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海の後始末の章

02

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 アキラが眼を覚ますと見慣れた天井に見慣れた風景だった。床は通常と違っていてレッドとシルバーが眠っていた。

「……人の部屋の床で。レッド、自分のベッドに戻んないの?」

「ねみぃ……」

そういうとレッドは床で寝続ける。レッドとアキラは同じ部屋なのだが、レッドのベッドを見るとニーアがベッドメイクしたてから変わっていない。

「シルバー、俺風呂行くけどベッドで寝る?」

「あ……りがとう」

と言ったシルバーもそのまま床につっふしている。熟睡できたアキラはかなり元気で風呂の用意をして風呂場に向かった。



 脱衣所はかなり混んでいた。海の竜達が湯上りの畳場でのんびり座っていた。

「お先でした」

ネイヴィーが言う。アキラも愛想良くにこやかに返す。

「昨日は皆さんお疲れでした。朝ごはんはもう召し上がられました?」

「いえ、これからです」

ふと見るとチャーミングがいない。

「チャーミングがみえませんが?」

「王は……まだ寝床だな、これは」

ジャスティスは少し呆れているようだ。

「部屋を出た時は起きてましたよ」

ネイヴィーが答える。

「二度寝じゃないの?どうせ商会の馬車が来るまで動かないならゆっくりしてていいと思うよ」

アキラはそう言って頭を少し下げると洗い場へ向かった。洗い場で髪と体をさっと洗い湯船にゆっくり浸かる。湯船で眼をつぶっていると人の気配がする。眼をあけるとルトガーが長めの髪を洗っている。
 ルトガーは15,6才の頃と体型が変わっていない。エドガーは既に大人の男の体型になっているがルトガーはまだ線の細い少年の体のままだった。

(言い換えれば俺と似たような体、って事だよな)

アキラはそんなことを考えていた。少し離れた所にルトガーが体を沈める。

「どこのクランハウスも風呂が充実してて嬉しい」

ルトガーが突然言い出した。

「……俺さ、少し神経質だってエドガーに言われてるけどこんなに手軽に清潔の保持ができるのすごく嬉しい」

ルトガーがもう少し深く湯に浸かる。

「こんな風にゆっくり風呂に入りたい時に入れる環境って理想だ」

「魔石様様だよな」

アキラもどういうする。




 風呂から上がるとアキラはすぐに食堂に向かった。

 食堂の大きなテーブルの上にはおにぎりやパン、色々なおかずが少しずつ並ぶ。ニーアにマグカップのスープを手渡される。優しい味のスープはたっぷりの野菜が入っている。用意されていた木の皿に食べる分だけ色々なものと盛る方式でおにぎりや切り身の魚を焼いたのやミートボールやサラダを食べる。
 いつもなら2~3回はお代わりをするのに、アキラは一皿食べるとまた猛烈な眠気に襲われてまた畳コーナーで熟睡し始めた。

「成長期に入ったかな」

様子を見ていたゴールディが呟く。本体が成長期に入り体内のメンテナンスをするために眠るのだ。

「昼頃には起きるからほっといていいよ」

ゴールディはそう言いソファにあったブランケットをアキラにかけた。
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