令嬢キャスリーンの困惑 【完結】

楽〜

　今日の格好は本当に楽だ。髪もまとめる整髪料も使わなくていいし。あ！学院にも三つ編みでいこう。その方が頭楽だし。もう少し長くして三つ編みをぐるっとと巻きつけてまとめるのも良いな。ハーフアップは髪の毛邪魔で実はあんまり好きではない。

　「学院にも三つ編みで行こうかな」

そう呟くとエリカは

「その方が楽ですか？」

と聞いてきたので

「この方が勉強の邪魔にならなさそうで」

「髪が落ちてくるのが嫌ですか？」

エリカが考えながら言うので肯定しておく。




　エレインはまた王宮に戻った。この週末、二人で散々遊んだ。ジェリー殿下とエイドリアンは軍事訓練の視察ということでいなかったのだがエレインを迎えにと言う口実で王妃様が王太子殿下を、側妃様は里帰り中だったのでジョージ殿下を伴ってお茶会をしにきた。三貴婦人の悪巧みの間私たちはジョージ殿下と王太子殿下を任されたので四人でボール遊びをし、王太子殿下は興奮してぎゃーぎゃー騒いでいたので子どもらしいなぁと私とエレインは微笑ましく思っていた。
　遊び疲れた頃に芝生の上にピクニックシートが敷かれ沢山の一口大のサンドイッチや小さなハンバーガー、マカロンやチョコバーなどが用意されている。子供でも飲めるお茶を用意してくれていて気兼ねなく王太子殿下もお茶を飲めた。

「王宮だとね、ミルクに少しだけ紅茶を薄めたのを入れて飲ませられるの。あれならミルクだけの方が美味しい…」

と言う。エレインが

「王妃様にお伝えしておきますね」

と優しく言うと王太子殿下はうん、と元気に答えた。そしてお腹いっぱいになったのかシートの上でぐっすり眠ってしまった。

「かわいいね」

私が言うとエレインとジョージ殿下が、王太子って事で遊びもあんまりなくかと言って運動も少ないので癇癪もひどく夜も眠れてない様子だと教えてくれた。
　私が王妃教育初等で通い始めてダンスとマナーの授業を一緒にするようになって少し運動する様になって、その日は夜眠れるらしくその翌日は機嫌もいいのだとか。

「今日は僕が言って連れてきてもらったの。こう言う遊び、王宮ではできないから。僕と王太子殿下が一緒にいると王太子殿下の乳母が僕を『伯爵の娘の子供風情が』って追っ払っちゃうんだ」