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ランディの帰省(vs.虎人国編)

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 クロはムーチェンにリーを狙った刺客が4人、拠点を襲ったこと。それ以前にもどちら
か判らない襲撃があった事、なのでエルフにリーと仲間を預かってもらっている事を告げ
る。

「御無事なのか……」

ムーチェンはほっとした顔になる。

「乳母が彼の身分を保証するために預かった短剣が裏で流れて。オヤジが買い取ってどこ
かに隠したんだよな」

ムーチェンは言う。

「だから俺だけではわからん、色んな事が。まずユーチェン達の件を片付けてからだな」




 レンドルフは王宮に顔を出す。それはランディは着いていかなかった。宰相から差し向
けられた騎士がガードに着いた。
 その日、レンドルフは帰らなかったが陛下から丁寧な連絡とランディに翌日王宮に来る
ようにとの要請であった。

「なんで俺まで……」

「オヤジさんの子だからだろ」

カイはそう言ってランディに蒸留酒を勧める。ルトガーの魔法で出した氷でをたっぷり入
れて飲む蒸留酒はすっきりと美味しく翌朝のランディはヘロヘロであった。それでも陛下
からの要請を突っぱねることなくヘロヘロなまま王宮からの迎えの馬車に乗った。ルトガー
は台所で半死半生のヴァイキーとカイを見ながら、二日酔いになるまで飲まなきゃいいの
に、と思っている。


 後日のランディの話しでは

「……田舎のじーちゃんばーちゃんと会った時みたいな感じ」

陛下や宰相、その奥方達に『大きくなった』『背が高いな』『赤ん坊の時よくだっこした』
そんな話をされたらしい。そして二日酔いの原因を聞かれサトウキビの蒸留酒を氷をグラ
ス一杯に入れて飲んだと伝えると、すぐさま献上品の蒸留酒が用意され酒盛りになった、
と。事に陛下がお気に召して飲んでいたという。

「ってなわけですまん、帰りが今日になった」

「王宮から連絡来てましたよ。ついでにこっちも12本程献上品が回ってきてます」

昨夜はヴァイキーとカイも自重したらしい。寝る前もるtガーと一緒にミルクを飲んだく
らいだった。カイ曰く

「何日かに1度は酒を切る。その日は一切飲まない。そうしたら翌日の酒の旨い事!」

という主張だった。酒飲みってヘンだなぁというのはルトガーの感想。

カイ曰くは

「酒を出来るだけ楽しむ為の手法」

だとか。



 「リー達はエルフの隠里の付近に置いてきた」

「向こう、襲撃があるって?」

オールの言葉にヴァイキーが質問を投げる。

「うん。リー狙いのね。エルダーとかを狙う雇われとは質が違うって。アキラ曰く、女子
供には弱い感じ。俺とかユリアーナがいると躊躇が見られる。あと正規の訓練受けてる動
きだだとヨアヒムが言ってた。ま、ほぼ虎人と人の混じりが来てるんだよな。ハルバー達
を狙ってる奴らは大体流しの暗殺者だな」

オールはそう言うとルトガーが淹れた甘くした紅茶を口にする。

「このビスケット美味しいねぇ。軽くてミルクの味がして」

オールは紅茶を飲みつつビスケットを口に運びご満悦だ。

「この辺りの店で買ったの?」

「いいえ、宗介が焼いたやつですよ。『ビスケットというからには軽さが命』とか言いつ
つ作ってましたよ」

カイも1枚皿の上からとりあげ口にする。

「宗介、いい味作るなぁ」
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