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ロミー・ブライスという令嬢
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全部を見た後の王弟殿下は怒りのあまり真顔になっている。
「エルネスト、お前は自分の立場をわかってるのか?こいつを貴族牢に。王妃殿下も部屋に蟄居。側近どもの帰宅も延期だ。あの女もまだとどめおけ。接触は女性だけに限定」
真顔の王弟殿下はテキパキと指示をすると、改めて私に向き直った。
「本当に、本当にうちのバカが…、申し訳ない」
王弟殿下には改めて婚約時のエルネストの事を聞かれた。ので、正直に全部話した。
婚約してから、婚約者ではなく下働き扱いであったこと。日々の費えを我が財閥で賄っていたこと。ドレスや宝石と言った贈り物は一度もなく、婚約者用の歳費は全て他の女性に使われていた事。
なんならロミー嬢に贈っているものの請求書も全部こちらであった事などを話す。王の勅命(正確には王妃の後押し)という形の婚約だったので我々としては受けるしかなかった事など溜まりまくった鬱憤を全て話した。
「あんのクソどもが」
王弟殿下は吐き捨てるように言う。私も人のこと言えないけどこの人口悪いよな。そろそろ四十路の彼ですが奥様はいらっしゃらないとか。うーん、この気苦労のせいか、金の髪のつむじがかなり拡大してて………見なかったことにしよう。
「このロミー嬢の請求ってわかるのか?」
「分かりますよ。ファイルしてますから。それも含めて慰謝料請求しております。ブライス家の資産は全て飛ぶのではないでしょうか?」
国宝級の宝飾品を二、三か月に一度購ったり、シーズン毎の豪遊旅行、月に10~20着の、高級洋品店のドレス、これを2年繰り返されてますからね。
そんな話を王弟殿下へ淡々と話す。
「あの男の膝に乗るバカ娘はどう言う令嬢なんだ?」
「ブライス男爵様の庶子だそうです。実の母親がそういう商売していたらしいですよ」
『私が酒場女の娘だからってバカにするのね』なんて言ってぶつかってきて勝手に転けて泣いたりしてたなー。周りの令嬢達の白けきった空気に耐えられなくて逃げたっけ。
正直何がしたいのか…、理解できなくて困ったわけで。
「エルネスト、お前は自分の立場をわかってるのか?こいつを貴族牢に。王妃殿下も部屋に蟄居。側近どもの帰宅も延期だ。あの女もまだとどめおけ。接触は女性だけに限定」
真顔の王弟殿下はテキパキと指示をすると、改めて私に向き直った。
「本当に、本当にうちのバカが…、申し訳ない」
王弟殿下には改めて婚約時のエルネストの事を聞かれた。ので、正直に全部話した。
婚約してから、婚約者ではなく下働き扱いであったこと。日々の費えを我が財閥で賄っていたこと。ドレスや宝石と言った贈り物は一度もなく、婚約者用の歳費は全て他の女性に使われていた事。
なんならロミー嬢に贈っているものの請求書も全部こちらであった事などを話す。王の勅命(正確には王妃の後押し)という形の婚約だったので我々としては受けるしかなかった事など溜まりまくった鬱憤を全て話した。
「あんのクソどもが」
王弟殿下は吐き捨てるように言う。私も人のこと言えないけどこの人口悪いよな。そろそろ四十路の彼ですが奥様はいらっしゃらないとか。うーん、この気苦労のせいか、金の髪のつむじがかなり拡大してて………見なかったことにしよう。
「このロミー嬢の請求ってわかるのか?」
「分かりますよ。ファイルしてますから。それも含めて慰謝料請求しております。ブライス家の資産は全て飛ぶのではないでしょうか?」
国宝級の宝飾品を二、三か月に一度購ったり、シーズン毎の豪遊旅行、月に10~20着の、高級洋品店のドレス、これを2年繰り返されてますからね。
そんな話を王弟殿下へ淡々と話す。
「あの男の膝に乗るバカ娘はどう言う令嬢なんだ?」
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『私が酒場女の娘だからってバカにするのね』なんて言ってぶつかってきて勝手に転けて泣いたりしてたなー。周りの令嬢達の白けきった空気に耐えられなくて逃げたっけ。
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