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離宮
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離宮に向かう前にひと騒動あった。ジェリー殿下の御者が入れ替わっていたのだ。もちろん、学校へ付き添っている近衛隊が入れ替わった御者を助けたし、犯人を捕縛した。
ジェリー殿下が何かを指示する。近衛兵は困っていたが最終的に受け入れた。
「どうしたの?」
「王宮に御者の捕縛を伝えるなと言っていた」
「すぐに伝わりそうだけどね」
マリーベル様が肩をすくめる。
「早々に離宮に向かう方が良いな。途中で初等科に寄る。弟も迎えに行かないと」
馬車はいつもより早足で初等科に向かう。無事にジョージ殿下を拾い上げる。離宮に着くと、直ぐに王弟殿下の私室の方に連れて行かれた。
「あっちも暗躍してる奴がいるっぽくてな。四阿では代理の人間がお茶会をしてるので君たちはこちらで待っててくれ」
隣の部屋でドタンバタン聞こえてくる。王弟殿下の声が
「マリーベル、手伝えっ」
と聞こえたのでそこにいた私たち全員で部屋になだれ込んだ。エイドリアンがなんとか抑えているがアン・スコット伯爵令嬢が目と口を吊り上げでなんというか獣じみた顔になっている。
「うぅっ、ふー」
マリーベル様は即座にジェリー殿下からベルトを取り上げる。
「殿下、ベルトっ」
の声でジェリー殿下とジョージ殿下がベルトを取り渡そうとする。マリーベル様は両方受け取り、手首をジョージ殿下のベルトで締め上げる。まだ暴れようとするので長めの制服の上から膝を縛り上げだ。
「アン嬢、大人しく、ね?」
不思議とマリーベル様の声でアン嬢は静かになった。
王弟殿下はその隙をついて両手をアン嬢のこめかみに当て何か、多分聖句、を唱えながらゆっくりとこめかみの手を離していった。真っ赤な髪と真っ白な皮膚の間から黒い靄が出てくる。王弟殿下の手が離れる都度にこめかみあたりからずるっ、ずるっともやが引き摺り出されていく。
完全にモヤが引き摺り出され、アン嬢の体がソファに倒れ込む.王弟殿下はポケットに手を入れる。真っ黒な魔石にモヤが吸い込まれる。
「さて、呪い、やっぱりかかってたなー」
…殿下、やはりやばい人だ、この人。
ジェリー殿下が何かを指示する。近衛兵は困っていたが最終的に受け入れた。
「どうしたの?」
「王宮に御者の捕縛を伝えるなと言っていた」
「すぐに伝わりそうだけどね」
マリーベル様が肩をすくめる。
「早々に離宮に向かう方が良いな。途中で初等科に寄る。弟も迎えに行かないと」
馬車はいつもより早足で初等科に向かう。無事にジョージ殿下を拾い上げる。離宮に着くと、直ぐに王弟殿下の私室の方に連れて行かれた。
「あっちも暗躍してる奴がいるっぽくてな。四阿では代理の人間がお茶会をしてるので君たちはこちらで待っててくれ」
隣の部屋でドタンバタン聞こえてくる。王弟殿下の声が
「マリーベル、手伝えっ」
と聞こえたのでそこにいた私たち全員で部屋になだれ込んだ。エイドリアンがなんとか抑えているがアン・スコット伯爵令嬢が目と口を吊り上げでなんというか獣じみた顔になっている。
「うぅっ、ふー」
マリーベル様は即座にジェリー殿下からベルトを取り上げる。
「殿下、ベルトっ」
の声でジェリー殿下とジョージ殿下がベルトを取り渡そうとする。マリーベル様は両方受け取り、手首をジョージ殿下のベルトで締め上げる。まだ暴れようとするので長めの制服の上から膝を縛り上げだ。
「アン嬢、大人しく、ね?」
不思議とマリーベル様の声でアン嬢は静かになった。
王弟殿下はその隙をついて両手をアン嬢のこめかみに当て何か、多分聖句、を唱えながらゆっくりとこめかみの手を離していった。真っ赤な髪と真っ白な皮膚の間から黒い靄が出てくる。王弟殿下の手が離れる都度にこめかみあたりからずるっ、ずるっともやが引き摺り出されていく。
完全にモヤが引き摺り出され、アン嬢の体がソファに倒れ込む.王弟殿下はポケットに手を入れる。真っ黒な魔石にモヤが吸い込まれる。
「さて、呪い、やっぱりかかってたなー」
…殿下、やはりやばい人だ、この人。
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