしていた。計算なのか無意識なのか、最近は所謂急所を噛まれることが多かった。その度に大量に出血し、ダームウェルはレイノルドをこっぴどく叱っていた。
レイノルドもその時は反省した様子を見せるものの、いざセックスの時になってみるとそんなことはすっかり忘れてまた噛みついてくる。鳥頭なのか?三歩歩いたら忘れちまうのか??と疑いたくなるところだが、それが獣の性という奴なのかもしれないと、最近では諦めかけていた。
その証拠に、正常位や顔が見える体位の時はしてこない。理性が飛んでいるなと感じるのは、バックからやられている時だ。
所謂動物の交尾を連想させる体位。龍之介の顔が見えていない時に、レイノルドは加減を忘れて噛みついてくる。
そして今まさに、龍之介は後ろから挿入されていた。こうなると、射精するまでレイノルドは止まらない。
(とにかく、とっととイッてもらわないと…!)
一度射精すれば、少しは落ち着くだろう。自分の声も届くかもしれない。
そんなふうに考えていた龍之介だが、現実はそう甘くはなかった。
時間が経つにつれ、冷や汗が止まらなくなってきた。呼吸が上手く出来ない。酸素が薄い。意識が、正常に保てない──
あ、ダメだ。これ死ぬわ。
そう思った瞬間、スコンと意識が遠のいた。
次に龍之介が目覚めたのは、なんとその日から十日も後のことであった。
噛まれた。おもいっきり噛みつかれた。
これはさすがに不味い、と龍之介はサーっと血の気が引いていく。
絶対に切れちゃいけないとこが切れた気がする。その証拠にどぷっと血が溢れ、どくどくと大量の血液がシーツを汚していった。
「ちょ、マジで落ち着け!揺らすな!腰を振り続けるな!!」
「あー気持ちいい…リュウの中って最高、こんなに締まる穴って実在するの?何回抱いても抱きたりないんだけど…」
「…………(聞いてねえ…!!)」
一定のリズムでガクガクと揺すぶられながら、龍之介はどうにかして止血しないとと噛まれた首筋を指で強く押さえる。
さすがにこうなると、快感より死への恐怖が上回る。だが体が強張っているせいかいつも以上に中の締めつけがキツイらしく、レイノルドは腰を打ちつけるのに夢中で龍之介の緊急事態に気づかない。
むせかえる血の匂いと、まるで首に心臓があるかのような錯覚。目眩がした。このままでは確実に失血死する。
「はっ、んっ、ふ、ううっ」
これは非常に不味い。奥を突かれる度に一緒に脳が揺れている。男は命の危機が高まると性欲も高まるというし、確かに龍之介の下半身も萎えてはいない。心なしかいつもより体も敏感になっている様な気もする。
だがわかる。この傷はヤバい。
(最近、エスカレートしてきてるとは、思ってたんだ…)
ダームウェルが来てからというもの、多少の傷ならすぐに魔法で回復出来てしまう為か、レイノルドの加虐趣味が加速していたのだ。
中でも噛みつき癖には肝を冷やしていた。計算なのか無意識なのか、最近は所謂急所を噛まれることが多かった。その度に大量に出血し、ダームウェルはレイノルドをこっぴどく叱っていた。
レイノルドもその時は反省した様子を見せるものの、いざセックスの時になってみるとそんなことはすっかり忘れてまた噛みついてくる。鳥頭なのか?三歩歩いたら忘れちまうのか??と疑いたくなるところだが、それが獣の性という奴なのかもしれないと、最近では諦めかけていた。
その証拠に、正常位や顔が見える体位の時はしてこない。理性が飛んでいるなと感じるのは、バックからやられている時だ。
所謂動物の交尾を連想させる体位。龍之介の顔が見えていない時に、レイノルドは加減を忘れて噛みついてくる。
そして今まさに、龍之介は後ろから挿入されていた。こうなると、射精するまでレイノルドは止まらない。
(とにかく、とっととイッてもらわないと…!)
一度射精すれば、少しは落ち着くだろう。自分の声も届くかもしれない。
そんなふうに考えていた龍之介だが、現実はそう甘くはなかった。
時間が経つにつれ、冷や汗が止まらなくなってきた。呼吸が上手く出来ない。酸素が薄い。意識が、正常に保てない──
あ、ダメだ。これ死ぬわ。
そう思った瞬間、スコンと意識が遠のいた。
次に龍之介が目覚めたのは、なんとその日から十日も後のことであった。
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