悪役令嬢はヒロインと関わりたくない【完結】

あくの

文字の大きさ
63 / 65

大団円、でいいよね?

しおりを挟む
 「じゃ、釣り餌は俺だな」

きな臭い話を子供用の応接室で詰めている。婚約発表も兼ねてのお茶会だ。

「そこに集まった子女を見て要注意人物を炙りだす、のです」

ディオン様が説明してくれる。妾妃様やサマン家の洗脳やなんやの痕跡がある人のオーラの色がディオン様と魔法騎士団の数人が見分けられるというか見つけられるようになったのでチェックする、ということらしいです。昼の方がわかりやすいらしいので、

「捕縛はしないのですか?」

兄様に尋ねる。

「いまはね。彼らが目覚めるか、否かをチェックする。今、これ以上貴族を減らすのは得策ではないし。侯爵家が3つ伯爵家が7つ潰れてるからね」

「子爵家からの繰り上がりは?」

「上げるなら一発でアフレ子爵家が指名される。子爵は『これ以上爵位いらねー』って叫んでたからなぁ……」

お父様のお友達には珍しいタイプの方でざっくばらんというか大雑把というか……。兄曰く、『あそこは奥方もすごいからな』と。正直、そうなの?と思ってしまうくらいおとなしやかで淑やかな人だと思ってましたが、正妃様と母様が街にでると合流していると聞いてかなり本質はお転婆な方なのだなと認知を改めました。




 お茶会では……覚悟してたけど女性の視線が痛い。アルフォンス様、人気あったものな。そう、兄様は高位貴族だし、嫁ぎ先として見ると、よほどの野心のある下位貴族の令嬢か公爵、侯爵家の令嬢になるのですが……これが今回の事で家が潰れたりで適齢期の令嬢がぐっと減ったのです。で、子爵三男のアルフォンス様はアフレ商会が背後にあるので婿としても嫁ぎ先としても望まれる条件を備えています。現実的な嫁ぎ先、もしくは婿ですね。
 私のいた派閥は妾妃様に目の敵にされている家が多かったせいか人員も減ってないのですが、ほかの派閥が瓦解していて。

「俺の結婚は国の立て直しにつかうさ。ベルトランの結婚もそうだよ」

兄様が教えてくれる。

「陛下が焦ってフランソワに侯爵令嬢をあてがったのはそう言うことに自分の息子は使いたくなかったからさ。俺とベルトラン、ディオン団長はそういう駒なんだ」

淡々と私に告げる。

「だからこそ、ブランシュには恋愛してほしかったんだけど」

この性格ですからねぇ……。

「私、アルフォンス様の事は結構好きですよ?穏やかで常識もあって」

「なーんか、アルフォンスもブランシュと同じ傾向な気がする」

私は笑ってしまった。当たっているからだ。アルフォンス様も恋愛ってわからない、といいます。二人の間だけの話ですがもし、万が一『真に愛する人』が出来たらこの結婚を平和的に解消しましょう、と。

『恋愛って馬鹿になる、って言われました』

『どなたに?』

『……サラ姉様』

アルフォンス様はにっこり笑う。

『経験者が言う重み、ですね。シリルを見てると恋愛ってもっと軽いものに見えますけどシリル自身は恋でも愛でもない、みたいですからね』



 お茶会の時、一人の侯爵令嬢が私にお茶をぶちまけようとしたのをアルフォンス様がかばってくれた。その令嬢は婚約者と一緒だったのだが……、後に婚約解消となったらしい。『娘時代の憧れとはいえ他の男性に懸想してる女性を娶る趣味はない』と言われたとその令嬢から手紙が来た。要はフリーになったのでアルフォンス様を狙います、宣言だった。
 この令嬢にアルフォンス様が絆されるならそれは仕方がないと思っている。そうやって奪い取るような情熱は私にはない。アルフォンス様も私を他人から奪ってまで、というような情熱はないだろう。
 それでも、我々の間に紡がれたものは仲間意識であり、共同体意識であり。……婚約時代ですが二人でいるとまったりと縁側でお茶を飲んでいるような関係を構築しています。

 これ、大団円でいいよね?ね?


== 本編 完結 ==

======
来週、番外編を2~3投稿して簡潔となります。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

【完結】転生白豚令嬢☆前世を思い出したので、ブラコンではいられません!

白雨 音
恋愛
エリザ=デュランド伯爵令嬢は、学院入学時に転倒し、頭を打った事で前世を思い出し、 《ここ》が嘗て好きだった小説の世界と似ている事に気付いた。 しかも自分は、義兄への恋を拗らせ、ヒロインを貶める為に悪役令嬢に加担した挙句、 義兄と無理心中バッドエンドを迎えるモブ令嬢だった! バッドエンドを回避する為、義兄への恋心は捨て去る事にし、 前世の推しである悪役令嬢の弟エミリアンに狙いを定めるも、義兄は気に入らない様で…??  異世界転生:恋愛 ※魔法無し  《完結しました》 お読み下さり、お気に入り、エール、ありがとうございます☆

【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました

佐倉穂波
恋愛
 転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。  確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。 (そんな……死にたくないっ!)  乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。 2023.9.3 投稿分の改稿終了。 2023.9.4 表紙を作ってみました。 2023.9.15 完結。 2023.9.23 後日談を投稿しました。

まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?

せいめ
恋愛
 政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。  喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。  そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。  その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。  閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。  でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。  家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。  その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。    まずは亡くなったはずの旦那様との話から。      ご都合主義です。  設定は緩いです。  誤字脱字申し訳ありません。  主人公の名前を途中から間違えていました。  アメリアです。すみません。    

悪役令嬢に転生したので地味令嬢に変装したら、婚約者が離れてくれないのですが。

槙村まき
恋愛
 スマホ向け乙女ゲーム『時戻りの少女~ささやかな日々をあなたと共に~』の悪役令嬢、リシェリア・オゼリエに転生した主人公は、処刑される未来を変えるために地味に地味で地味な令嬢に変装して生きていくことを決意した。  それなのに学園に入学しても婚約者である王太子ルーカスは付きまとってくるし、ゲームのヒロインからはなぜか「私の代わりにヒロインになって!」とお願いされるし……。  挙句の果てには、ある日隠れていた図書室で、ルーカスに唇を奪われてしまう。  そんな感じで悪役令嬢がヤンデレ気味な王子から逃げようとしながらも、ヒロインと共に攻略対象者たちを助ける? 話になるはず……! 第二章以降は、11時と23時に更新予定です。 他サイトにも掲載しています。 よろしくお願いします。 25.4.25 HOTランキング(女性向け)四位、ありがとうございます!

【完結】政略結婚のはずでしたが、冷酷公爵の溺愛が止まりません!

22時完結
恋愛
辺境の小国の侯爵令嬢・セレナは、王命による政略結婚で、隣国の冷酷無慈悲な公爵――レオナルド・ヴァルフェルドの元へ嫁ぐことに。 「心を許してはならない。彼は血も涙もない男だ」 そう忠告されていたのに、初対面のその人は、なぜか私にだけ甘くて優しい。 「……君には、笑っていてほしい。それだけでいい」 冷たく感情を見せないはずの公爵様が、ふいに見せる独占欲と不器用な優しさ。 距離を取るつもりだったのに、気づけばその腕の中で心をほどかれていく―― これは、政略結婚から始まったはずの関係が、気づけば甘くて優しい愛に変わっていく物語。 「私はただの道具じゃなかったの……?」 冷酷公爵の独占溺愛が止まらない、新婚ラブストーリー、開幕!

ストーカー婚約者でしたが、転生者だったので経歴を身綺麗にしておく

犬野きらり
恋愛
リディア・ガルドニ(14)、本日誕生日で転生者として気付きました。私がつい先程までやっていた行動…それは、自分の婚約者に対して重い愛ではなく、ストーカー行為。 「絶対駄目ーー」 と前世の私が気づかせてくれ、そもそも何故こんな男にこだわっていたのかと目が覚めました。 何の物語かも乙女ゲームの中の人になったのかもわかりませんが、私の黒歴史は証拠隠滅、慰謝料ガッポリ、新たな出会い新たな人生に進みます。 募集 婿入り希望者 対象外は、嫡男、後継者、王族 目指せハッピーエンド(?)!! 全23話で完結です。 この作品を気に留めて下さりありがとうございます。感謝を込めて、その後(直後)2話追加しました。25話になりました。

目覚めたら魔法の国で、令嬢の中の人でした

エス
恋愛
転生JK×イケメン公爵様の異世界スローラブ 女子高生・高野みつきは、ある日突然、異世界のお嬢様シャルロットになっていた。 過保護すぎる伯爵パパに泣かれ、無愛想なイケメン公爵レオンといきなりお見合いさせられ……あれよあれよとレオンの婚約者に。 公爵家のクセ強ファミリーに囲まれて、能天気王太子リオに振り回されながらも、みつきは少しずつ異世界での居場所を見つけていく。 けれど心の奥では、「本当にシャルロットとして生きていいのか」と悩む日々。そんな彼女の夢に現れた“本物のシャルロット”が、みつきに大切なメッセージを託す──。 これは、異世界でシャルロットとして生きることを託された1人の少女の、葛藤と成長の物語。 イケメン公爵様とのラブも……気づけばちゃんと育ってます(たぶん) ※他サイトに投稿していたものを、改稿しています。 ※他サイトにも投稿しています。

男装の騎士に心を奪われる予定の婚約者がいる私の憂鬱

恋愛
私は10歳の時にファンタジー小説のライバル令嬢だと気付いた。 婚約者の王太子殿下は男装の騎士に心を奪われ私との婚約を解消する予定だ。 前世も辛い失恋経験のある私は自信が無いから王太子から逃げたい。 だって、二人のラブラブなんて想像するのも辛いもの。 私は今世も勉強を頑張ります。だって知識は裏切らないから。 傷付くのが怖くて臆病なヒロインが、傷付く前にヒーローを避けようと頑張る物語です。 王道ありがちストーリー。ご都合主義満載。 ハッピーエンドは確実です。 ※ヒーローはヒロインを振り向かせようと一生懸命なのですが、悲しいことに避けられてしまいます。

処理中です...