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ランディの帰省(vs.虎人国編)

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 「では何故神官長にあの双子がおさまっているこの国の土地はこうも普通なのだろう」

リュウにとっての疑問をオールにリュウはぶつけた。

「多分だけどな、まず街の人たちの信仰心と、王宮の方で神殿とは別に王族がちゃんと奉ってるんじゃないかと思う。この国は王宮内に龍神を祭る神殿があるからな」

「つまり、王族の祭祀があるってことか」

「そうだ。こっちは黒龍の加護だがな。……各国の王はまともに祭祀をしていると黒龍と一度は言葉を交わせるようだ」

オールはエルフの国の王太子に聞いた事をリュウに教える。

エルフの国うちは王太子と聖女っつか巫女がそれにあたってる。あと各国の王族と『龍』が接触するのは状況の確認もある。端末が集めた情報と王族たちの情報と意識と……。四龍は神々の代行機関、って思ってるんだ俺は」

オールは持論をリュウに話した。

「あ、答えなくていいからな?俺は自力でそういうことを検証したいんだよ」

オールの言葉にリュウはにっこり笑った。

 オールが、あっと声を出した。

「なぁ……完全変態できる王族の子供が虎人国の要石と繋がったらどうなる?」

「……一度では無理だが10年、20年毎年通って祈れば、彼の生きてるうちに龍脈は要石と繋がると思う。毎月ならもっと早いと思う」

リュウはオールを見た。

「でも、蒼龍はそういう一人を犠牲にするやり方は好まない。彼にこの情報を伝えるのは……」

オールは皆まで言わないリュウの言葉を肯定した。

「わかった。……俺の好奇心で走ってしまった」

「本人の言ってないから大丈夫」

「じゃ、今日、知らず知らずに情報源になってそうな人たちを連れてローサ義姉上の所に行くときにその少年、リーに会っとかない?」

「悪くないな」

リュウが頷く。そこにムーチェンから声がかかる。

「おーい、粥が炊けたぞ。喰うだろ?」




 ユータンの父、リェンチエとその妻、王夫人に使えていた侍女を数人連れてオール達はローサの元に飛んだ。

「連れてきたわね。ありがとう。その人たちはこちらへ」

生き生きとしたエルフの美女がその集団を白い建物に誘う。

 ローサが客たちを案内してるうちに拠点と繋がってるゲートからアキラが出てきた。

「オール、元気だった?」

「アキラは何しに?」

「リー達の飯の用意。鳥のむね肉と野菜焼いて食べさせる。朝からしごかれてるから腹減らしてるだろうしな。オール達も食ってくだろ?」

アキラはアイテムボックスからBBQコンロを出し火を起こし始めた。

「燻製卵ももってきるし、こないだ石窯で焼いたパンもある。魚も仕入れて切り身にしてもらってるし、オニオンスライスとかトマトスライスもレタスの切ったのも持ってきてるからあいつらの好きな魚のサンドイッチも作れる」

リュウはこまごまと動く少年、アキラをじっと見ていた。

「俺はアキラ、あんたは?」

「リュウ」

「そっか。よろしくな、リュウ」

オールは端末同士の挨拶をみつつ何も言わなかった。
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