竜の探索者 最大手のクラン、所属条件はクラン主のお眼鏡に叶うかどうかのみ。人種も身分も関係ない。僕らはみんな冒険者

ランディの帰省（vs.虎人国編）

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　皆に促されリュウは満腹になるまで色々食べた。

「満腹？」

ゴールディに問われリュウはこくこくと頷いた。

「普段食事してなかったんですか？」

ムーチェンが訊ねるとリュウは頷いて答えた。

「ああ。食事が楽しくて美味しいって事忘れてた。存在の為のエネルギーは蒼龍が十二分に送ってくれてたし」

「食事は大地の力を取り込むのに必要な事だぞ。虎人国に本体を置いてるんだっけ？」

「いや、もう今は本体は東の国の奥地だ。蒼龍が俺の本体を側に置いてる」

「黒龍の近くにアキラとクロの本体を置いてるけど……あそこはまた特殊だな。神域って言っていい場所だからな」

「黒龍、白龍、蒼龍、赤龍は４大陸をおさめてるよな？」

「蒼龍は蒼竜以外の竜をつくってないんだな」

「最近小竜っていうのが出来てて今蒼龍の元で目覚めるのを待ってる」

「黒龍は知ってるみたいだな」

クロは黒龍と直接念話をしていたらしい、とレッドが皆に教える。クロとレッドは繋がっていてこちらの会話をレッドはクロに直接教えている。本来はシルバーがこういうことが得意なのだがクロとシルバーは今混ざりかねない程度の精神が近すぎてお互いの独立性を保つために一定の距離を置いている。

「おれはちょっと前に蒼龍に呼ばれて知った。小竜は女の子だったよ」

「女の子の竜は少ないから嬉しいわ。近いうちに会いに行きたいわ」

蒼龍に話が筒抜けであろうことを予測してゴールディが言葉を発した。わちゃわちゃと雑談をする竜の端末達と今一つ話に着いていけていないその他、であった。



　そしてオールとクロが帰ってきた。

「拠点でピッツァとか焼いてたから持ってきた」

オールが嬉しそうににんまりと笑う。

「ついでにエールもちょっくら仕入れてきたよ」

リュウもユータンもムーチェンも呆れる。が、カイやランディやヴァイキー、ヨアヒム、ルトガーや他の竜の端末たちも当たり前のように

「よーし、ピッツァでもう一杯だな」

と言い出した。竜は呆れつつ訊ねる。

「なぁ、クロいつもこんな感じなのか？」

「おおむね、な。東の国の酒もあるぞ。どうせ三日ほどはあいつらから情報も得られないしリラックスして心身を柔らかくしよう」

オールがごそごそ何かを設置していると思ったら元モンド国への門だった。

「ゴールディ、これで手軽に行き来できるよ」

「ありがと。お風呂にゆっくりつかれるわ。ユータン明日することがなかったらちょっと美容にいい事しましょ」

「親父さんには伝えとくからゆっくり泊まるといい」

ムーチェンがそう言うとオールが

「じゃちょっと行ってくる？里長の仕事も少し片づけてくるといい」

「夜の間、里で仕事しとく。……母親も確保しないといけないしな」

「それ手伝うからね、俺が。レッド達は精霊みえるよね？」

「そら、な」

「緊急時には精霊から連絡行くから」

そう言うとあっという間にムーチェンとオールはピッツアや蒸留酒と共に目の前からいなくなった。

「……ちゃんと持ってったな」

ランディが呟き、周りは思わず笑ったしまった。