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赤毛の令嬢 4
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「ここは離宮。王家の持ち物だよ。誘拐とかではないので安心して欲しい」
「はい…、ジェリー殿下もおられますし、…マリーベル様もキャスリーン様もいらっしゃいますし。エイドリアン様も。これだけの方がいて無体なことはないと…。あの、なぜ私は拘束されてるのですか?外してもらえませんか?」
「ごめんね、まだ外せない。君は理性的なようだから、話を聞かせてくれるかな?」
「話せば拘束も解いてもらえますか?」
「…内容によるかな」
王弟殿下は嘘はつかないんだ…、この人は全部を話さないだけで嘘はつかない人なのね。
「まず、貴方はとなたですか?」
アン嬢改めてアンネ嬢が尋ねる。
「この部屋で一番偉い人。西の大公、といえばわかるかな?」
「王弟殿下…」
「そう」
私が不思議な顔をになったのをマリーベル様は分かったみたいで小さな声で教えてくれる。東西南北に置いている大公家四つは王家の直轄で、王家の血筋がある人が代々継いでいること。我々のような公爵家と違い国境を守る役目を担う家であること。今、北は陛下の従兄弟が、東と西と南は前陛下の側妃様腹の弟様が、おさめてると。みな、王弟殿下とほぼ同じ歳で、一気に政治的なことを解決しようと前陛下が子供を作ったと。この一年下には三人の王妹殿下がいらっしゃってみな、気候のいい南方へ嫁いでいらっしゃるらしい。
一番厄介な西を収めてるのがこの王弟殿下であること。また、西には瘴気を吹く山があってそれをメインでおさめたのが王弟殿下だと言うこと。ウエスト家はその時の補佐であったこと。
若くして西の瘴気をおさめた殿下はその力ゆえに表に出なくなったと言うことらしい。
…表に出て王弟殿下やってたら好き勝手やる時間がなくなるからじゃないのかと言う疑いは私の中では大きいし、確定に近いけど…口に出すのはやめておこう。
こんな話をしている間に王弟殿下は彼女がアン嬢の身代わりでメーガン男爵家から学院に通っていること、本物は外に出せない程度にやばくて一応学院でお婿さん候補を見繕えと言われていること、アン嬢とアンネ嬢は入れ替われるくらいそっくりなことを聞き出していた。
「で、僕らはどうやって君がアンネ嬢であると判断すればいいと思う?」
王弟殿下は意地の悪い顔でアンネ嬢(仮)に尋ねている。
「はい…、ジェリー殿下もおられますし、…マリーベル様もキャスリーン様もいらっしゃいますし。エイドリアン様も。これだけの方がいて無体なことはないと…。あの、なぜ私は拘束されてるのですか?外してもらえませんか?」
「ごめんね、まだ外せない。君は理性的なようだから、話を聞かせてくれるかな?」
「話せば拘束も解いてもらえますか?」
「…内容によるかな」
王弟殿下は嘘はつかないんだ…、この人は全部を話さないだけで嘘はつかない人なのね。
「まず、貴方はとなたですか?」
アン嬢改めてアンネ嬢が尋ねる。
「この部屋で一番偉い人。西の大公、といえばわかるかな?」
「王弟殿下…」
「そう」
私が不思議な顔をになったのをマリーベル様は分かったみたいで小さな声で教えてくれる。東西南北に置いている大公家四つは王家の直轄で、王家の血筋がある人が代々継いでいること。我々のような公爵家と違い国境を守る役目を担う家であること。今、北は陛下の従兄弟が、東と西と南は前陛下の側妃様腹の弟様が、おさめてると。みな、王弟殿下とほぼ同じ歳で、一気に政治的なことを解決しようと前陛下が子供を作ったと。この一年下には三人の王妹殿下がいらっしゃってみな、気候のいい南方へ嫁いでいらっしゃるらしい。
一番厄介な西を収めてるのがこの王弟殿下であること。また、西には瘴気を吹く山があってそれをメインでおさめたのが王弟殿下だと言うこと。ウエスト家はその時の補佐であったこと。
若くして西の瘴気をおさめた殿下はその力ゆえに表に出なくなったと言うことらしい。
…表に出て王弟殿下やってたら好き勝手やる時間がなくなるからじゃないのかと言う疑いは私の中では大きいし、確定に近いけど…口に出すのはやめておこう。
こんな話をしている間に王弟殿下は彼女がアン嬢の身代わりでメーガン男爵家から学院に通っていること、本物は外に出せない程度にやばくて一応学院でお婿さん候補を見繕えと言われていること、アン嬢とアンネ嬢は入れ替われるくらいそっくりなことを聞き出していた。
「で、僕らはどうやって君がアンネ嬢であると判断すればいいと思う?」
王弟殿下は意地の悪い顔でアンネ嬢(仮)に尋ねている。
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