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ランディの帰省(vs.虎人国編)

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 「せっかく、家から秘術の召喚陣を持ち出したのに、砂?」

丁度いいところでオールとルトガーが転移してきた。

「これも関係者」

オールが捕縛袋からエルダーの顔だけを出す。デヴィッドがその顔を見て眼を丸くした。

「エルダー君?」

エルダーとハルバーはお互い顔を合わせて

「なんでお前」

「お前こそ」

言い合いを始めた。

「兄さん、義姉上連れてきて引き渡しといてくれる?」

「わかった。あの人ならこの二人逃がさないし……組織の人間も取り返せないだろうしな。しっかし頭いてぇ。ドラゴンの解体できるやつ探さないと」

ハルバーは少し自慢げな顔になった。

「俺より腕のいいやつば少ないぞ」

「俺の知ってるやつ連れてくる」

ヨアヒムが言う。

「真の錬金術師の一人だから変人なのは保証する」

「そこ保証されてもな」

デヴィッドが苦笑する。ヨアヒムはしれっと追加情報をもらす。

「そこのドラゴン姦野郎の師匠だよ」

ハルバーの顎が下がったまま固定される。

「……今すさまじく不潔な言葉が聞こえたが」

デヴィッドが若干引いている。

「ま、気にするな。ドラゴンの死体とやる趣味もった野郎が実在するなんて知ったこっちゃないよな」

デヴィッドは上を向き小さく祈りの言葉を唱える。

「とりあえず俺が義姉上呼んでくるまでオールも待っとけ」

オールが小さな声で答える。

「俺もあの人得意ではないんだけど」

「この人ら、飯はどうするの?」

宗介がそっとリビングに顔を出す。

「あー、被疑者だからなぁ。とりあえず疲労回復ドリンクを飲ませとく。どうも大昔から
のなにかも引きずってるから保護も必要みたいだし」

「ああ、それで外五月蠅いんか」

外ではアキラとブラッド、ジュニア、エドガーが応戦している。宗介はその音を聞いても
動じない。ユリアーナとエヴァとニーアはリビングの奥の奥の部屋で不安げにしている。入口ではルトガーとマルクが気を配っている。

「どっちかにかどっちもに、か。印つけられてるなぁ」

オールが二人の意識を奪う。

「ありゃ、ドリンク飲ませるタイミングがなかった」

ヨアヒムはまいったね、と呟いた。



「とりあえず襲撃者はそのテラスの前に穴掘って顔だけ出して埋めてある。掘り出すのにも土魔法で解除しないと無理にした」

アキラがそう言って戻ってきた。

「久々に運動したな」

「……叔父貴の斧、刃が着いてないから撲殺するかと思った」

「それは加減してある」

 ブラッドがご機嫌だ。ジュニアは叔父の力量を目の当たりにして少し当てられている感じだ。

「あいつらを迎えに来る奴がいたらあれなんで俺はテラスで寝ずの番する」

アキラはそう言って宗介が用意した夜食を食べるとテラスへと向かった。


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