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海の姫の章
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最初にオールが出てきてゴールディ、シルバー、レッドと出てきた。ニーアとユリアーナが櫛を持ってゴールディとシルバーの髪の長い二人の元に向かう。二人ともおとなしく髪に櫛をあててもらっている。
「髪長いと面倒くさそうだな」
レッドの言葉にユリアーナの声が飛ぶ。
「レッドとアキラの髪もやるよ」
アキラとレッドが顔を見合わすとエドガーが声をかける。
「諦めて。姉さん、昔からああなんだよ」
アキラとレッドはエドガーの髪を見る。細い絡まりやすそうな髪だ。これほっといたら後が大変そうだもんなとアキラは思った。ルトガーはストレートの金髪を長めに伸ばし首筋でひとまとめにしている。アキラはエドガーの髪色は父親ゆすりのようだから髪質は母親なのだろうと思ったが、それを口に出すほど配慮がないわけではなかった。
ユリアーナはシルバーの髪をとかし手早く三つ編みにして片側に垂らす。ぶつぶつ言うレッドの赤い短髪をささっと櫛を通しアキラの元に来た。アキラはおとなしくされるがままだった。
「少し切った方がいいと思う。首筋の辺り大分伸びてるよ。それとも後ろ髪だけ伸ばして三つ編みにする?それはそれでいい感じだと思う」
ユリアーナにそう言われアキラはちょっと考える。
「もうちょっと考える」
「ま、切るのはいつでも出来るもんね」
ユリアーナは4人の身支度ができたら離れた。オールの世話は焼かないのかな、と思ったらオールは自分でさっと身支度を終わらせていた、ゴールディは自分でもやっているが毛量が多いので手早く終わらせるためにニーアが手伝ったのだ。金色のくせ毛はあちこち引っかかっていたようだ。
「そうだ、ゴールディ」
シルバーが言おうとしたことがクロからの念話で話された。
『ゴールディはそっちで待機しててくれ。万が一女王がそっちに向かった時の為に』
『わかった』
ゴールディは宗介に言った。
「私待機だって。ね、シチュー残ってたら白いパンと食べたい」
ゴールディに手を振るとアキラ達はオールとともにクロとデヴィッドとアイリスの元に向
かった。
会見の天幕には夜空のような色合いのドレスを着た色気過多のマダムと瑠璃姫、瑠璃姫とよく似たこれまた色気過剰な男がいた。
『湿度たかっ』
アキラの思わず念話でこぼす。
『海の竜だからな』
笑いもせずにクロが返す。
「クロ、着いたよ」
シルバーが挨拶すると夜の色のドレスの女王が高笑いする。
「妾の為にご苦労、小虫。皆見目が良いの。褒美として妾のベッドに侍る事を許そう」
三人は無表情で反応をしない。アイリスはいつもの華やかなオーラを閉じて一女冒険者に徹しているようだった。
「お母様、さっきから見た目が良い男性とみれは閨に誘うなんて……、はしたないですよ」
「瑠璃、母上は男に飢えてらっしゃるから。……母上、その衰え方、尋常じゃない。海の加護を失いましたか、とうとう」
長男が叩きつけるようにいう。
「お前たちと事を構える気はない。妾は末姫を連れ帰るだけじゃ。末姫はどこじゃ」
アキラ達は驚いた。偽装もしていない、チャーミングが立っている横にクロの魔力の糸で縛られ半死体のよな末姫の本体がそこにあったのだ。
『あれが……見えてない、と?』
シルバーの念話にクロが返す。
『もう眼がほとんど見えてないと思うぞ、女王』
「髪長いと面倒くさそうだな」
レッドの言葉にユリアーナの声が飛ぶ。
「レッドとアキラの髪もやるよ」
アキラとレッドが顔を見合わすとエドガーが声をかける。
「諦めて。姉さん、昔からああなんだよ」
アキラとレッドはエドガーの髪を見る。細い絡まりやすそうな髪だ。これほっといたら後が大変そうだもんなとアキラは思った。ルトガーはストレートの金髪を長めに伸ばし首筋でひとまとめにしている。アキラはエドガーの髪色は父親ゆすりのようだから髪質は母親なのだろうと思ったが、それを口に出すほど配慮がないわけではなかった。
ユリアーナはシルバーの髪をとかし手早く三つ編みにして片側に垂らす。ぶつぶつ言うレッドの赤い短髪をささっと櫛を通しアキラの元に来た。アキラはおとなしくされるがままだった。
「少し切った方がいいと思う。首筋の辺り大分伸びてるよ。それとも後ろ髪だけ伸ばして三つ編みにする?それはそれでいい感じだと思う」
ユリアーナにそう言われアキラはちょっと考える。
「もうちょっと考える」
「ま、切るのはいつでも出来るもんね」
ユリアーナは4人の身支度ができたら離れた。オールの世話は焼かないのかな、と思ったらオールは自分でさっと身支度を終わらせていた、ゴールディは自分でもやっているが毛量が多いので手早く終わらせるためにニーアが手伝ったのだ。金色のくせ毛はあちこち引っかかっていたようだ。
「そうだ、ゴールディ」
シルバーが言おうとしたことがクロからの念話で話された。
『ゴールディはそっちで待機しててくれ。万が一女王がそっちに向かった時の為に』
『わかった』
ゴールディは宗介に言った。
「私待機だって。ね、シチュー残ってたら白いパンと食べたい」
ゴールディに手を振るとアキラ達はオールとともにクロとデヴィッドとアイリスの元に向
かった。
会見の天幕には夜空のような色合いのドレスを着た色気過多のマダムと瑠璃姫、瑠璃姫とよく似たこれまた色気過剰な男がいた。
『湿度たかっ』
アキラの思わず念話でこぼす。
『海の竜だからな』
笑いもせずにクロが返す。
「クロ、着いたよ」
シルバーが挨拶すると夜の色のドレスの女王が高笑いする。
「妾の為にご苦労、小虫。皆見目が良いの。褒美として妾のベッドに侍る事を許そう」
三人は無表情で反応をしない。アイリスはいつもの華やかなオーラを閉じて一女冒険者に徹しているようだった。
「お母様、さっきから見た目が良い男性とみれは閨に誘うなんて……、はしたないですよ」
「瑠璃、母上は男に飢えてらっしゃるから。……母上、その衰え方、尋常じゃない。海の加護を失いましたか、とうとう」
長男が叩きつけるようにいう。
「お前たちと事を構える気はない。妾は末姫を連れ帰るだけじゃ。末姫はどこじゃ」
アキラ達は驚いた。偽装もしていない、チャーミングが立っている横にクロの魔力の糸で縛られ半死体のよな末姫の本体がそこにあったのだ。
『あれが……見えてない、と?』
シルバーの念話にクロが返す。
『もう眼がほとんど見えてないと思うぞ、女王』
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