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クランに関わる人間関係

19 ダンジョン! 3

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 少し開けた場所に今まで通ってきた森よりも少し大きな気があった。そして広場の真ん中に針を持った虫、アキラや宗介たちは『スズメバチ』と呼ぶであろう虫の集団だった。

『アキラの脳内から借りた~』

コアがのんびり念話を送ってくる。

『お前……、あれのあのサイズの群れは凶悪』

『あ、スズメバチそのままじゃないよ。キラービー程は殺傷能力ないけどー、ミツバチよりは強いよ』

『……スズメバチはそういう立ち位置のハチだよ』

『えへへ。計らずしも正しかったのか』

コアは黙ったがアキラ達をモニタリングしているのはありありとアキラにはわかっていた。

「さて、と。ヨアヒム、殺虫剤もってない?」

「さすがにあの数じゃな」

「ルトガー、魔法行ける?炎で焼くか氷で凍らせるか雷で気絶させるか」

「氷、かな。取りこぼしはお願い」

ルトガーは少し顔色が良くない。大量の虫が気持ち悪いようだ。

中心部からハチを凍らせる。ルトガーが凍らせ終わるとカイ、ヴァイキー、ジュニア、エドガーが全ての残りのハチを追っかけて退治している。

「ルトガー、顔色悪い」

アキラに言われてルトガーが頷く。

「ハチ……掌位あるの見てちょっと気持ち悪い」

「はいちゃえば?」

「うー、はくほどじゃないんだけどね」

ルトガーは青白い顔で言う。

「そういう時にはこれ」

ほんのりハーブの香りのするレモンスカッシュをヨアヒムがルトガーに渡す。

「炭酸で少し吐けるかもよ」

「……吐きませんよ。もったいない」

ルトガーが少し笑う。

 エドガーが戻ってくる。

「ヨアヒム、これは集めとく?」

アキラがすかさず鑑定する。

「オオスズメバチの毒針、粉砕する事でオオスズメバチの毒素が取れる。錬金素材、だってさ。ルトガー、後であの氷溶かしてやって。中の蜂が死んじゃって素材にになってからね」

「わかった」

ルトガーはマジックボックスから折りたたみいすを出して座る。

「休んでも大丈夫だよね?」

「ん。一応24時間観察する?」

アキラがヨアヒムに確認する。

「ああ。入口あたりはギリギリ安全そうだし、そこで様子を見よう。カイやヴァイキーは他の群れの様子見てくるって。ジュニアはついて行って地図を作るって」

「俺は?」

「アキラは温存。次は核のある群れ狙うから。ヴァイキー達にしてもトラヴィスがいるから別行動してもらっても大丈夫だろう」

なにがどうあるのか魔剣トラヴィスは道に迷わないし罠がある事などを察知する。アキラが合流する前にはトラヴィスに頼る場面は多かったらしい。
 トラヴィス曰く、細い魔力の糸を元の場所に張っておいたり、移動先の道に向けて魔力を流して道筋を読むのだとか。元の体だった時は魔術師としての技能も高かったんだよ、
と嘯いている。
 ルトガー曰く、ルトガーは元場所から今いる場所までの魔力の糸を置いておくのはできるけど先に向けて魔力を投げるのは難しい、と。多分オールならやれるし無意識でやっているのではないかという気はする、らしい。
 オールやシルバーは言わないけれどダンジョンの地図などは地面から情報としててにいれてるんじゃないかとアキラは思っている。
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