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ランディの帰省(vs.虎人国編)
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何故何も言わず鍵束を渡してくれたのかー-->最近、奥方付きのメイドの動きが怪しいのと、奥方がそれまで信仰もなにもない人だったのに急に教会に通いだした時期と重なっているから。
何故オヤジにそれを指摘しないのかー-->お館様の命により自分は動いてます。
呪物の事は気が付いていたのかー-->呪物?
ランディはレッドを手招きする。ごく小声で
「呪物見せられる?」
とレッドに聞く。レッドは頷き、聖布に巻かれたファイアドラゴンの足先の半分を取り出した。聖布を取った状態で一瞬だけそれを執事に見せる。
執事は瞠目した。ルトガーは全身鳥肌をたてながらけなげに会話を続ける。
「今日いただいてる紅茶はとても美味しいです」
「ルトガーは茶菓子は何が好きだ?」
ランディの声もしていないと怪しまれそうだ、とランディは判断して質問を口にする。
「俺は……シトロンのタルトですね。もう実家の調理場をやめちゃったベルタが作ってっくれてたんですよ。エリカも作ってくれるんですけど、ベルタのとはちょっと違うんですよね。なのでせっせとベルタの店に通う時期がありました」
ちなみに今、食事をしているオールは魔術師でこの部屋の盗聴器に気が付いて全部処理してある事を執事に伝えると執事は驚いていた。
『外したことがばれるたら怪しまれます』
『大丈夫、適当な会話を流すようにしているらしい』
筆談は続いている。レッドとルトガーはごく小声で話しているので盗聴器を仕掛けた人間はやきもきしているであろう。
メイドの中には5人、執事補の中に2人、奥方と一緒に教会通いしている人間がいるという。執務室の呪物は知らなかったが最近なにも燃やしてないのにメイドがよく暖炉の中を確認しているので気になっていたという。そんな話を一通り終わらせた後カイとヴァイキーが帰ってきた。
「おう、なんか今日の夜中、教会でイベントやるらしいぞ」
カイは出来得る限りの陽気さで告げる。レッドはにやりと笑う。トラヴィスと念話で話す。
『こっちでも竜の呪物、拷問された挙句殺されたファイアドラゴンの足先があったぞ』
『多分、それなら』
『ああ、教会のやつは竜のクビかな』
『心臓か、肝臓あたりかもしれんが。そのイベント、他の都市でもやってるかもな』
『今日、そんな日だっけ』
『奴らが捏造したそういう日かもな』
カイがそう言った途端、当主夫妻とオールがこの部屋に入って来た。
「挨拶が遅くなって申し訳ない。ランディの父のレンドルフだ」
「……妻のエリナでございます」
奥方は扇子で口元を隠している。どうにも感じがわるいな、とルトガーは思ったが表には出さない。
「妻が教会でイベントがあるというのでな、ぜひ皆参加してもらいたいと思って」
ランディの父はエルフ然としているが竜人やヒトや色んな混じりなのである。
「わかりました。オヤジ殿に付き合いますよ」
「それはありがたい。真夜中に開始らしのでその1時間前にここを出ます」
「それまでに用意を済ませておきます」
ランディは父親にそう告げるとランディと父親の目線が交差した。
何故オヤジにそれを指摘しないのかー-->お館様の命により自分は動いてます。
呪物の事は気が付いていたのかー-->呪物?
ランディはレッドを手招きする。ごく小声で
「呪物見せられる?」
とレッドに聞く。レッドは頷き、聖布に巻かれたファイアドラゴンの足先の半分を取り出した。聖布を取った状態で一瞬だけそれを執事に見せる。
執事は瞠目した。ルトガーは全身鳥肌をたてながらけなげに会話を続ける。
「今日いただいてる紅茶はとても美味しいです」
「ルトガーは茶菓子は何が好きだ?」
ランディの声もしていないと怪しまれそうだ、とランディは判断して質問を口にする。
「俺は……シトロンのタルトですね。もう実家の調理場をやめちゃったベルタが作ってっくれてたんですよ。エリカも作ってくれるんですけど、ベルタのとはちょっと違うんですよね。なのでせっせとベルタの店に通う時期がありました」
ちなみに今、食事をしているオールは魔術師でこの部屋の盗聴器に気が付いて全部処理してある事を執事に伝えると執事は驚いていた。
『外したことがばれるたら怪しまれます』
『大丈夫、適当な会話を流すようにしているらしい』
筆談は続いている。レッドとルトガーはごく小声で話しているので盗聴器を仕掛けた人間はやきもきしているであろう。
メイドの中には5人、執事補の中に2人、奥方と一緒に教会通いしている人間がいるという。執務室の呪物は知らなかったが最近なにも燃やしてないのにメイドがよく暖炉の中を確認しているので気になっていたという。そんな話を一通り終わらせた後カイとヴァイキーが帰ってきた。
「おう、なんか今日の夜中、教会でイベントやるらしいぞ」
カイは出来得る限りの陽気さで告げる。レッドはにやりと笑う。トラヴィスと念話で話す。
『こっちでも竜の呪物、拷問された挙句殺されたファイアドラゴンの足先があったぞ』
『多分、それなら』
『ああ、教会のやつは竜のクビかな』
『心臓か、肝臓あたりかもしれんが。そのイベント、他の都市でもやってるかもな』
『今日、そんな日だっけ』
『奴らが捏造したそういう日かもな』
カイがそう言った途端、当主夫妻とオールがこの部屋に入って来た。
「挨拶が遅くなって申し訳ない。ランディの父のレンドルフだ」
「……妻のエリナでございます」
奥方は扇子で口元を隠している。どうにも感じがわるいな、とルトガーは思ったが表には出さない。
「妻が教会でイベントがあるというのでな、ぜひ皆参加してもらいたいと思って」
ランディの父はエルフ然としているが竜人やヒトや色んな混じりなのである。
「わかりました。オヤジ殿に付き合いますよ」
「それはありがたい。真夜中に開始らしのでその1時間前にここを出ます」
「それまでに用意を済ませておきます」
ランディは父親にそう告げるとランディと父親の目線が交差した。
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