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海の姫の章
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かなりの間光っていたアキラと本体はすぅっとアキラの方の発光がおさまっていった。
「おーる、来たんだ」
体の発光は治まっていたがオールの方を見た眼がまだ青みをおびた光を発していた。
「ごめん、調節する」
アキラは眼を閉じると本体から手を離し深呼吸した。
「本体と端末の間のつながりを整備してた。離れてからここに来たの久しぶりだしね。ここから出るには飛んでいくか……オールの得意な方の空間移動使ってもらうしかないんだけど、どっちが好み?」
オールはにかっと笑う。
「そら、アキラの背中にのって戻りたいかな。シルバーの背中にも乗ったしな」
「でも、俺、シルバーみたいにこの体でヒトと意思疎通できるかわかんないよ?竜族の魔法とか使ったことなかったし」
「俺が自分で使えるから大丈夫」
オールとアキラは十分に打ち合わせる。そしてアキラは本体を目覚めさせ、オールを背中に乗せると本体と端末を融合させる。
デアードの空を紺色の竜が飛ぶ。きらり、と光る鱗が綺麗だ。空を見上げた人は驚いた。青く光る竜を見るのは何年ぶりなのか。このところ黒い竜が飛ぶこともなかった。
神殿は吉兆とし、『神の祝福である』と発表し、竜を見た人たちは落ち着いた。
『よし、こっちに降りて』
竜に戻っているアキラにシルバーが念話で誘導してくれる。アキラは竜であることに酔ったようになっていて当初はあらぬ方向へ、友好的ではない隣国の空を飛んでいた。抜けただし風穴がそちら方向へ向いていたからだ。
シルバーの誘導の声でアキラは理性を取り戻し正しい方向へと向かう。竜の翼で加減無く飛ぶと人の足で1日かかる距離は10分くらいで動けてしまう。
アキラは裏庭に降り立つ。翼を畳み体を丸め、オールが降りるのを手助けする。
「お疲れ様。竜の本気の飛行はどうでした?」
「頭がくらくらするほど興奮した」
オールはキラキラした眼で息を大きく吸って吐いてしていた。
『アキラ、おちついたら端末出して』
『出し方が……わからない』
レッドとシルバーは顔を見合わせる。
『あの端末、クロが手伝ったって言ってたっけ。アキラ、クロがどう手伝った?』
レッドの言葉にアキラの本体は首を傾げているだけだった。シルバーは急いで他人の視覚をごまかす魔法をアキラの周りにかけた。
「レッド、クロを呼んできて。未だと王都の部屋にいるから」
レッドは頷いてアキラにも念話を送る。
『待ってろ。クロを連れてくる』
『頼む。ありがとう』
アキラは困惑していた。小一時間もたった頃だろうか、クロがいつもの調子で飄々と裏庭に現れた。オールはずっと興味深げにアキラ達を見ている。
クロはアキラの本体の様子をゆっくり観察する。
「ふむ。まだ成人には遠いな。そりゃ自分で端末は出せない。というか出せたら成人なんだよ」
クロはそう説明しながらアキラの額に手を置く。
「ここに自我を集中する。そう、そんな感じ。で『己』を人となす事に魔力を集中して」
クロの指示に従ううちに淡い光が脳内に満ち地面に足の裏が接地する感覚があった。眼を開けるといつもの見慣れた景色がそこにあった。
「今の感覚を瞬時に起こせるようになれば成人だ。今まで着てた服はストレージに入ってるぞ」
アキラは全身で外の空気を感じているがさすがに全裸で家の中に入るのはな、と思いながら服を着た。
「とりあえず足の裏にクリアかけなきゃ」
アキラがそういうと皆くすっと笑った。
「ま、本体から端末生成するにはもう少しかかりそうだな。竜の成人年齢は個体差があるからな」
「20年くらいかと思ってました」
シルバーがいうと。クロは
「グリーンドラゴンはそのくらいだが我々はよくわかっておらんのだよ」
と正直に返した。
「おーる、来たんだ」
体の発光は治まっていたがオールの方を見た眼がまだ青みをおびた光を発していた。
「ごめん、調節する」
アキラは眼を閉じると本体から手を離し深呼吸した。
「本体と端末の間のつながりを整備してた。離れてからここに来たの久しぶりだしね。ここから出るには飛んでいくか……オールの得意な方の空間移動使ってもらうしかないんだけど、どっちが好み?」
オールはにかっと笑う。
「そら、アキラの背中にのって戻りたいかな。シルバーの背中にも乗ったしな」
「でも、俺、シルバーみたいにこの体でヒトと意思疎通できるかわかんないよ?竜族の魔法とか使ったことなかったし」
「俺が自分で使えるから大丈夫」
オールとアキラは十分に打ち合わせる。そしてアキラは本体を目覚めさせ、オールを背中に乗せると本体と端末を融合させる。
デアードの空を紺色の竜が飛ぶ。きらり、と光る鱗が綺麗だ。空を見上げた人は驚いた。青く光る竜を見るのは何年ぶりなのか。このところ黒い竜が飛ぶこともなかった。
神殿は吉兆とし、『神の祝福である』と発表し、竜を見た人たちは落ち着いた。
『よし、こっちに降りて』
竜に戻っているアキラにシルバーが念話で誘導してくれる。アキラは竜であることに酔ったようになっていて当初はあらぬ方向へ、友好的ではない隣国の空を飛んでいた。抜けただし風穴がそちら方向へ向いていたからだ。
シルバーの誘導の声でアキラは理性を取り戻し正しい方向へと向かう。竜の翼で加減無く飛ぶと人の足で1日かかる距離は10分くらいで動けてしまう。
アキラは裏庭に降り立つ。翼を畳み体を丸め、オールが降りるのを手助けする。
「お疲れ様。竜の本気の飛行はどうでした?」
「頭がくらくらするほど興奮した」
オールはキラキラした眼で息を大きく吸って吐いてしていた。
『アキラ、おちついたら端末出して』
『出し方が……わからない』
レッドとシルバーは顔を見合わせる。
『あの端末、クロが手伝ったって言ってたっけ。アキラ、クロがどう手伝った?』
レッドの言葉にアキラの本体は首を傾げているだけだった。シルバーは急いで他人の視覚をごまかす魔法をアキラの周りにかけた。
「レッド、クロを呼んできて。未だと王都の部屋にいるから」
レッドは頷いてアキラにも念話を送る。
『待ってろ。クロを連れてくる』
『頼む。ありがとう』
アキラは困惑していた。小一時間もたった頃だろうか、クロがいつもの調子で飄々と裏庭に現れた。オールはずっと興味深げにアキラ達を見ている。
クロはアキラの本体の様子をゆっくり観察する。
「ふむ。まだ成人には遠いな。そりゃ自分で端末は出せない。というか出せたら成人なんだよ」
クロはそう説明しながらアキラの額に手を置く。
「ここに自我を集中する。そう、そんな感じ。で『己』を人となす事に魔力を集中して」
クロの指示に従ううちに淡い光が脳内に満ち地面に足の裏が接地する感覚があった。眼を開けるといつもの見慣れた景色がそこにあった。
「今の感覚を瞬時に起こせるようになれば成人だ。今まで着てた服はストレージに入ってるぞ」
アキラは全身で外の空気を感じているがさすがに全裸で家の中に入るのはな、と思いながら服を着た。
「とりあえず足の裏にクリアかけなきゃ」
アキラがそういうと皆くすっと笑った。
「ま、本体から端末生成するにはもう少しかかりそうだな。竜の成人年齢は個体差があるからな」
「20年くらいかと思ってました」
シルバーがいうと。クロは
「グリーンドラゴンはそのくらいだが我々はよくわかっておらんのだよ」
と正直に返した。
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