令嬢キャスリーンの困惑 【完結】

あくの

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学院入学

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 学院に入学した時、みなより一つ下の私は元が小柄なのもあって『小学生』というあだ名まで着きました。そして私が公爵家のものだと知ると

「え?公爵家の居候が入学したの?」

「準男爵家はこのクラスに入れないはずよ?」

と訳の分からない事を言われました。

「誰が居候だと?」

私が言葉を発すると

「お前だよ。ホルス準男爵のこどもなんだろう?」

あざけるようにその男子が私のことを腐す。

「私はホルス準男爵の血は一滴も流れてませんが?」

「知ってるよ。顔が取り柄のヒモ崩れの男の子なんだろう?どの面下げてここにいるんだよ、え?その上小学生かよチビだし胸もないし」

クスクスと忍笑いが聞こえる。

「それは従姉妹のミシェルですわ」

「何嘘ついてんだよ。ミシェル嬢はお前の伯母上の子供でミドルトン公爵の子供なんだろう?お前が」

遅れて隣国からの帰国子女で従兄でもあるベアード侯爵家の次男エイドリアンがクラスに入ってきた。一年遅れのクラスに入っていたのね。

「なんだ?うちのいとこに何か用かな?」

「は?貴方のいとこなんですか?ミドルトン家の居候ってコイツですよね?」

エイドリアンが眉を顰める。

「この子はうちの母の兄である公爵と奥方の子供だよ?あそこの奥方とは似てないがうちの母親そっくりだよ?」

いく人かの令嬢が何かコソコソと言っているのをエイドリアンが聞き咎める。

「ストロベリーブロンドはうちの家系には居ないよ。夫人の実家の色だ。自分の家の借金を公爵家に押し付けた挙句、嫁になってやったからチャラにした家の髪の色だよ。それと準男爵とホルス家を言うが、現在の当主は騎士団長なのをわかってるのかな?」

エイドリアンの口はよく回ります。子供の頃から泣かされ続けた私ですがこの憎まれ口が頼もしく見える日が来るとは…、少し感慨深いですわ。

「その夫人が『私の娘はミシェルだけなの』って言ってるしぃ」

男子が頑張ってエイドリアンに抵抗している。顔色は変えずこの男子がどこまで頑張るかゆったり見物しておこう。

「夫人と公爵、離婚するかもだしな」

クラスに最後に入ってきた第二王子殿下がそんなことを言う。母親と父親は離婚なのか。
 …なんで私は知らないのだろうか?というか、宰相様に愚痴ってたのかもね、父親。自分は研究バカだからなー、が口癖の人だしね。
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