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覚醒
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(とんでもない夢を見てしまった…)
充希は朝の日差しの中、シーツを頭からかぶってベッドの中で身悶える。
めちゃくちゃにえっちな夢を見てしまった。それも2本立てで。
金髪碧眼の超弩級イケメンに全身舐められる夢と、寝バックで中イキさせられる夢…
(私、知らない間に相当溜まってたのかな…)
確かに暫く彼氏はいなかった。単純に多忙でそんな暇がなかったというのもある。
そもそも前彼と別れたきっかけも、仕事が忙し過ぎて会う時間を捻出できなかったのが原因だった。別れ話になるその随分前から体の関係はなかったし、ひとりで慰めたりする機会もこれまでなかった。
(やっぱり、適度に発散しないといけないのかもしれない。性欲は人間の三大欲求のひとつって言うくらいだし)
今まで疎かにし過ぎた結果がこれである。あまりにリアルな夢すぎて、今も若干体に熱が残っているくらいだ。
(やだ…もう、早くシャワー浴びなくちゃ…)
そして今日も仕事に行かなくてはいけない。観念してシーツを剥がし、ベッドから降りようとしたところで──ようやく充希は気が付いた。
「ここ、何処…?」
知らない部屋だ。
知らないどころか、見たこともないような豪奢な調度品で部屋中が埋め尽くされている。
「お目覚めになりましたか?」
聞き覚えのある艶っぽい声が背後からかけられた。
反射的に振り向くと、そこにはサラサラの長い金髪に碧い瞳のイケメンが立っていた。
「えっ…」
「あぁ、少し声が掠れていますね」
アーリーモーニングティーは如何ですか?と尋ねられ、そんな習慣のない充希は即答出来ずに困惑した表情を浮かべてしまう。
「昨夜の余韻を残しつつ、すっきり目覚めたいのならミルクティーがおすすめですよ」
「あっ、じゃあそれを…」
って、そうじゃない!!と充希はガバッと飛び起きる。
「あの!ここは何処ですか!?私、いつの間に家から出たのか、さっぱり記憶が……!!」
ないんです、と続けようとしたところで充希は気付いた。自分が全裸であることに。
「!!!?」
そしてついでに、目の前の金髪のイケメンが、最初の夢のお相手であることに。
(あっ、駄目だこれ、)
その瞬間、現実が充希のキャパシティを凌駕した。
再びベッドに倒れ込んだ充希は、遠のく意識の端で金髪イケメンの焦った顔を見つめながらぼんやりと思う。
(イケメンは焦っていても、イケメンなんだなぁ…)
でもどうか、次目覚め時は今度こそ、今度こそ自宅のベッドの上でありますように。
そう強く願いながら、充希は意識を手離す。
まあでも当然のことながら、そんな都合の良い話にはならないのだけれど。
充希は朝の日差しの中、シーツを頭からかぶってベッドの中で身悶える。
めちゃくちゃにえっちな夢を見てしまった。それも2本立てで。
金髪碧眼の超弩級イケメンに全身舐められる夢と、寝バックで中イキさせられる夢…
(私、知らない間に相当溜まってたのかな…)
確かに暫く彼氏はいなかった。単純に多忙でそんな暇がなかったというのもある。
そもそも前彼と別れたきっかけも、仕事が忙し過ぎて会う時間を捻出できなかったのが原因だった。別れ話になるその随分前から体の関係はなかったし、ひとりで慰めたりする機会もこれまでなかった。
(やっぱり、適度に発散しないといけないのかもしれない。性欲は人間の三大欲求のひとつって言うくらいだし)
今まで疎かにし過ぎた結果がこれである。あまりにリアルな夢すぎて、今も若干体に熱が残っているくらいだ。
(やだ…もう、早くシャワー浴びなくちゃ…)
そして今日も仕事に行かなくてはいけない。観念してシーツを剥がし、ベッドから降りようとしたところで──ようやく充希は気が付いた。
「ここ、何処…?」
知らない部屋だ。
知らないどころか、見たこともないような豪奢な調度品で部屋中が埋め尽くされている。
「お目覚めになりましたか?」
聞き覚えのある艶っぽい声が背後からかけられた。
反射的に振り向くと、そこにはサラサラの長い金髪に碧い瞳のイケメンが立っていた。
「えっ…」
「あぁ、少し声が掠れていますね」
アーリーモーニングティーは如何ですか?と尋ねられ、そんな習慣のない充希は即答出来ずに困惑した表情を浮かべてしまう。
「昨夜の余韻を残しつつ、すっきり目覚めたいのならミルクティーがおすすめですよ」
「あっ、じゃあそれを…」
って、そうじゃない!!と充希はガバッと飛び起きる。
「あの!ここは何処ですか!?私、いつの間に家から出たのか、さっぱり記憶が……!!」
ないんです、と続けようとしたところで充希は気付いた。自分が全裸であることに。
「!!!?」
そしてついでに、目の前の金髪のイケメンが、最初の夢のお相手であることに。
(あっ、駄目だこれ、)
その瞬間、現実が充希のキャパシティを凌駕した。
再びベッドに倒れ込んだ充希は、遠のく意識の端で金髪イケメンの焦った顔を見つめながらぼんやりと思う。
(イケメンは焦っていても、イケメンなんだなぁ…)
でもどうか、次目覚め時は今度こそ、今度こそ自宅のベッドの上でありますように。
そう強く願いながら、充希は意識を手離す。
まあでも当然のことながら、そんな都合の良い話にはならないのだけれど。
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