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マリア
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「ミシェル、キャスのお母様のお人形みたい」
みたいじゃなくて、お人形なんだろうな。
「あの人を母親で思うのもやだから、あの人、メイド仲間さんたちになんて呼ばれてるの?」
エレインは枕を抱きながら答える。
「『あの』マリアさん、て。今、公爵夫人とは呼ばれてないの。『男爵の愛人のマリアさん』て呼んでる人もいる。ミシェル、10歳でデビュタントで夜会デビューさせてからは特に評判良くないんだって、異例すぎて」
エレインが、枕に顔を擦り付けてる。もうずいぶん眠いようだ。
「私の12歳もキャスも年齢的には早いんだけどさ」
エレインは王妃様たっての希望だし、私は学院に入学したので一年早く、と言う事らしい。
「王妃様個人の夜会に私を出したいんだって」
そういうと、エレインはストンと眠りに落ちて行った。
できたらミシェルは普通の女の子として育って欲しいと思う。母親にスポイルされたお人形じゃなくて。…ていうか、周りの環境悪すぎない?私も、ミシェルも。母方祖父母あれだし、母親役はあれだし。ミシェルは父親いないし、私の父親頼りないし。
母方の親戚で頼れる人、誰かいないかな。父親のミシェルに対する態度は当たり前ではあるし…、そこを越えた対応を私が父親に望むのも違うし。
…ああ、もう!
考え事をしながら眠ったので、夢を見た。かつて私のお人形を母親が取り上げてミシェルに渡した。私はそんなにミシェルが可愛いなら私の古い人形ではなく、新しく好きなのを買ってあげれば良いのに、と思った。そんな事を思い出す。夢なのに、思い出してる。その時は、ミシェルはこっそり私のところに来て
『お人形、ありがとう』
て言ったんだよな…。
「ねぼすけキャス、もうすぐお昼よ」
エレインが私の上に転がってきた。
「んんん?朝?」
「昼。さっさと用意してご飯食べに行こ。キャスは朝食抜いてるから三時のおやつはママと兄様の食べろ攻撃にあうわね。だから、お昼は軽めにお願いしたわ」
そう言いながらエレインは私の支度を手伝ってくれた。
「絶対この色」
エレインは私にペリドットのような緑色のワンピースを渡す。楽しそうなので大人しくイケニエになる。喉元から胸にかけては白いピンタックとレースで、同じレースが腰の低い部分の帯に付けられていて大きなリボンの形に結ぶようになってる。
「ママが、私たちくらいの時に着ていたんだって。私もイライザ姉さまもどうにも似合わなくて」
とエレインは言った。
みたいじゃなくて、お人形なんだろうな。
「あの人を母親で思うのもやだから、あの人、メイド仲間さんたちになんて呼ばれてるの?」
エレインは枕を抱きながら答える。
「『あの』マリアさん、て。今、公爵夫人とは呼ばれてないの。『男爵の愛人のマリアさん』て呼んでる人もいる。ミシェル、10歳でデビュタントで夜会デビューさせてからは特に評判良くないんだって、異例すぎて」
エレインが、枕に顔を擦り付けてる。もうずいぶん眠いようだ。
「私の12歳もキャスも年齢的には早いんだけどさ」
エレインは王妃様たっての希望だし、私は学院に入学したので一年早く、と言う事らしい。
「王妃様個人の夜会に私を出したいんだって」
そういうと、エレインはストンと眠りに落ちて行った。
できたらミシェルは普通の女の子として育って欲しいと思う。母親にスポイルされたお人形じゃなくて。…ていうか、周りの環境悪すぎない?私も、ミシェルも。母方祖父母あれだし、母親役はあれだし。ミシェルは父親いないし、私の父親頼りないし。
母方の親戚で頼れる人、誰かいないかな。父親のミシェルに対する態度は当たり前ではあるし…、そこを越えた対応を私が父親に望むのも違うし。
…ああ、もう!
考え事をしながら眠ったので、夢を見た。かつて私のお人形を母親が取り上げてミシェルに渡した。私はそんなにミシェルが可愛いなら私の古い人形ではなく、新しく好きなのを買ってあげれば良いのに、と思った。そんな事を思い出す。夢なのに、思い出してる。その時は、ミシェルはこっそり私のところに来て
『お人形、ありがとう』
て言ったんだよな…。
「ねぼすけキャス、もうすぐお昼よ」
エレインが私の上に転がってきた。
「んんん?朝?」
「昼。さっさと用意してご飯食べに行こ。キャスは朝食抜いてるから三時のおやつはママと兄様の食べろ攻撃にあうわね。だから、お昼は軽めにお願いしたわ」
そう言いながらエレインは私の支度を手伝ってくれた。
「絶対この色」
エレインは私にペリドットのような緑色のワンピースを渡す。楽しそうなので大人しくイケニエになる。喉元から胸にかけては白いピンタックとレースで、同じレースが腰の低い部分の帯に付けられていて大きなリボンの形に結ぶようになってる。
「ママが、私たちくらいの時に着ていたんだって。私もイライザ姉さまもどうにも似合わなくて」
とエレインは言った。
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