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ファンタジーだけど現実問題
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突然だが龍之介は奴隷の身分でありながら、専属のメイドがひとりつけられている。
理由のひとつとしては、放っておくとすぐに風邪をひいたり体調を崩したりしてしまう為である。そうなると、レイノルドが望む時に望む行為が出来ない場合があるからだ。
勿論体調を崩していようが怪我をしていようが性行為自体は可能である。その為体調不良のまま体を酷使させ、結局は殺してしまう…というのが人間の性奴隷の行きつく先なのであった。
特にこれは獣人に買われていったケースに多い事例であり、故に人間の性奴隷は希少なのである。死亡率が、極めて高いのが特徴だった。
そんな諸々の事情から、レイノルドは龍之介の身の回りの世話をさせる為のメイドをひとり用意していた。
彼女の主な仕事は行為後失神している龍之介の介護……もとい傷の手当、洗体である。
彼女も獣人の血が入っている為力は強く、気を失っている龍之介を軽々担いでバスルームに運ぶことなど造作もない。
ぐちゃぐちゃになったシーツを取り替え、空気の入れ替えをし、身なりを清潔に整える。
そうやって、龍之介が目を覚ます頃には魔法のように綺麗な状態が保たれているのが常だった。
「えっ、ミアちゃん、俺の担当外れちゃうの…?」
そんな!と龍之介は悲しみのあまり声を荒げる。ミアの手当てが唯一の癒しの時間だったのに…!と必死で引き止めようとする龍之介に、ミアは淡々と自分が専属メイドから身を引く理由を説明しはじめた。
「私のお世話だけでは、龍之介様の体調は完全によくなりませんので」
「そんなこと…!……あるかもしれないけど、でも心は充分満たされてたのに!!」
「新しいお世話係の方は、回復魔法が使えるそうですよ。それから水魔法も使えるそうです」
「え、魔法?」
「ですからわざわざシャワーに入らずとも、一瞬で体を洗浄してもらえます。勿論、お尻の中のものも」
「尻の…なかの…」
えっ、魔法ってそんなに便利なの??と龍之介は目から鱗が落ちる思いだった。
「じゃ、じゃあ、毎回腹を下してトイレにこもることもなくなるってこと…?」
「少なくとも今よりはマシになるかと」
「ミアちゃん…!今までお世話になりました!これからもたまには遊びに来てね!!」
「……龍之介様のそういう変わり身の早いところ、嫌いではありませんでしたよ」
ミアはニコリともせずにそう言うと、隣の部屋に控えていたその人物を呼び寄せた。
「へえ、これがレイノルドが御執心の性奴隷?アイツ随分趣味変わったなあ」
「……げ」
男かよ…とあからさまに落胆する様子を見せる龍之介に、現れた長身の男は愉快そうに目を細める。
「中々生意気そうな面だ。躾がいがありそうだぜ」
「えー、お前も男相手に盛れるタイプ?もうどうなってんだよ倫理観…」
この世界の人間は皆バイセクシャルなのだろうか?
人の趣味にとやかく言いたかないが、男に抱かれるなんてレイノルドひとりで充分である。
「奴隷のくせに悲壮感がないな。稀にみる鈍感なタイプか?」
「悪かったな、太々しくて」
「いや、悪くない。気が強い方が屈服させがいがある」
「えー……」
(この人お世話係なんだよね?俺を屈服させるつもり?なぜ?何の為に??)
これは何だか嫌な予感がする。
今からでもミアちゃんにチェンジ出来ないだろうか。そう思ってミアの姿を探すも室内から彼女はとっくのとうに消えていた。仕事が早いね!さすがです!
「さて、まずは触診といこうか」
「……(どうしよう、エロい意味にしか聞こえない…)」
完全に胡散臭いものを見る目で男を睨みつける龍之介に、けれど当然のことながら拒否権などはなく。
その日龍之介は頭のてっぺんから足の先まで、ありとあらゆる部位をこの男によって弄ばれることになるのであった。
理由のひとつとしては、放っておくとすぐに風邪をひいたり体調を崩したりしてしまう為である。そうなると、レイノルドが望む時に望む行為が出来ない場合があるからだ。
勿論体調を崩していようが怪我をしていようが性行為自体は可能である。その為体調不良のまま体を酷使させ、結局は殺してしまう…というのが人間の性奴隷の行きつく先なのであった。
特にこれは獣人に買われていったケースに多い事例であり、故に人間の性奴隷は希少なのである。死亡率が、極めて高いのが特徴だった。
そんな諸々の事情から、レイノルドは龍之介の身の回りの世話をさせる為のメイドをひとり用意していた。
彼女の主な仕事は行為後失神している龍之介の介護……もとい傷の手当、洗体である。
彼女も獣人の血が入っている為力は強く、気を失っている龍之介を軽々担いでバスルームに運ぶことなど造作もない。
ぐちゃぐちゃになったシーツを取り替え、空気の入れ替えをし、身なりを清潔に整える。
そうやって、龍之介が目を覚ます頃には魔法のように綺麗な状態が保たれているのが常だった。
「えっ、ミアちゃん、俺の担当外れちゃうの…?」
そんな!と龍之介は悲しみのあまり声を荒げる。ミアの手当てが唯一の癒しの時間だったのに…!と必死で引き止めようとする龍之介に、ミアは淡々と自分が専属メイドから身を引く理由を説明しはじめた。
「私のお世話だけでは、龍之介様の体調は完全によくなりませんので」
「そんなこと…!……あるかもしれないけど、でも心は充分満たされてたのに!!」
「新しいお世話係の方は、回復魔法が使えるそうですよ。それから水魔法も使えるそうです」
「え、魔法?」
「ですからわざわざシャワーに入らずとも、一瞬で体を洗浄してもらえます。勿論、お尻の中のものも」
「尻の…なかの…」
えっ、魔法ってそんなに便利なの??と龍之介は目から鱗が落ちる思いだった。
「じゃ、じゃあ、毎回腹を下してトイレにこもることもなくなるってこと…?」
「少なくとも今よりはマシになるかと」
「ミアちゃん…!今までお世話になりました!これからもたまには遊びに来てね!!」
「……龍之介様のそういう変わり身の早いところ、嫌いではありませんでしたよ」
ミアはニコリともせずにそう言うと、隣の部屋に控えていたその人物を呼び寄せた。
「へえ、これがレイノルドが御執心の性奴隷?アイツ随分趣味変わったなあ」
「……げ」
男かよ…とあからさまに落胆する様子を見せる龍之介に、現れた長身の男は愉快そうに目を細める。
「中々生意気そうな面だ。躾がいがありそうだぜ」
「えー、お前も男相手に盛れるタイプ?もうどうなってんだよ倫理観…」
この世界の人間は皆バイセクシャルなのだろうか?
人の趣味にとやかく言いたかないが、男に抱かれるなんてレイノルドひとりで充分である。
「奴隷のくせに悲壮感がないな。稀にみる鈍感なタイプか?」
「悪かったな、太々しくて」
「いや、悪くない。気が強い方が屈服させがいがある」
「えー……」
(この人お世話係なんだよね?俺を屈服させるつもり?なぜ?何の為に??)
これは何だか嫌な予感がする。
今からでもミアちゃんにチェンジ出来ないだろうか。そう思ってミアの姿を探すも室内から彼女はとっくのとうに消えていた。仕事が早いね!さすがです!
「さて、まずは触診といこうか」
「……(どうしよう、エロい意味にしか聞こえない…)」
完全に胡散臭いものを見る目で男を睨みつける龍之介に、けれど当然のことながら拒否権などはなく。
その日龍之介は頭のてっぺんから足の先まで、ありとあらゆる部位をこの男によって弄ばれることになるのであった。
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