令嬢キャスリーンの困惑 【完結】

あくの

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公爵家での日々

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 「朝は母親とミシェルが食堂に入る前に台所に行くの。そしておこぼれのパンとスープをもらって二人が来るまでに食べるの。そして、台所の下働きをしてた。毎日台所で働いてる最中にお小言を言いに入ってきて、何かと言ってはビンタ。使用人の人たちが止めると折檻は鞭打ちまで行くのでもうみな、見ない。気にしない…」

ここまで一気に喋り私は少し息を整えた。教会からの帰りの馬車は私と叔母さま二人きりだった。

「昼は洗濯の人たちと洗濯。私より二つ下のお子さんがいる洗濯人の人に色々教えてもらうの。父親のシャツは本当にいい布だとかミシェルと母親の服は最新流行ではあるけど布自体はかなり安い布使われてるとか。ドレスも私たちに洗わせるけど良く着て2回、大抵一回で二度と着ない。お昼ご飯は大体食べない。週に2回の焼き菓子を焼く日は副メイド長がこっそりクッキーをたくさんくれる。最近は私の部屋に置いててくれるから夕飯はクッキーと水差しの水。その水差しは他のメイドさんが家から持ってきてくれた魔石を混ぜた陶器の器だったから水は腐らないし冷たいままだった」

叔母さまの手が私の手をふんわり握ってくれる。

「メイドの人たちに刺繍とか縫い物は教えてもらって、繕い物する代わりにパンをもらったりしてた。その合間に母親は私を呼びつけて私がいかにダメか、如何に公爵家にいる無駄飯ぐらいかを言い続ける。でも、夜会のある日は私はあの人たちから見えないところ、自分の部屋に閉じこもってた。夜会に行ってしまうと翌日の昼まで帰ってくることはないからその間は自由だし、本を読みまくってた」

叔母さま、泣いてる…。

「レオン兄さんは何してたの?」

「朝は誰よりも早く家を出て、あとはいつ帰ってくるのか。私が父親を目で見るのは三月に一度くらい。存在を、母親にお金をせびられてたり私を追い出せって喚いてたりするのを聞くのは週に一回くらいかな?ともかくあの人が私に関わった事はない」

叔母さま、泣怒りしてる…。

 叔母さまは私の体験に嘘がないかわかる魔法をかけたそうです。嘘がない上に誇張もなし、どちらかというと控えめな表現をしている事はわかったそうです。

 その夜、父親と宰相様、フィリップ様が叔母さまに呼びつけられて侯爵邸に現れました。
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