上 下
18 / 241

イヤよイヤよも

しおりを挟む
「リュウは私の喜ばせ方をよくわかっているな」

耳元で低い声に甘く囁かれる。
興奮した声音。漏れる吐息も息遣いも聞いてるだけで尻がキュンキュンする。ちんこじゃなく尻が、だ。
こんな生活を続けていたら、そのうち妊娠してしまいそうだと本気で心配になる。
異世界マジックで男でも孕めるとか勘弁してくれよ?と思うが怖くて確認出来ず終いだ。
出来ると言われてもショックだし、それいいね!なんて言われても困ってしまう。

「ちくび、やだ、やめ、てぇ」
「感じ過ぎてつらいか?最近は乳首だけでイケそうなくらい敏感だからな」
「ううっ、ちが、むり、そんなの、むりぃ」

焦らすように指の腹で何度もさすられ、時折いたずらに勃起した乳首に爪を立てられる。
その度過剰に反応してしまう。うう、ちくしょう!女の子相手にだって乳首攻められたことなんてなかったのに!

(俺、M気質だったのかな…)

女の子に対してはSだったのに…と龍之介は朦朧とした意識の中で考える。
異世界で自分の知らない性癖に気づいてしまったなんて笑えない。乳首をぐりぐり刺激されて射精しそうになっているなんて歴代の彼女たちが見たらいったい何と言うだろう?

「こんなに可愛い勃起ちくび、見たことないな。今度ピアスでもあけてやろうか?リュウの肌に映える宝石を用意してやる」
「いら、な、いぃ…!」

レイノルドのうっとりとした提案に、龍之介は全力でノーを突きつける。ピアスなんてしたら余計に敏感になってしまうし、ちょっと擦れただけでも強い刺激になってしまいそうだ。想像しただけでも尻の奥が疼く。断固拒否である。

「リュウはやだやだばっかり、だな」

だがそこが可愛い、とレイノルドは耳元で笑う。最初はあんなに怖かったのに、この男はすっかり自分に対してデレデレである。
いったい自分なんかのどこにそんな夢中になる要素があったのか、龍之介にはさっぱりわからない。

相手を見つけるのに苦労しなさそうな外見なのに、何故性奴隷なんて買ったのか。
何か理由を言っていた気もするが、今となってはそんなことはどうでもいいとばかりに自分に執着を見せるレイノルドに、龍之介は首を傾げるばかりである。

龍之介自身も、今のこの状態が最善なのか、よくわかっていない。飽きて捨てられるは勿論困るが、ここまで頻繁に相手をさせられるのもしんどい。そして悪気なく絶倫なのも、かなりつらかったりするわけで…

「あ、うっ、うんっ、は、あ、あ──!」

乳首の刺激と緩い抜き差しだけでイッてしまった。完全にイキ癖がついてしまっている。
こんなに何度もイカされてしまうと、さすがに意識が飛びそうだった。
なんとか堪えようとするが、凄まじい疲労感に襲われ龍之介はかくりと気を失う。




「あれ、失神した?……人間は本当に体力がないな」

まだ自分はイッてないのに、とレイノルドは苦笑いをする。ここでもう一度激しいピストンをはじめればおそらく龍之介は目を覚ますだろうが、それはまあ可哀想な気がするのでやめておこうとレイノルドは思う。
はじめはわからなかったが、やはり人間とはとても繊細で壊れやすい生き物のようだった。
自分のやりたいことをやりたいようにしていては、早々に殺してしまう。レイノルドは最近になってようやくその事実を理解したのであった。


「長生きしてもらわないと……な」

その為には、やはり専属のヒーラーが必要だろう。
早急に手配せねば、とレイノルドは決意する。
それはそれとして、寝バックのまま龍之介を起こさないよう細心の注意を払いながら、しれっと行為を再開させるレイノルドであった。
しおりを挟む
感想 30

あなたにおすすめの小説

異世界のオークションで落札された俺は男娼となる

mamaマリナ
BL
 親の借金により俺は、ヤクザから異世界へ売られた。異世界ブルーム王国のオークションにかけられ、男娼婦館の獣人クレイに買われた。  異世界ブルーム王国では、人間は、人気で貴重らしい。そして、特に日本人は人気があり、俺は、日本円にして500億で買われたみたいだった。  俺の異世界での男娼としてのお話。    ※Rは18です

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

【完結済み】準ヒロインに転生したビッチだけど出番終わったから好きにします。

mamaマリナ
BL
【完結済み、番外編投稿予定】  別れ話の途中で転生したこと思い出した。でも、シナリオの最後のシーンだからこれから好きにしていいよね。ビッチの本領発揮します。

平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです

おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの) BDSM要素はほぼ無し。 甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。 順次スケベパートも追加していきます

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

獣人の子供が現代社会人の俺の部屋に迷い込んできました。

えっしゃー(エミリオ猫)
BL
突然、ひとり暮らしの俺(会社員)の部屋に、獣人の子供が現れた! どっから来た?!異世界転移?!仕方ないので面倒を見る、連休中の俺。 そしたら、なぜか俺の事をママだとっ?! いやいや女じゃないから!え?女って何って、お前、男しか居ない世界の子供なの?! 会社員男性と、異世界獣人のお話。 ※6話で完結します。さくっと読めます。

処理中です...