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ここはきっと side.アニエス
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私はアニエス・エマーヌ、男爵令嬢。14歳の誕生日に自分が誰かわかっちゃった。
前世があるのよ。前世がある貴族令嬢なんてそれはもう「ヒロイン」だわ!乙女ゲーではそういうものよね?
前世では私は乙女ゲーに全てをかけて、フリーターだった。ゲームの時間を中心にスケジュールを立てて、ガチャの資金を稼ぐためのバイトをしていた。
もちろん好きなゲームの為に、グッズも買ったし設定資料集も買った。そんな生活で削れるのは睡眠時間と食費だった。
ご飯を奢ってもらうためにちょくちょくアプリで知り合った人と会ってた。そんな中で
『こんな生活してちゃいけない。うちの会社でバイトしないか?』
って、冴えないおじさんに言われて、室内での仕事だし事務系だというし、お給料も良かったので勤めることにした。事務作業で1時間に1600円、未経験でもいいよとおじさんに言われたからだ。
その人は週に一回、食事するだけでいいと。今までと違って相手を探す時間を割かなくて良いし、このおじさん、その後の相手を求めてこなかったのだ。
性的なサービスは別料金でやってたけど、時間をとられるのがめんどくさかった。三次元のおっさんと過ごすよりも二次元の美青年や美少年、美中年や美老人と過ごす時間を取りたかったのでこのおじさんの提案は魅力的だった。家賃の心配もしなくていいし、社食があるから昼確保できるからご飯の事も考えなくていい、夢の生活だった。
週一のおじさんとの夕飯も面倒だったけど、約束は約束。いいもの食べれたしね。まわってないおすしとか高級な焼肉とか。
そんな日々で仕事場で気に食わない女が居た。その部署の課長とか言う女だ。完璧なスタイルにすっぴんなのに美肌で眉も描かずに過ごせる女。こっちは盛って可愛いね、って『おっさん』に言われるのがせいぜいなのに。私より一回りほど上だとか聞いたのだけど、彼女は私の同年代の男の子にも『憧れ』の目で見られていた。私はあいつらにはいつも空気扱いされる。ブスでも美人でもない特徴のない女子としか思われていない。
オフィスで仕事、は備品チェック、備品の補充、コピー、ゴミ箱のゴミを集めて収集場所に持っていく、そんな単純作業だった。あてがわれた机の上の古いノートパソコンは勤怠の入力にしか使われない。私はどんどん退屈していったし、単純作業だけしかさせないあの女、課長に苛立ちを覚えていた。
そんな中、おじさんに頼まれたのば彼が私のスマホに送ったメールをあの女が出張の日に打ち込んで送ってくれと言う依頼だった。
私はホイホイそれに乗った。あの女が居ない時にやれってことはあの女に知られたらまずいって事だし。おじさんはあの女が困るだけた、と。
喜んでやったのよね。その仕事。
そして、翌週に私はそこをクビになった。それもある事ない事を叫びながら部屋から連れ出された。これもおじさんの指示でそこをクビになる前提で、おじさんから手切金として200万円貰えた。
これがあれば半年、いや一年はゲームの為に引きこもっていられる、それしか考えてなかった。
あの女がどうなかったなんて知らない。私の方はやらかしちゃった。ゲームに夢中になり過ぎて、ご飯を食べない生活になって。お風呂にも入らず、いろんなゲームだけをしていた。りんごのカードを100万円分購入してて、それが終わるまでは外に出ないつもり、だった。イベントの途中で目の前が暗くなって…。その先の記憶がないからそこで私の人生は終わったのだろう、前の人生。
あれだけ入れ込んだのにゲームの題名も舞台もイベントも思い出さない。けど、この世界は多分、乙女ゲーの世界だろう。美形しかいないし、人の髪の色が私のピンクや他にも水色や緑色だのが居る。
銀の髪の公爵令息やその妹の冷たい美貌の令嬢、絶対あれは悪役令嬢だと思う、そして何より私が貴族に生まれ変わってるのがその証拠だわ。きっと私がやり込んでたゲームか何かの世界なのよ。
ピンク色の綿菓子みたいな髪にアクアマリンの瞳、小柄で華奢なこの容姿、やっぱり私はヒロインだよね。
誰を攻略しようかしら。第一王子の取り巻き、公爵令息、騎士団長の息子、大商人の双子の息子に、第二王子、第三王子、隠しキャラも居るかも。ヒロインをやるならやっぱりハーレムルート目指すのが王道よね!
前世があるのよ。前世がある貴族令嬢なんてそれはもう「ヒロイン」だわ!乙女ゲーではそういうものよね?
前世では私は乙女ゲーに全てをかけて、フリーターだった。ゲームの時間を中心にスケジュールを立てて、ガチャの資金を稼ぐためのバイトをしていた。
もちろん好きなゲームの為に、グッズも買ったし設定資料集も買った。そんな生活で削れるのは睡眠時間と食費だった。
ご飯を奢ってもらうためにちょくちょくアプリで知り合った人と会ってた。そんな中で
『こんな生活してちゃいけない。うちの会社でバイトしないか?』
って、冴えないおじさんに言われて、室内での仕事だし事務系だというし、お給料も良かったので勤めることにした。事務作業で1時間に1600円、未経験でもいいよとおじさんに言われたからだ。
その人は週に一回、食事するだけでいいと。今までと違って相手を探す時間を割かなくて良いし、このおじさん、その後の相手を求めてこなかったのだ。
性的なサービスは別料金でやってたけど、時間をとられるのがめんどくさかった。三次元のおっさんと過ごすよりも二次元の美青年や美少年、美中年や美老人と過ごす時間を取りたかったのでこのおじさんの提案は魅力的だった。家賃の心配もしなくていいし、社食があるから昼確保できるからご飯の事も考えなくていい、夢の生活だった。
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オフィスで仕事、は備品チェック、備品の補充、コピー、ゴミ箱のゴミを集めて収集場所に持っていく、そんな単純作業だった。あてがわれた机の上の古いノートパソコンは勤怠の入力にしか使われない。私はどんどん退屈していったし、単純作業だけしかさせないあの女、課長に苛立ちを覚えていた。
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そして、翌週に私はそこをクビになった。それもある事ない事を叫びながら部屋から連れ出された。これもおじさんの指示でそこをクビになる前提で、おじさんから手切金として200万円貰えた。
これがあれば半年、いや一年はゲームの為に引きこもっていられる、それしか考えてなかった。
あの女がどうなかったなんて知らない。私の方はやらかしちゃった。ゲームに夢中になり過ぎて、ご飯を食べない生活になって。お風呂にも入らず、いろんなゲームだけをしていた。りんごのカードを100万円分購入してて、それが終わるまでは外に出ないつもり、だった。イベントの途中で目の前が暗くなって…。その先の記憶がないからそこで私の人生は終わったのだろう、前の人生。
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