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お昼ご飯

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 あれから学内でキャロライン様と一緒にお昼を食べたりしているとクラスの女子も話しかけてくるようになりました。兄様?兄様はサラ姉様が週に一回、姉様手ずからパイを焼いてくれるということで週のうち2回、女子だけのテーブルに着くことと週に一回放課後に女子だけでお茶に行くこと、正確に言うとアルフォンス様とシリル様が護衛で近くのテーブルに着いてるんっですが、を許してくれるようになった。

 許されなくても強硬に突破すればいいんだけど……なんか無茶すると兄様がしゅんとなるのがかわいそうで無茶をしないように私はしてた。サラ姉様が一緒だと何しても文句言わない事に気が付いたのは私が12、姉様は14、兄様は13の頃でした。ベルトラン兄様が通ってこなくなった頃、ですね。王家から公爵家、姉様のおうちに書簡が飛んだそうです。ようは王子の嫁にするんだから手を出すなよって。
 私がベルトラン兄様にそんなになついてないのでベルトラン兄様も引いてくれたようです。諦めたかどうかは私にはとんと……。これ以降、静かに図書館と家の往復で暮らしてたのです。
 で、2年前、私が14になった頃に学園を卒業したサラ姉様が半軟禁状態に置かれてしまった、と。

 お母様と伯父上の話し合いはかなり難航しているようだった。ただ、お母様はサラ姉様に

「いつまでもいていいからね。なんだったらあなたの嫁入りまでいてもいいのよ。あ、嫁入りしてもうちにいるのね、そういえば」

と兄様とサラ姉様の婚約にとても喜んでいるようだった。ベルトラン兄様はものすごく反対してるらしいけど。その上でお母様は

『ベルトランが家督を早く継げるように働きかけるから、ブランシュの事はあきらめてほしい。フェルナンとサラも好きあってるのだし』

とベルトラン兄様を説得中。そしてそんな中大公が来てエリーゼといちゃついてるところにお母様は乗り込んだ模様……。

『あんまり人に言えないような事していたから大公に『さっさとその娘を引き取ってくださいな。そちらに行儀見習いとしていくにも学園に行く前がよろしいかと思います』って言ってきた』

お母様は現場みちゃったのか……。

『昼も夜もわきまえずつながるからです。私は『大公様が少女をいじめてるのかと思って』というふりで部屋を開けましたから』

笑ってたけど目は笑ってなかった。これは……大公様痛い目みるかも。お母様にとってはエリーゼもかわいい姪なんだもの。お父様となにやら画策してるみたい。


 今日もキャロライン様達とお昼ご飯の日なんですが、兄様が『今日はみんなでピクニックにしないか?四阿の予約もいれたしお弁当も俺が手配するから』ということでキャロライン様、キトリー様、ルイーズ様と私と兄様、アルベルト様、フランソワ・フーシェ様、その弟様の騎士学校のジャック・フーシェ様、エリク様、シリル様、アルフォンス様という大所帯です。が、ルイーズ様がかなりわくわくしておられます。

「アルフォンス様もいらっしゃるなんて!」

「兄のお友達ですの。父親の商売のパートナーがアルフォンス様のお父様なので子供の頃から兄と仲が良いようです」

キャロライン様は鼻に皺を寄せる。

「シリル様もいらっしゃるのよね。……あの人、苦手」

女性の敵ですからねぇ、そう思う人がいても不思議じゃないです。

「私は結構好きですわ、シリル様」

キトリー様がにっこりする。

「でもフランソワ様も好きです。あの方の本の読み方ったら」

とキトリー様が笑い私も納得する。

「乱読しておられますものね」

「まったく系統だってないですし。でも司書の先生よりも本にお詳しいのです」

キトリー様が調べ物をしている時に『こちらの方が詳しいですよ』と一見その分野と関係なさそうな本をお勧めしてこられて『違ったとしても気分転換になるか』と思って読み始めたらまさにキトリー様が知りたかった事が載っていたそうです。また、彼はローワンの熱狂的なファンらしく最新刊を最速、それも発売少し前に入手してるそうで。……って兄様とつながりました、フーシェ家の二人と。何らかの線で兄様の会社の事をフーシェのご兄弟は知ってますね、それは。
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