悪役令嬢はヒロインと関わりたくない【完結】

あくの

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ばれた

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 「ねぇ、君は『何』なの?」

私は今ピンチです。こっそり部屋に忍んできたシリル様にのしかかられています。……色気的な身の危険は感じません。薄い、そう、肌が透けそうな薄い布地の寝間着でベッドの上で手首を押さえつけられ体の上に男にのしかかられているというのに、なにこの色気皆無の空気。このシリル様女の敵に抑え込まれているのに性的なプレッシャーが皆無です。

「シリル様、おいたが過ぎますよ?」

「ここで君に大声をあげられたらたら俺だって一貫の終わりだけど?子爵の子息が公爵令嬢をベッドで抑え込んでるんだから」

「そういうお話書いたらどうですか?」

「そのうちには書く。今は君に種をもらった絵物語シリーズが好調でね。来月は花を咲かせる老爺と白い犬の話が出るし、巨人ガリバーの冒険は再来月の予定。どっちも画家の都合次第だけどね」

「画家の方の調子はどうなんでしょう?」

このままごまかせるか?

「さぁ?あとはフェルナン達の交渉次第。……で、君は『何』?予想は着くけどさ」

「どう予想しておられますの?」

シリル様は……じっと私を見る。華奢に見えるけど女の私よりはしっかりした体格だ。私より体つきも堅そう。そして細い骨にみっしり筋肉が着いているようで見た目の印象より重い……。ってか本当に重い。

「……逃げないので上からどいていただけません?」

「あ、ごめん。思いっきり乗ってたね。下級生を抑え込む時みたいな事になってたか」

「色気の無い」

私の顔を見てシリル様が笑う。

「君に色気出しても意味がない。……俺は俺に惚れてる子じゃないと反応しない。俺に抱かれたいのか、ってならないとね。君は誰にも抱かれたいと思ってないし思ったことはなさそうだ」

作家の観察眼って嫌だなぁ。

「で、君は……転生者かな?君の知識は前世の記憶?」

「何故そう思います?」

まだ肯定も否定もできない。

「この絵物語には反響がすごくてね。ある一定層からのファンレターに『貴方は転生者ですか?自分の前世にうんぬんかんぬん』って手紙が普段より多いんだ。その手紙の中にもちょくちょく気になる感じのものがあってさ」

「あれが夢でないなら前世、なのでしょうね」

と肯定せずに口にした。

「わかった。この話はフェルナンにも内緒、だな?」

私が頷くとシリル様も頷いて部屋に入って来た時よりも静かに出て行った。ほんと、無駄に能力の高い男だこと。女性の敵だという評価は変わりませんが。シリル様なら王宮の暗部も勤まりそうですわね。




 翌日から七並べには父様が加わる。一気に難易度が上がる。父様はさすがに一回でルールを覚え二回目からはちゃんと戦術を考えてゲームをするようになった。午後からはジャック殿下とシリル様が交互にメンバーに加わった。

「フェルナンもさ、カードが強いんだけど……このゲームはしらないでしょ?この騒動終わったらこれやってフェルナンに勝つんだ」

シリル様とジャック殿下がニヤリと笑ってる。取らぬ狸のなんとやら……、じゃないかな?

 シリル様と殿下が交互に加わるようになってから母様が抜ける。理由もあって王妃様のお呼びで王宮に行くことになったからだ。お迎えも兄様だったので安心して馬車に乗った、と私は思っていた。


 馬車は囮だったが、一番安全と思われていた我が家、公爵邸が最初の襲撃で最後の襲撃となった。
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