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再びアキラの章

17 ダンジョン第二階層 セーフエリアの夜 1

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 「あいつら、今日中にここに来れると思う?」

「いや……無理だろう。モンスター退治をした事あるのかね」

セーフゾーンの入口に戻ったレッドを見てアキラが声をかける。

「ドの着く素人か」

「俺より素人?」

ボンがレッドに自分の事を訪ねる。

「ボンはモンス退治はちゃんと出来るだろ。中型のボア位なら問題なく倒せるし。大型はもう少し体が出来てからな。また冬山で鍛えてやるから」

ボンは嬉しそうだ。そこにレッドがある程度間引いていたモンスターをものともせずに王子達に着いている近衛の隊長が入って来た。
 隊長は頭を下げる。

「すみません。王子達は今日はボスはやれないと思います」

「わかってる。二階層のボス前のセーフゾーンではちあわす感じにしよう。あの人数でならこの階層のボスはやれると思う。敵はスライムが七匹だ。このフロアのスライムより少しだけ強い。そのレベルなのでここでスライムをある程度の数を倒してコツをつかんでおくといい。……みたところ、フランシスあんたのところの王子様が一番腕が立つようだしちゃんと教えてやるといいと思う」

デヴィッドの言葉に隊長は再度頭を下げた。

「わかりました」

「狼国、腕っぷしの国だし強くなれば王子さんとしても万々歳、だろ?」

隊長は頷いた。この近衛の隊長は女王が学園卒業する前の半年、小姓として着いていた少年だったのでデヴィッドとアキラの事は良く知っていたが、成長してから会っていないのでアキラ達は元小姓の少年だとは気が付いていなかった。

「ええ。女王もそれを希望しています。実戦を少しでもと」

「戦争よりは良いもんな」

アキラの言葉に隊長は頷いた。



 「俺、お腹空いた」

「ここで今日は休むか」

デヴィッドはそう言う。皆はそれぞれキャンプの用意を始める。今日は敷布の上でごろ寝、という事でテントは出さなかった。

「このフロアは温度も湿度も一定で過ごしやすいな」

アキラの言葉にボンも頷く。

「俺、子の国のダンジョンってもっと湿気てるかと思った」

「そう言うところもありますよ」

フランツが言う。

「フランツはダンジョン他にも言った事あるの?」

侯爵の領地には険しい山があるのだがその山の奥に一つダンジョンがある。山を踏破できる実力があれば十分稼げるダンジョンで主なドロップは貴石と半貴石だった。ただし食料になるようなものは何一つ落ちないダンジョンなのでマジックバッグやアイテムボックス、もしくは大量の食料を持ち込める手段が必要となっている。氷の女王のダンジョンと呼ばれるそこの話はまだボンには教えていない。フランツは休日にそこへ潜っては小遣い稼ぎと訓練をしているのだがその話をする気はなかった。

「ええ、まぁ。ダンジョンだと訓練も出来ますからね。それにボン様は元モンド国のダンジョンによく潜ってるでしょ」

ボンがあ、っと口を開ける。

「そういえばあそこダンジョンだった」

子供の頃から慣れ親しんで半ば遊び場と化しているのでボンの頭の中でコアのダンジョンをダンジョンだという認識が抜け落ちていたようだった。
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