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クランに関わる人間関係
03 ブランカ
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「じゃ、こっちのドレスからはブラウスをつくりましょう、スカートも今風のデザインだと同じ布地で作れるわ」
ブランカの下宿先は上司の家だ。上司はハイエルフとの混血なのでその縁でブランカは大事にしてもらっている。上司の息子とも仲がいいが結婚や恋愛という仲ではなかった。
「母親のドレスって結局娘時代に褒められたデザインの物ばかりだからクラシカルで布地が多いのよね」
「そうね。私もこういうの着てたわ」
ブランカの愚痴に上司が同意する。
「私は流行が終わったら早々に作り直したけど」
「私も早く自分だけで作れるようになりたい」
大きな机の上に型紙を広げてブランカは言う。
「これいい色ね」
何枚か持っている母親の古いドレスを見て上司が言う。
「おねーさん、使います?」
ブランカは上司の事をプライベートではおねーさんと呼んでいる。自然とそうなったのできっかけは覚えていない。
「いや、ブランカに良く似合いそうだと思って」
「私と母は瓜二つですし。……妹とも色合いは似てますね。顔はあっちの方か美麗だわ。バランスが絶妙にいいの」
「確かにねぇ。あの子はいま何してるの?」
上司は何度か父親の所に来ていたユリアーナやエドガー、ルトガーに会っているのでブランカの兄弟達の顔は見知っていた。
「冒険者してます。半分農家の」
「へぇ」
上司はそのドレスを見てなにか考えてる。
「これ、預けてくれる?」
「いいですよ、好きに使ってください。母も覚えてないような古いドレスが生まれ変わるのを見てるのはたのしいですし」
次の月、カタリナのドレスを元にした服を上司が持ってきた。
「男の子たちのはポケットくらいしか布地使ってないけど兄弟姉妹でおそろいの服と思ってね」
ブランカにはブラウスを。ユリアーナとルトガー、エドガーにはチュニックを作っていた。ブランカとユリアーナの物はテイストがよく似ている。袖口や襟元に使っている組みひもが同じである。これはドレスの上半身に着いていた飾り紐を流用したらしい。
「チュニックの裏地は我が商会売れ筋必須の対衝撃布を使ってるの。ご兄弟に頼んでデータを取らせて欲しいと思って」
「おねーさん、商品開発にもかかわってたっけ?」
ブランカは皆に渡すにはどうしたらいいかと考えている。
「ん?そういう布が出来たっていうからちょっと使ってみたくて」
上司は笑っている。
「そっかぁ。ユリアーナから渡してもらおう。私が行くのはあまり歓迎されてないから」
ブランカは自嘲気味に笑う。ブランカ自身自業自得だと思っている。
「兄弟なんて他人の始まりよ」
上司はそう言って笑うのでブランカは少しだけ救われた気持ちになった。
ブランカの下宿先は上司の家だ。上司はハイエルフとの混血なのでその縁でブランカは大事にしてもらっている。上司の息子とも仲がいいが結婚や恋愛という仲ではなかった。
「母親のドレスって結局娘時代に褒められたデザインの物ばかりだからクラシカルで布地が多いのよね」
「そうね。私もこういうの着てたわ」
ブランカの愚痴に上司が同意する。
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「私も早く自分だけで作れるようになりたい」
大きな机の上に型紙を広げてブランカは言う。
「これいい色ね」
何枚か持っている母親の古いドレスを見て上司が言う。
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ブランカは上司の事をプライベートではおねーさんと呼んでいる。自然とそうなったのできっかけは覚えていない。
「いや、ブランカに良く似合いそうだと思って」
「私と母は瓜二つですし。……妹とも色合いは似てますね。顔はあっちの方か美麗だわ。バランスが絶妙にいいの」
「確かにねぇ。あの子はいま何してるの?」
上司は何度か父親の所に来ていたユリアーナやエドガー、ルトガーに会っているのでブランカの兄弟達の顔は見知っていた。
「冒険者してます。半分農家の」
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上司はそのドレスを見てなにか考えてる。
「これ、預けてくれる?」
「いいですよ、好きに使ってください。母も覚えてないような古いドレスが生まれ変わるのを見てるのはたのしいですし」
次の月、カタリナのドレスを元にした服を上司が持ってきた。
「男の子たちのはポケットくらいしか布地使ってないけど兄弟姉妹でおそろいの服と思ってね」
ブランカにはブラウスを。ユリアーナとルトガー、エドガーにはチュニックを作っていた。ブランカとユリアーナの物はテイストがよく似ている。袖口や襟元に使っている組みひもが同じである。これはドレスの上半身に着いていた飾り紐を流用したらしい。
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「そっかぁ。ユリアーナから渡してもらおう。私が行くのはあまり歓迎されてないから」
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