ダーとわたしのありそうな話

ChimTam

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case,01【ふうの場合】

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たったひとつの【愛】


たったひとつの最後の【恋】




だったはずなのに?!



「もうダメだ!もうダメ…別れる!!」

「えっ?!なに?急にどうしたの?」

「急じゃない!ずっと考えてた…」

「どうして話してくれないの?」



話してくれない??



「少しは私に関心を持ってよ!」

「どうしたの?ちゃんと話そう?」



目の前のこの子は本当に何も気づいてない



「今のダーは誰をみてるの?」

「えっ?誰って…ふうだけど?」

「そうじゃなくて!!」

「おちついて話して?」



筋肉質な腕に包まれると結局許してしまうのをコイツはわかってる


この男は本当にずるい…



「ねぇ…本当に別れる?俺は、ふうと離れるのいやだけど…」



本当に別れる?ってなに??



「俺はふうと一緒にいたいし、ちゃんと仕事続けられたら結婚してほしいと思ってるよ…」




えっ??



「来年あたりお給料上がるから、一緒に住みたいと思ってお金貯めてるし…」



はぃ???



「最近バイトもしてるから、あんまり逢えないけど…」

「えっ??まって??なんでバイト??」

「一緒に住み始めたら、仕事辞めてほしいから」

「どうして?なんで??相談してよ!?」

「サプライズしようとおもって」

「サプライズなんていらないの!ダーがいればいい…」

「だって前にサーヤとサプライズ男子ステキ!って目ハートにしてたじゃん…」



ダーの目はくりくりになってるよ…



「それは夢見がちなお年頃だったからで、ダーに無理してもらいたいわけじゃないよ…」

「…俺のこと…すき?」

「すきだよ…好きだから悩むし、苦しくて耐えられなくて…」

「ふふ…俺もふうのことだいすきだし、まもりたい」



別れるなんて…

くちにするのもイヤなのに
最近のダーはいつもより冷たくて…



「ぁの…さ、もしかしてわざと??」

「なにが??」

「私に別れるって言わせた?」

「そんなの言わせてどうするの?」

「……たとえば、バイトしてないとか?」

「してる。駅のむこう側で仕事帰りに」

「……じゃぁ…お金貯めたくない何かが」

「ないよ…ちゃんと貯まってる」



ほかに何かある???



「もうそろそろ…わかってよ…」

「…わかんない…」



ダーは私にふれるかふれないかの距離で



「俺のことだけで、ふうの頭のなかいっぱいにしたかったからだよ」



いたずらっぽく笑って私の鼻先にちゅうをした




やっぱりひとつの【恋】


やっぱりたったひとつの最後の【愛】



ほんと??


まさか…ね…



「…いつ連休とる?」

「連休??」

「ふうのご両親に逢いにいきたい…」

「どうして??」

「一緒に暮らしたら、いつ赤ちゃんできるかわからないでしょ?」

「…避妊してよ…ばかだな」

「知らなかった??俺、早くに結婚して子供ほしいし…なによりふうを抱くのが趣味だから」

「趣味って……そんなにえっちしないじゃん」

「ふうの仕事に穴開けたいわけじゃないよ…あはは」



…どこまで本気なの?



「…全部本気だよ…ふうを愛してるから、俺のなかに閉じ込めたい」

「……ねぇ…いままで隠してた??」

「隠してたわけじゃないよ…ふうが俺に本気になるまで待ってた」

「いつも本気だったよ?」

「……ふうだって、俺を束縛したくてしかたないくせに平気なフリして…かわいい…」

「…バレてた?」

「めちゃくちゃわかりやすいからね!」

「いつから…そんなこと思ってたの?」

「出逢ったころから…」

「えっ??」

「驚くとこあった??」

「えっ?だって…高校生だったじゃん!」

「ふうにはそれなりに色々遊んでもらって、俺で落ちついてもらいたかったし…なによりふうを大事にするために色々したし」

「……色々?」

「しりたい??」

「いや!しりたくない!!しらないほうが私のため!!」

「ふふっ……そういうところだいすきだよ…ちゅっ」



本当にしってはいけない気がするんだよ…



「でも、俺のことすきだし?」

「愛してるし?」

「明日は休みだから…本気でふうを抱いてもいい?」

「………痛いのは」

「ふうのことはなんでもわかるから、まかせて!」

「あ!!避妊はお願いします!」

「ふふ…挨拶してないし、こまらせたいわけじゃないからね」



目尻を思い切りさげて笑うダーは、とても穏やかでかっこいい



「いま、かっこいいっておもってるでしょ?」

「えっ??」

「あはははは!だからわかるんだって!」



エスパー ダーかな?



「それだけ俺はふうをみてるってこと!」



ストーカー気質??



「別れたらストーカーになるかも?ふふ」

「怖っ……」

「大丈夫だよ…別れないから…ね!」



笑顔を怖く感じたのは産まれて初めてです…



「ある意味頼もしい!」

「ある意味??」

「そそ…ある意味…ね」



ダーに引き寄せられたままの私の身体は、もうダーに支配されていた



「本当にふうは可愛い…飼い殺したいくらい♡」

「……重い…てか怖いから…」

「永遠に変わらない愛なんて、ない」

「えっ?」

「ふふっ…そう思って毎日を生きてきたけど、相手がふうだとコレは間違ってるんだなって気づいたよ」

「……キザだなぁ…ふふ…大好き」

「知ってる♡」




~~~END♡
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