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ランディの帰省(vs.虎人国編)

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 「そうだな、なんなら冒険者ギルドの方にも多少の口利きは出来ると思う」

ヨアヒムが考える。

「レニーの事は長年追っかけてるんだよ、ギルドも」

「冒険者ギルドも?」

ヨアヒムは頷く。

「ああ。彼の取り扱ってる樹脂、純度が高いとすぐに中毒して廃人になるんだが、色んな国の高位貴族に中毒者が多くな。……裕福なのにこの樹脂を手に入れるために身代をすべて貢いだ奴もいる。……低位貴族はもっといるが中毒するまで購入できない。それだけ高価で売ってるのだう。……っていうのは秘密だから漏らさないよ?」

レッドがちろりとユーチェンを見る。

「ロックかけようか?」

「いや、……情報漏らしたら漏らしたでレニーが雲隠れする先はないな。どうせ今は本国だろう?あいつのあつかう樹脂や少々やばいハーブの入手先は虎人国なのはずっと噂だったからな。狼人国からも賞金でるしな、捕まえるとちょっと金持ちになれる」

ヨアヒムはにやりと笑う。

「金に執着ないくせに」

レッドがヨアヒムを揶揄う。

「まーなー。こいつの反応見てたら図星だったようだし。虎人国に逃げ込んでるって狼人国に告げるだけでいい。あとはあいつらがやりあう」

「悪りぃ奴だ」

レッドが笑いヨアヒムも笑う。

「じゃ、俺は一旦ギルドに行ってくる」



 暫くしてクロから念話が入る。

『こっちでユーゼァ確保した。穏当に『信者の事で訪ねたい事がある』で呼び出したら素直に来た』

『こっちはなんだか香の話しがでかくなってる。ヨアヒムがギルドに行くって言ってたけどそっち着いた?』

『いや?……あいつ、商家の奥にいるな。そうか、ギルドはギルドでも錬金術師ギルドだ』

レッドやシルバーも納得できたようだった。

『なんか双子の後ろに着いてたのがあんまり筋のよろしくないけど腕のいい錬金術師だったみたいで』

『そうか。あそこは数少ない端末とか送り込めない場所だからな。あいつらの動かれると儂でも情報は追えない』

クロがはっきりと言う。

『あんたでも入り込めない場所があるんだな』

『知らない場所、事があるって言うのは夢があるぞ?』

クロは満更でもないようだった。

『なぁ。虎人の本国に行くのか?』

レッドが尋ねる。

『いや、仲介に海を使う。あいつらああいうのらりくらりは慣れてるしな。虎人とも付き合いはあるようだし。東の国の商会、虎人国にもしてんがあるらしい』

レッドはなにか思い着いたらしくムーチェンに訊ねる・

「なぁ、ムーチェンの里、東の国の商会利用してる?」

その言葉でユーチェンの顔色が変わるがレッドの方を向いていたムーチェンは気がつかない。

「ああ、月に一度、行商に来てくれる。いつも顔が見えないようにフードかぶって仮面をつけてるよ。ただ体格、体型が同じだから同じ人間と思ってはいるが……」

レッドがもう一つ訊いた。

「そいつが来てるのってこいつらが出奔してからじゃね?」







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