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後悔(ダリウス)
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何度目かの絶頂を迎え、充希の意識はふっと闇に飲み込まれる。
体力が底をついたのだろう。
貼り付く前髪をかきあげながら、ダリウスはゆっくりと充希の中に収まっているものを引き抜く。途端にぬぷっと中に出した精液が逆流してきた。
「…………意識を失くしても、こうも締めつけてくるか」
心地の良い締めつけに、ついもう一度彼女の中に挿入する。そのまま軽く突き上げればすぐに硬さを取り戻す自分自身にダリウスは苦笑する。いったい何時からこんなにも性欲が強くなってしまったのだろうか。
(…………以前は、淡白なくらいだったのに)
皇帝の相手をしたがる女は山ほどいる。だが同じ相手を何度も呼ぶと諍いが起きやすい。その為ダリウスは都度サイラスが連れてきた後腐れのない女と週に何度か体を重ね性欲の処理を行っていたが、その時も自ら積極的に動くことは殆どなかった。
無駄な体力を使うのを嫌った為でもあるし、女を悦ばせることに意味を感じなかったせいもある。
だがそれも、昨今は魔障のせいで風向きが変わってきていた。
醜い穢れに侵された皇帝を女たちは遠巻きにし、傍に寄ることさえ忌避するようになった為である。
(だがそれも特に不便は感じなかった。俺はどうやら性欲が薄いらしい)
そう、思っていた。思っていたのだけれど──
「………ッ、………は、ぁ、」
ぱちゅぱちゅと愛液と精液の混じり合った水音が腰を打ちつける度に室内にこだまする。
意識のない女を相手に腰を振り続けるこの姿を、数ヶ月前の自分が見たらいったい何と言うだろうか?
(頭がおかしくなったと、そう思うだろうな…)
しかし、彼女を前にすると尽きることのない昂りを感じるのだ。これが聖女のなせるわざ、という奴だろうか?それとも彼女自身の魅力によるものなのかは、判別がつかない。ただ彼女を抱くと魔障に侵された部分の熱が引き、確実に症状が快方へと向かっているのが実感出来た。その点に於いて、充希が聖女であることに間違いはないのだろうと、そう思う。
(しかし、ここ最近の俺はどう考えても個人的な理由から彼女を抱いている)
そうとしか思えない。何故なら聖女とセックスするだけなら何もこんなに時間を割く必要などないからである。舐めて、挿入して、出せば終いだ。一時間も必要ない。
それなのに自分は、こうして彼女に会う為の時間を捻出している。なるべく起きている時間に合わせて部屋を訪れ、会話を交わし、交流を図ろうとしている。明らかにセックス以外の部分でも彼女に惹かれはじめている証拠であった。
(こんな、はずでは、なかった)
充希は聖女だ。彼女の力は魔障に侵された者の命を救う。けれどそれには性行為が必須だ。馬鹿げた話だが、聖女の癒しは肉体の快楽に起因している。彼女が感じれば感じるほど、魔障患者に与える影響は強くなるのだ。
今の敏感な充希のこの体を、他の男共が触るかと思うと臓腑が煮え返る思いがした。この感情は間違いなく独占欲だ。まさか自分がこのような幼稚な感情を抱くことになるとは思いもしなかった。
「抱かせる約束など、するのではなかったな…」
魔障に侵された部下を慮ってのことだった。まさかその発言自体を後悔する日がくるなんて、想像すらしていなかった。
「貴女は魔性だ、ミツキ」
俺をこんなにも、虜にしてしまったのだから。
体力が底をついたのだろう。
貼り付く前髪をかきあげながら、ダリウスはゆっくりと充希の中に収まっているものを引き抜く。途端にぬぷっと中に出した精液が逆流してきた。
「…………意識を失くしても、こうも締めつけてくるか」
心地の良い締めつけに、ついもう一度彼女の中に挿入する。そのまま軽く突き上げればすぐに硬さを取り戻す自分自身にダリウスは苦笑する。いったい何時からこんなにも性欲が強くなってしまったのだろうか。
(…………以前は、淡白なくらいだったのに)
皇帝の相手をしたがる女は山ほどいる。だが同じ相手を何度も呼ぶと諍いが起きやすい。その為ダリウスは都度サイラスが連れてきた後腐れのない女と週に何度か体を重ね性欲の処理を行っていたが、その時も自ら積極的に動くことは殆どなかった。
無駄な体力を使うのを嫌った為でもあるし、女を悦ばせることに意味を感じなかったせいもある。
だがそれも、昨今は魔障のせいで風向きが変わってきていた。
醜い穢れに侵された皇帝を女たちは遠巻きにし、傍に寄ることさえ忌避するようになった為である。
(だがそれも特に不便は感じなかった。俺はどうやら性欲が薄いらしい)
そう、思っていた。思っていたのだけれど──
「………ッ、………は、ぁ、」
ぱちゅぱちゅと愛液と精液の混じり合った水音が腰を打ちつける度に室内にこだまする。
意識のない女を相手に腰を振り続けるこの姿を、数ヶ月前の自分が見たらいったい何と言うだろうか?
(頭がおかしくなったと、そう思うだろうな…)
しかし、彼女を前にすると尽きることのない昂りを感じるのだ。これが聖女のなせるわざ、という奴だろうか?それとも彼女自身の魅力によるものなのかは、判別がつかない。ただ彼女を抱くと魔障に侵された部分の熱が引き、確実に症状が快方へと向かっているのが実感出来た。その点に於いて、充希が聖女であることに間違いはないのだろうと、そう思う。
(しかし、ここ最近の俺はどう考えても個人的な理由から彼女を抱いている)
そうとしか思えない。何故なら聖女とセックスするだけなら何もこんなに時間を割く必要などないからである。舐めて、挿入して、出せば終いだ。一時間も必要ない。
それなのに自分は、こうして彼女に会う為の時間を捻出している。なるべく起きている時間に合わせて部屋を訪れ、会話を交わし、交流を図ろうとしている。明らかにセックス以外の部分でも彼女に惹かれはじめている証拠であった。
(こんな、はずでは、なかった)
充希は聖女だ。彼女の力は魔障に侵された者の命を救う。けれどそれには性行為が必須だ。馬鹿げた話だが、聖女の癒しは肉体の快楽に起因している。彼女が感じれば感じるほど、魔障患者に与える影響は強くなるのだ。
今の敏感な充希のこの体を、他の男共が触るかと思うと臓腑が煮え返る思いがした。この感情は間違いなく独占欲だ。まさか自分がこのような幼稚な感情を抱くことになるとは思いもしなかった。
「抱かせる約束など、するのではなかったな…」
魔障に侵された部下を慮ってのことだった。まさかその発言自体を後悔する日がくるなんて、想像すらしていなかった。
「貴女は魔性だ、ミツキ」
俺をこんなにも、虜にしてしまったのだから。
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