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信頼と軽蔑は紙一重
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(は、恥ずか死ぬ…)
枕に顔を埋めながら、龍之介は身悶える。
大の大人がガチ泣きしてしまった。それも自分より年下の(たぶん)男に襲われて、恐怖と混乱で取り乱してしまった。
しかもそれを助けに来たらしい変態主人を見て、あろうことかめちゃくちゃ安堵してしまった。なんてことだ!確かに助けてくれと叫んだのは自分だが、それで本当に来るとは正直思っていなかった!
(だって俺は奴隷だし、アイツに助ける義理なんてないだろ)
しかも龍之介は性奴隷だ。セックスが仕事だ。
今はまだ主の相手しかしていないけれど、そのうち気まぐれに別の相手を連れてくるかもしれないし、奴隷を追加されてレズプレイ(?)を強要されたりするかもしれない。
そんなことを、ずっとぼんやりと考えていたわけで。
だからあの金髪くるくる頭が部屋に入ってきた時も、押し倒された時も、もしかしたらこれはあいつの差し金なんじゃないかって頭のどこかで考えていた。
もう自分に飽きたから、下げ渡ししたんじゃないかとか、そんなふうに疑っていたのだ。
本来ならそれはそれで受け入れなければならない話なのだろうが、あの時感じたのは強烈な不快感だった。
どうやら自分は、あいつ以外の男に触られるのはどうにも我慢出来ないらしい。
(レイノルド、って言ったっけ…)
これからは名前で呼べと言われた。そうしてそこで、初めて名前を聞かれた。
龍之介、と答えたが発音し難いと言われて結局はリュウ、と呼ばれることになった。
向こうでもそう呼ばれていたので聞き馴染みはあったし、違和感はない。
けれど、あの男に名前を呼ばれるとなんだか背筋がゾワゾワしたのを覚えている。
(しかも、こんな時ばっかり優しく抱いてきやがる…)
大泣きする龍之介をレイノルドは優しく慰め、それはそれは丁重に、はじめての時よりずっとずっと優しく抱いたのだった。
ちんこを喉奥に突っ込んでえずかせたり、精子を飲み込むまで鼻をつままれたり、メスイキさせるために執拗に前立腺を擦ったり、潮を吹かせようと射精後のちんこを手コキし続けたりもしない。至ってノーマルなセックスだった。
めちゃくちゃ優しく抱かれると、それはそれで我に返った時に気恥ずかしい。ということに龍之介は気付いた。気付いてしまった。
恋人みたいに接してこられても、こちらはどうしていいかわからない。されたことがないから、こんな時どんな顔をしたらいいかわからないの…である。ただただ顔を真っ赤にさせて縮こまるしかない。
(ガチ泣き見られたのも恥ずかしいし、普通に女の子みたいに抱かれたのも恥ずかしい…死にたい…)
こんなことなら普段通り、手酷く抱かれた方がマシだった。
そんなことを思いながら、龍之介は再び枕に顔を埋めたまま「ううう」と唸る。
猫耳メイドのミアが筆頭執事のエルヴィンを引き連れて龍之介の部屋に訪れるまで、その呻き声は室内に響き渡り続けたのだった。
枕に顔を埋めながら、龍之介は身悶える。
大の大人がガチ泣きしてしまった。それも自分より年下の(たぶん)男に襲われて、恐怖と混乱で取り乱してしまった。
しかもそれを助けに来たらしい変態主人を見て、あろうことかめちゃくちゃ安堵してしまった。なんてことだ!確かに助けてくれと叫んだのは自分だが、それで本当に来るとは正直思っていなかった!
(だって俺は奴隷だし、アイツに助ける義理なんてないだろ)
しかも龍之介は性奴隷だ。セックスが仕事だ。
今はまだ主の相手しかしていないけれど、そのうち気まぐれに別の相手を連れてくるかもしれないし、奴隷を追加されてレズプレイ(?)を強要されたりするかもしれない。
そんなことを、ずっとぼんやりと考えていたわけで。
だからあの金髪くるくる頭が部屋に入ってきた時も、押し倒された時も、もしかしたらこれはあいつの差し金なんじゃないかって頭のどこかで考えていた。
もう自分に飽きたから、下げ渡ししたんじゃないかとか、そんなふうに疑っていたのだ。
本来ならそれはそれで受け入れなければならない話なのだろうが、あの時感じたのは強烈な不快感だった。
どうやら自分は、あいつ以外の男に触られるのはどうにも我慢出来ないらしい。
(レイノルド、って言ったっけ…)
これからは名前で呼べと言われた。そうしてそこで、初めて名前を聞かれた。
龍之介、と答えたが発音し難いと言われて結局はリュウ、と呼ばれることになった。
向こうでもそう呼ばれていたので聞き馴染みはあったし、違和感はない。
けれど、あの男に名前を呼ばれるとなんだか背筋がゾワゾワしたのを覚えている。
(しかも、こんな時ばっかり優しく抱いてきやがる…)
大泣きする龍之介をレイノルドは優しく慰め、それはそれは丁重に、はじめての時よりずっとずっと優しく抱いたのだった。
ちんこを喉奥に突っ込んでえずかせたり、精子を飲み込むまで鼻をつままれたり、メスイキさせるために執拗に前立腺を擦ったり、潮を吹かせようと射精後のちんこを手コキし続けたりもしない。至ってノーマルなセックスだった。
めちゃくちゃ優しく抱かれると、それはそれで我に返った時に気恥ずかしい。ということに龍之介は気付いた。気付いてしまった。
恋人みたいに接してこられても、こちらはどうしていいかわからない。されたことがないから、こんな時どんな顔をしたらいいかわからないの…である。ただただ顔を真っ赤にさせて縮こまるしかない。
(ガチ泣き見られたのも恥ずかしいし、普通に女の子みたいに抱かれたのも恥ずかしい…死にたい…)
こんなことなら普段通り、手酷く抱かれた方がマシだった。
そんなことを思いながら、龍之介は再び枕に顔を埋めたまま「ううう」と唸る。
猫耳メイドのミアが筆頭執事のエルヴィンを引き連れて龍之介の部屋に訪れるまで、その呻き声は室内に響き渡り続けたのだった。
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