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クランに関わる人間関係

42 魔法談義 2

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 「緑魔法は異質でさ」

オールの話は続く。

「それはわかる。僕らが習得できない魔法なんだよな。……ゴールディが少しなら使えるんだ。種を芽吹かせる、それだけね」

「グリーナーの成長促進とか種の改良とか出来るっていう記録無いんだよ、緑魔法でも」

「うん、見たことないね。君たちがあの子を大事にするのはそのせいもあるのかな?」

シルバーはグリーナーの騒動はなんとなくアキラと宗介から聞き出していた。アキラはグリーナーが苦手だが認めている、という状況のようだ。宗介は『ま、子供やね。色々表に出過ぎ』と笑う。

「それもあるし……。兄が大事にしてた女性ひとだからね。最初の魔法の師匠でもあるし。俺やグリーナーは成長がやや遅い、くらいで俺もグリーナーもブラッドも兄さんを置いて先に居なくなることは判り切ってて。……だからあんた達、竜の端末と知り合えてよかった。兄さんと同じ時間を過ごしてくれる人たちが出来たから」

「ま、それは任せて。ある程度の地位のヒトが長い間、そこそこの権力持っててくれると自分たちはやりやすいし、アキラがクランって皮を作ってくれたのは感謝してる、、、かな」

シルバーもだらだらしながら言う。

「そっか。端末は端末なりの苦労はあるんだね」

オールの返事にシルバーはへにゃっと笑う。

「レッドやゴールディみたく気にしなけりゃいいんだけどさ。ゴールディは人間大好きなんだけど人の中には入っていかなかったんだ。レッドはあっちふらふらこっちふらふら、好き勝手にやってたんだけどさ」

「だから虎人の里に行ったりしてたんだな」

「そう。多分、レッドが一番、竜人国ににも愛着もってるとおもう。僕は個人に執着したけどさ」

吸血鬼の王の事だな、とオールは悟る。

「ところで」

シルバーが話題を変える。

「緑魔法って聖魔法から派生したものじゃないかな」

「どうして?」

オールはシルバーに先を促す。

「ん、育て育む力って聖なるものだと思うから。あと、ゴールディが一番得意なのが聖魔法の癒しだからね。そもそも光魔法の中の癒す魔法を聖魔法って呼んでるんだと僕は思ってるけどね、そしてそう思って使ってるけどね」

その言葉を聞いてオールは何か思いついたらしい。

「ふむ。……ちょっとつきあってよ。庭に」

「いいけどー。なんか横になりすぎて腰が痛いような気がする」

シルバーの言葉が宗介の耳に入り宗介が飲みかけのお茶に咽ている。

「あのな、……シルバー、若い体で何言うてんの」

シルバーはえへへと笑う。オールとシルバーはタクミ達がデザインした簡易サンダルをはき庭に出た。

「えーと、あそこがああなって」

オールは暫くぶつぶつ言っていたが倉庫から種イモように取ってある芋を一つ持ってくる。

「みててよ?」

オールは手の上の芋に術をかける。ぼんっという音と共にジャガイモの芽と破裂した芋の本体が手の上にあった。

「……いまいち」

オールの呟きにシルバーが慰めの言葉を口にする。

「とりあえず芽が出たんだからここからだよ」





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