36 / 55
メーガン男爵
しおりを挟む
…メーガン男爵領って国境ギリギリにあって、辺境伯のサポート役だよね?そういえば。この前の貴族史初等でやった記憶が。
「メーガン男爵領って辺境伯のところでは?」
私の質問には侯爵様が答えてくれた。
「領地の方は現男爵と不仲の前男爵が収めているんだ。辺境伯はウエスト女公爵を溺愛している年上の女公爵の従兄がやっててね。我々の陣営の一員だ」
「でも、現男爵とは」
王弟殿下は頷く。
「現男爵とは我々は上手くいってないというかあいつは陛下の手駒ってことになってる。現実は陛下が手駒なんだろうけどもな。現男爵は長い間他国に留学しててな。父親とソリが合わなかったのが理由らしいが。なんで、領地に愛着もない。そしてその留学先の国で悪魔崇拝に至った訳らしいが」
「それは調査済みですか?」
エイドリアンが王弟殿下に尋ねる。
「状況証拠と推論ではあるが。…ご婦人方からポロポロ溢れてるくる話が、ね。これで離婚騒ぎが多くて。夫の側は悪魔崇拝に関わった女性を切り捨てたい、妻の側はそれは気のせいだとして離婚に不服、と。お陰で裁判所が滞って…。大抵メーガン男爵家のお茶会だの夜会だのに出てるんだよな、奥方が」
殿下、愚痴っぽい。
「で、奥方の懺悔の言葉でポロポロとね」
そっか、神殿の懺悔室!
「ただ、あそこで聴いた言葉は証拠に使えないからね。彼女たちの懺悔を利用したってバレると信仰の一端を潰すことになるし」
王弟殿下はやはりかなり悪どい…。この人の信仰心ってどうなってるんだろう。
「その中で陛下の事もちょくちょくとな」
殿下はとんでもない事を言う。
「なんで俺が王位を簒奪する」
王位継承権第三位のお方の放言に私以外の人間は納得している様だった…。
嘘でしょう…?!
「メーガン男爵領って辺境伯のところでは?」
私の質問には侯爵様が答えてくれた。
「領地の方は現男爵と不仲の前男爵が収めているんだ。辺境伯はウエスト女公爵を溺愛している年上の女公爵の従兄がやっててね。我々の陣営の一員だ」
「でも、現男爵とは」
王弟殿下は頷く。
「現男爵とは我々は上手くいってないというかあいつは陛下の手駒ってことになってる。現実は陛下が手駒なんだろうけどもな。現男爵は長い間他国に留学しててな。父親とソリが合わなかったのが理由らしいが。なんで、領地に愛着もない。そしてその留学先の国で悪魔崇拝に至った訳らしいが」
「それは調査済みですか?」
エイドリアンが王弟殿下に尋ねる。
「状況証拠と推論ではあるが。…ご婦人方からポロポロ溢れてるくる話が、ね。これで離婚騒ぎが多くて。夫の側は悪魔崇拝に関わった女性を切り捨てたい、妻の側はそれは気のせいだとして離婚に不服、と。お陰で裁判所が滞って…。大抵メーガン男爵家のお茶会だの夜会だのに出てるんだよな、奥方が」
殿下、愚痴っぽい。
「で、奥方の懺悔の言葉でポロポロとね」
そっか、神殿の懺悔室!
「ただ、あそこで聴いた言葉は証拠に使えないからね。彼女たちの懺悔を利用したってバレると信仰の一端を潰すことになるし」
王弟殿下はやはりかなり悪どい…。この人の信仰心ってどうなってるんだろう。
「その中で陛下の事もちょくちょくとな」
殿下はとんでもない事を言う。
「なんで俺が王位を簒奪する」
王位継承権第三位のお方の放言に私以外の人間は納得している様だった…。
嘘でしょう…?!
2
お気に入りに追加
75
あなたにおすすめの小説
婚約破棄され追放された聖女は冒険者になりました
もぐすけ
ファンタジー
私はルミエールといいます。聖女として頑張って来ましたが、聖女補佐のマリアンヌにハメられて、王太子から婚約破棄され、ゴブリンの拠点近くに捨てられました。
ゴブリンの手から何とか逃れ、同じように婚約破棄され、妹にハメられた悪役令嬢のステーシアと偶然出会い、二人で冒険者をすることになりました。
一方、王太子殿下は私の能力の凄さを遅まきながら知りましたが、後の祭です。後悔していると風の噂に聞きましたが、そんなの知りません。
モブで可哀相? いえ、幸せです!
みけの
ファンタジー
私のお姉さんは“恋愛ゲームのヒロイン”で、私はゲームの中で“モブ”だそうだ。
“あんたはモブで可哀相”。
お姉さんはそう、思ってくれているけど……私、可哀相なの?
筑豊国伝奇~転生した和風世界で国造り~
九尾の猫
ファンタジー
亡くなった祖父の後を継いで、半農半猟の生活を送る主人公。
ある日の事故がきっかけで、違う世界に転生する。
そこは中世日本の面影が色濃い和風世界。
しかも精霊の力に満たされた異世界。
さて…主人公の人生はどうなることやら。
嘘つきと呼ばれた精霊使いの私
ゆるぽ
ファンタジー
私の村には精霊の愛し子がいた、私にも精霊使いとしての才能があったのに誰も信じてくれなかった。愛し子についている精霊王さえも。真実を述べたのに信じてもらえず嘘つきと呼ばれた少女が幸せになるまでの物語。
絶対婚約いたしません。させられました。案の定、婚約破棄されました
toyjoy11
ファンタジー
婚約破棄ものではあるのだけど、どちらかと言うと反乱もの。
残酷シーンが多く含まれます。
誰も高位貴族が婚約者になりたがらない第一王子と婚約者になったミルフィーユ・レモナンド侯爵令嬢。
両親に
「絶対アレと婚約しません。もしも、させるんでしたら、私は、クーデターを起こしてやります。」
と宣言した彼女は有言実行をするのだった。
一応、転生者ではあるものの元10歳児。チートはありません。
4/5 21時完結予定。
隠密スキルでコレクター道まっしぐら
たまき 藍
ファンタジー
没落寸前の貴族に生まれた少女は、世にも珍しい”見抜く眼”を持っていた。
その希少性から隠し、閉じ込められて5つまで育つが、いよいよ家計が苦しくなり、人買いに売られてしまう。
しかし道中、隊商は強力な魔物に襲われ壊滅。少女だけが生き残った。
奇しくも自由を手にした少女は、姿を隠すため、魔物はびこる森へと駆け出した。
これはそんな彼女が森に入って10年後、サバイバル生活の中で隠密スキルを極め、立派な素材コレクターに成長してからのお話。
【完結】王女様の暇つぶしに私を巻き込まないでください
むとうみつき
ファンタジー
暇を持て余した王女殿下が、自らの婚約者候補達にゲームの提案。
「勉強しか興味のない、あのガリ勉女を恋に落としなさい!」
それって私のことだよね?!
そんな王女様の話しをうっかり聞いてしまっていた、ガリ勉女シェリル。
でもシェリルには必死で勉強する理由があって…。
長編です。
よろしくお願いします。
カクヨムにも投稿しています。
婚約破棄を目撃したら国家運営が破綻しました
ダイスケ
ファンタジー
「もう遅い」テンプレが流行っているので書いてみました。
王子の婚約破棄と醜聞を目撃した魔術師ビギナは王国から追放されてしまいます。
しかし王国首脳陣も本人も自覚はなかったのですが、彼女は王国の国家運営を左右する存在であったのです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる