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海の姫の章

71 怪獣大決戦?!

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 「そろそろ用意しようか」

ゴールディが言った時オールがエドガーとルトガーを連れて海岸に飛んできた。今回はではなく飛んで、来たのだ。

「ほい、着地」

「俺達も参戦させてもらう」

ルトガーが決意表明をする。

「俺が監督してるし、結界も張るから本体の皆は気にしなくていいよ。久々の能力フル活用させてもらうし」

オールは手加減なしで行くつもりのようだった。


 「オール、エドガー、ルトガー、俺達が攻撃始めるまでは手をだすなよ?」

レッドがそう声をかけ、アキラもシルバーもゴールディもレッドも本体へと移行した。

「では日が沈むまで待機だ」

シルバーが竜のまま言葉を発し、オール達は同意の頷きを返した。エドガーとルトガーは4体の竜に見ほれていた。沈んだ黄金の色、刃物のように煌めく銀色、ルビーのような赤、濃紺の海のような青、それぞれが美しい。
 

「まだ、かな?」

日は沈み、夕闇には少し早い一瞬の時間にエドガーが呟く。海は静かだ。そこに女王の思念が響いた。

「陸の小虫らよ、妾の為にご苦労。励むがいい。褒めて遣わす」

竜たちは『……さすが末姫の親だ』と呆れオールたちは『なんだあれ?』と呆れる。

『なぁ、……俺らより苦労しそうだな、あっち』

レッドの思念が飛びアキラもシルバーもゴールディも同意する。

『……あっちじゃなくてよかった』

シルバーが本音を漏らす。


 そこから一時間もしたころいきなり陸にトカゲモドキが上陸する。後ろには満身創痍の海の竜たちが見える。が、4体の竜がモドキを包囲しブレスを飛ばす前に海の竜たちは海中に戻った。

「すんません、あんまり弱らせられませんでした」

大声で最後の海の竜が告げ海中に沈んだところで、4竜は同時にブレスを吐いた。

正面はシルバーがてっぺんはレッドが、左からゴールディが右からアキラがブレスを吐く。エドガーは無心に強力な麻痺弾をモドキに向かって打ち続ける。オールは土魔法を使いモドキが動けないように足止めをする。ルトガーは雷魔法をモドキの顎に向かい下から打ち上げ続ける。それを一気に畳みかける。長いのか短いのかわからない2分間が過ぎ、どの竜のブレスも止まった所にオールがずっと唱え続けていた雷魔法がモドキに炸裂した。

「雷神よ、その槌をかの者に」

オールの呪文とともに特大の、誰も見たことのないような雷がモドキを直撃した。そして蠢いていたモドキがエドガーが麻痺弾を打ち続けていた左足から崩れ落ち動かなくなった。

「魔力すっからかん」

オールはモドキが動かなくなったことを確認しその場で大の字になった。

「オール、ありがとう」

シルバーが声をかける。

「君の雷がなければこんなに早く片は着かなかったよ」

「ん。おれも生きてるうちにこれを使えるタイミングがあると思ってなかった。なんせ詠唱は30分かかるし魔力全部持っていかれるし。モドキの死体はどうするの?」

「私がコアの指定する地点に転送するの。私たちの本体は一旦黒龍の所に送る。今日、これ以降本体が必要なら黒龍が送ってくれるって」

そう言いながらゴールディはモドキの黒こげの死体をコアの元に送る。

『ゴールディ受け取ったよ。みんな見に来たら案内するから』

朗らかなコアの思念が4人に響く。

「あ、アキラ戻さないと」

一人竜のまま唸っていたアキラは無事にゴールディが端末と本体に別れさせた。
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