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再びアキラの章
20 第二階層 ボス前セーフエリア 2
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「来た来た」
まだ遠い足音をアキラは聞きつけた。
「とりあえずアキラ、横になって具合悪い振りしとけ」
デヴィッドに言われアキラは大人しくセーフエリアの敷布の上で丸くなっている。
どやどやと王子達一行がセーフエリアに入って来た。
「お、失礼」
やはり最初に声をかけたのは狼国王子フランシスだった。第37王子エリクも第7王女ヴィーもしらーとしている。
「あー、怪我人がいるんで静かにしてもらえるかな」
「げ、うつるの」
失礼な事を言うのはやはりヴィーだった。
「怪我人」
デヴィッドが訂正する。
「うっさい」
口の悪い王女だな、と皆思った。
「何故怪我を?」
隊長からの質問だった。
「上のボス部屋やった時にスライムの粘液で滑って足くじいてるんだ」
「ヒールで治せばよかろう?」
「ぷぷっ、大したことないのね」
デヴィッドの答えにエリクとヴィーが同時にそんなことを言う。
「ポーションや魔力も有限だからな。こんな浅い階層でかつ時間があれば治るものに資源をかけたくない」
デヴィッドが言うことは当たり前であった。
「それと3階層目は広いから歩く距離も長い。だから今日は少し休んでおきたいのもある」
近衛たちは知っていたようだが王子達は驚いた顔をする。
「このダンジョンは階層毎に広さが違う。ただ第一階層と第二階層が同じ構造なので誤解されやすいが第三階層以下は広さも構造も各階層違うぞ?調べてないのかな?」
反対側の端を陣取った王子達の内緒話をアキラ達は聞いている。ルトガーはアキラ以外の聴覚に強化魔法をかけておいたのでアキラ達全員が王子達の内緒話を聴けた。
「おい、聞いていたのとちがうぞ」
「私は第五王子が言ってたことを言っただけよ?単純構造だしすぐ見つかるって」
「兄上は自分が取戻すには片腕がないから無理だって。だから俺とヴィーに依頼したんだよ」
狼国の貴族子息らしい少年がまぁまぁと宥める。この少年は多少は空気が読めるらしく入口でもヴィーの気をそらそうと声をかけた少年だった。
「あの……下の階層抜けるまでお隣とご一緒するわけには行かないでしょうか。地図もない事ですし」
「おお、良い事いうな。そうしよう。王族の妾たちに協力するのはこの国の国民の義務であるしな」
ヴィーの言葉にフランシスが突っ込む。
「あのな、冒険者だからこの国の国民と限らないぞ」
これにはアキラ達も同意だった。隊長が助け船を出す。
「そうしましょう。広いし彼らはボスの情報もあるかもしれません」
これはデヴィッド達と打合せ通りであった。適当な階層で一緒になり王子達の護衛を兼ねる、と。隊長はさっさとアキラたちと合流すべきと考えたようだ。デヴィッドは第一階層で苦労したんだろうなぁと察した。
まだ遠い足音をアキラは聞きつけた。
「とりあえずアキラ、横になって具合悪い振りしとけ」
デヴィッドに言われアキラは大人しくセーフエリアの敷布の上で丸くなっている。
どやどやと王子達一行がセーフエリアに入って来た。
「お、失礼」
やはり最初に声をかけたのは狼国王子フランシスだった。第37王子エリクも第7王女ヴィーもしらーとしている。
「あー、怪我人がいるんで静かにしてもらえるかな」
「げ、うつるの」
失礼な事を言うのはやはりヴィーだった。
「怪我人」
デヴィッドが訂正する。
「うっさい」
口の悪い王女だな、と皆思った。
「何故怪我を?」
隊長からの質問だった。
「上のボス部屋やった時にスライムの粘液で滑って足くじいてるんだ」
「ヒールで治せばよかろう?」
「ぷぷっ、大したことないのね」
デヴィッドの答えにエリクとヴィーが同時にそんなことを言う。
「ポーションや魔力も有限だからな。こんな浅い階層でかつ時間があれば治るものに資源をかけたくない」
デヴィッドが言うことは当たり前であった。
「それと3階層目は広いから歩く距離も長い。だから今日は少し休んでおきたいのもある」
近衛たちは知っていたようだが王子達は驚いた顔をする。
「このダンジョンは階層毎に広さが違う。ただ第一階層と第二階層が同じ構造なので誤解されやすいが第三階層以下は広さも構造も各階層違うぞ?調べてないのかな?」
反対側の端を陣取った王子達の内緒話をアキラ達は聞いている。ルトガーはアキラ以外の聴覚に強化魔法をかけておいたのでアキラ達全員が王子達の内緒話を聴けた。
「おい、聞いていたのとちがうぞ」
「私は第五王子が言ってたことを言っただけよ?単純構造だしすぐ見つかるって」
「兄上は自分が取戻すには片腕がないから無理だって。だから俺とヴィーに依頼したんだよ」
狼国の貴族子息らしい少年がまぁまぁと宥める。この少年は多少は空気が読めるらしく入口でもヴィーの気をそらそうと声をかけた少年だった。
「あの……下の階層抜けるまでお隣とご一緒するわけには行かないでしょうか。地図もない事ですし」
「おお、良い事いうな。そうしよう。王族の妾たちに協力するのはこの国の国民の義務であるしな」
ヴィーの言葉にフランシスが突っ込む。
「あのな、冒険者だからこの国の国民と限らないぞ」
これにはアキラ達も同意だった。隊長が助け船を出す。
「そうしましょう。広いし彼らはボスの情報もあるかもしれません」
これはデヴィッド達と打合せ通りであった。適当な階層で一緒になり王子達の護衛を兼ねる、と。隊長はさっさとアキラたちと合流すべきと考えたようだ。デヴィッドは第一階層で苦労したんだろうなぁと察した。
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