4 / 55
父の覚醒
しおりを挟む
父親は私の状態を知って母親に問いただしてました。私もミシェルもいる前で。
『この予算はどういう使い方をしてるんだ。今年はキャシーが学院に行くから夜会服や普段着も多めに用意するための予算だろうが』
『あらそれは来年でなくて?』
『12歳のテストで入学年齢が決まるのを忘れたのか?ミシェルは今年は不合格で来年の再テストまでに規定点が取れなければうちからのミシェルに対する援助は切る。お前の家の為に何年も金をかけて。それもで実の娘のための金を掠め取るような真似をし続けてしたのはどうしてだ?』
この時の母親はしれっと。
『私の娘はミシェルです。キャシーなんて子は私は知りません』
言い放ち父親は激怒したのでした。
『今すぐ出て行け。荷物も置いてな。男爵家には手紙を書いてある』
既に父親の中で筋書きは決まってたようです。
遅いけど。私には父に対する不信しかないです。信用できる人なんて居ません。
侯爵家の人も良くしてくださってたのは表だけかもしれない、本当は母おの言葉のように迷惑していたのを笑顔で誤魔化してたのかもしれない、そんな思いがありました。
父親に聞かれたことは全て答えました。事実だけを。元の自室がミシェルの衣装部屋になってることや一度も家庭教師もマナー教師もつけられてないことは聞かれてないので話してません。
茶会に出てないことも聞かれてないので話してません。もちろん、その時は服がないことも私の普段着のワンピースが、洗濯をしている女性の娘さんのお下がりを夏冬各2枚ずつしかないことが異常だと思ってなかったのもあります。ミシェルの衣装部屋を見て
『体は一つなのに、こんなに服ばかり持っててどーするんだろ?』
なんてこと思ってたので。
誰に入れ知恵されたのか、とうとう父親が私の秘密基地、屋根裏部屋を見つけてしまいました。
「なんだ、ここに居たのか」
昔は父親の秘密基地だったそうです。道理でベッドちゃんとしたのがあると…。
「正式にミシェルとマリアは男爵家に送った。結納がわりの借金の返済もしてもらう。…聞きたいのだが」
父親がじっと目を見る。
「ミシェルに婿を迎えてこの家をって言われたのか?」
「ええ。私は平民になるのだから今から平民として扱うと10歳の時に言われました。それまではミシェルのお下がりを着ていたのですが、ミシェルが平民に服をあげるのは嫌だ、ということで以降は洗濯をしてくれてるマダムの娘さんの服をいただいたり、メイドのお仕事を手伝ったりしてました」
「なんで…言ってくれなかったんだ」
父親の声に私はしらけきって答えました。
「家のことを気にもかけてない父親になにを言えばよいのでしょうか?」
あれ?そういえば母親を男爵家に送ったってなに?母親の実家は子爵家よね?なにがあったの?…聞かないけど。あの母親がどこに行こうと私には関係ないし。
『この予算はどういう使い方をしてるんだ。今年はキャシーが学院に行くから夜会服や普段着も多めに用意するための予算だろうが』
『あらそれは来年でなくて?』
『12歳のテストで入学年齢が決まるのを忘れたのか?ミシェルは今年は不合格で来年の再テストまでに規定点が取れなければうちからのミシェルに対する援助は切る。お前の家の為に何年も金をかけて。それもで実の娘のための金を掠め取るような真似をし続けてしたのはどうしてだ?』
この時の母親はしれっと。
『私の娘はミシェルです。キャシーなんて子は私は知りません』
言い放ち父親は激怒したのでした。
『今すぐ出て行け。荷物も置いてな。男爵家には手紙を書いてある』
既に父親の中で筋書きは決まってたようです。
遅いけど。私には父に対する不信しかないです。信用できる人なんて居ません。
侯爵家の人も良くしてくださってたのは表だけかもしれない、本当は母おの言葉のように迷惑していたのを笑顔で誤魔化してたのかもしれない、そんな思いがありました。
父親に聞かれたことは全て答えました。事実だけを。元の自室がミシェルの衣装部屋になってることや一度も家庭教師もマナー教師もつけられてないことは聞かれてないので話してません。
茶会に出てないことも聞かれてないので話してません。もちろん、その時は服がないことも私の普段着のワンピースが、洗濯をしている女性の娘さんのお下がりを夏冬各2枚ずつしかないことが異常だと思ってなかったのもあります。ミシェルの衣装部屋を見て
『体は一つなのに、こんなに服ばかり持っててどーするんだろ?』
なんてこと思ってたので。
誰に入れ知恵されたのか、とうとう父親が私の秘密基地、屋根裏部屋を見つけてしまいました。
「なんだ、ここに居たのか」
昔は父親の秘密基地だったそうです。道理でベッドちゃんとしたのがあると…。
「正式にミシェルとマリアは男爵家に送った。結納がわりの借金の返済もしてもらう。…聞きたいのだが」
父親がじっと目を見る。
「ミシェルに婿を迎えてこの家をって言われたのか?」
「ええ。私は平民になるのだから今から平民として扱うと10歳の時に言われました。それまではミシェルのお下がりを着ていたのですが、ミシェルが平民に服をあげるのは嫌だ、ということで以降は洗濯をしてくれてるマダムの娘さんの服をいただいたり、メイドのお仕事を手伝ったりしてました」
「なんで…言ってくれなかったんだ」
父親の声に私はしらけきって答えました。
「家のことを気にもかけてない父親になにを言えばよいのでしょうか?」
あれ?そういえば母親を男爵家に送ったってなに?母親の実家は子爵家よね?なにがあったの?…聞かないけど。あの母親がどこに行こうと私には関係ないし。
8
お気に入りに追加
77
あなたにおすすめの小説

異世界転生ファミリー
くろねこ教授
ファンタジー
辺境のとある家族。その一家には秘密があった?!
辺境の村に住む何の変哲もないマーティン一家。
アリス・マーティンは美人で料理が旨い主婦。
アーサーは元腕利きの冒険者、村の自警団のリーダー格で頼れる男。
長男のナイトはクールで賢い美少年。
ソフィアは産まれて一年の赤ん坊。
何の不思議もない家族と思われたが……
彼等には実は他人に知られる訳にはいかない秘密があったのだ。

【完結】平民聖女の愛と夢
ここ
ファンタジー
ソフィは小さな村で暮らしていた。特技は治癒魔法。ところが、村人のマークの命を救えなかったことにより、村全体から、無視されるようになった。食料もない、お金もない、ソフィは仕方なく旅立った。冒険の旅に。

[完結]私を巻き込まないで下さい
シマ
恋愛
私、イリーナ15歳。賊に襲われているのを助けられた8歳の時から、師匠と一緒に暮らしている。
魔力持ちと分かって魔法を教えて貰ったけど、何故か全然発動しなかった。
でも、魔物を倒した時に採れる魔石。石の魔力が無くなると使えなくなるけど、その魔石に魔力を注いで甦らせる事が出来た。
その力を生かして、師匠と装具や魔道具の修理の仕事をしながら、のんびり暮らしていた。
ある日、師匠を訪ねて来た、お客さんから生活が変わっていく。
え?今、話題の勇者様が兄弟子?師匠が王族?ナニそれ私、知らないよ。
平凡で普通の生活がしたいの。
私を巻き込まないで下さい!
恋愛要素は、中盤以降から出てきます
9月28日 本編完結
10月4日 番外編完結
長い間、お付き合い頂きありがとうございました。

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します
怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。
本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。
彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。
世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。
喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。

[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。
乙女ゲームの世界だと、いつから思い込んでいた?
シナココ
ファンタジー
母親違いの妹をいじめたというふわふわした冤罪で婚約破棄された上に、最北の辺境地に流された公爵令嬢ハイデマリー。勝ち誇る妹・ゲルダは転生者。この世界のヒロインだと豪語し、王太子妃に成り上がる。乙女ゲームのハッピーエンドの確定だ。
……乙女ゲームが終わったら、戦争ストラテジーゲームが始まるのだ。

叶えられた前世の願い
レクフル
ファンタジー
「私が貴女を愛することはない」初めて会った日にリュシアンにそう告げられたシオン。生まれる前からの婚約者であるリュシアンは、前世で支え合うようにして共に生きた人だった。しかしシオンは悪女と名高く、しかもリュシアンが憎む相手の娘として生まれ変わってしまったのだ。想う人を守る為に強くなったリュシアン。想う人を守る為に自らが代わりとなる事を望んだシオン。前世の願いは叶ったのに、思うようにいかない二人の想いはーーー

魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる