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海の姫の章
閑話 ミヒャエル君、奮闘す。
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ミヒャエルは王都に帰るとウリに宣言した。
「クランハウスを作ろうと思う」
「良いかと」
「郊外の農場とか買って」
「そうですね。物件と値段を調べておきましょう」
副官が出してきた予算は安くはなく、ミヒャエルは数人の幹部級に資金の事やクランハウスの事を相談する。今までは適当に個人個人依頼をこなしていたが、ウリが
『どうせならパーティで受けられる依頼をこなして資金を貯めましょう』
と提案したので、幹部10人とミヒャエル、ウリで二組のパーティを組み依頼をこなし始めた。
「アキラ久しぶり」
「ミヒャエル。順調?」
「あんまりだな。アキラは依頼何受けてるの?」
ミヒャエルは少し落ち着いた感じでアキラと接する。側にはパーティメンバーがいたのでそのせいなのだろう。
「俺は恒常的にあるオルトロスの討伐、ついでにオルトロス被害で討伐依頼が出ている村の依頼もこなしてる。一挙両得ってやつ。そういうのいつもいつもはないけど討伐依頼受けた時に同種のもがないかとか同地域の物でついでにできるものがないかとか探して同時に受けることはあるよ。討伐と採取とかさ」
「……そうだな、クラスが上がる前にはそんな感じだったよな。そうだよ、何個か重ねられそうなら重ねてたよ」
パーティメンバーがそうつぶやいていた。
「そういう事。効率よくやらないとな」
アキラの言葉にそのメンバーは頷いていた。
それからのミヒャエル達は少しは稼ぎもよくなってきたようで、そうすると皆また真面目に働き、C級からB級にあがるメンバーも増えてきて万聖節の夜としてクランのメンバーから上納金を貰う事を決めて、少しずつ資金を貯めて行った。
「ここが、俺達の城になるのか」
ミヒャエルはほんの少しだけ王都から離れた農場に立っていた。ウリの親戚筋で資金が溜まるまで売るのを待っていてくれたらしい。
「部屋もありますし、少し前まで住人もいたので家のメンテナンスも最低限で済みます。あとクラン専任の鍛冶師を置く事ができるようになりますね」
あまり余計な事をしゃべらないウリも嬉しそうだし、B級以上でクランに上納金を治めたメンバーたちもきらきらした目で自分たちのクランハウスを見ていた。
「万聖節の夜、第三期ってとこですかね」
年嵩の古参メンバーがミヒャエルを見ながら言う。少し前まではこのクランはただの寄せ集めに過ぎなかった、ミヒャエルの自覚によってクランはクランとして生まれ変わったのだな、と彼は思っていた。
「ここを根城にもっと色々していこうぜ」
ミヒャエルは楽しそうに笑っている。
「クランハウスを作ろうと思う」
「良いかと」
「郊外の農場とか買って」
「そうですね。物件と値段を調べておきましょう」
副官が出してきた予算は安くはなく、ミヒャエルは数人の幹部級に資金の事やクランハウスの事を相談する。今までは適当に個人個人依頼をこなしていたが、ウリが
『どうせならパーティで受けられる依頼をこなして資金を貯めましょう』
と提案したので、幹部10人とミヒャエル、ウリで二組のパーティを組み依頼をこなし始めた。
「アキラ久しぶり」
「ミヒャエル。順調?」
「あんまりだな。アキラは依頼何受けてるの?」
ミヒャエルは少し落ち着いた感じでアキラと接する。側にはパーティメンバーがいたのでそのせいなのだろう。
「俺は恒常的にあるオルトロスの討伐、ついでにオルトロス被害で討伐依頼が出ている村の依頼もこなしてる。一挙両得ってやつ。そういうのいつもいつもはないけど討伐依頼受けた時に同種のもがないかとか同地域の物でついでにできるものがないかとか探して同時に受けることはあるよ。討伐と採取とかさ」
「……そうだな、クラスが上がる前にはそんな感じだったよな。そうだよ、何個か重ねられそうなら重ねてたよ」
パーティメンバーがそうつぶやいていた。
「そういう事。効率よくやらないとな」
アキラの言葉にそのメンバーは頷いていた。
それからのミヒャエル達は少しは稼ぎもよくなってきたようで、そうすると皆また真面目に働き、C級からB級にあがるメンバーも増えてきて万聖節の夜としてクランのメンバーから上納金を貰う事を決めて、少しずつ資金を貯めて行った。
「ここが、俺達の城になるのか」
ミヒャエルはほんの少しだけ王都から離れた農場に立っていた。ウリの親戚筋で資金が溜まるまで売るのを待っていてくれたらしい。
「部屋もありますし、少し前まで住人もいたので家のメンテナンスも最低限で済みます。あとクラン専任の鍛冶師を置く事ができるようになりますね」
あまり余計な事をしゃべらないウリも嬉しそうだし、B級以上でクランに上納金を治めたメンバーたちもきらきらした目で自分たちのクランハウスを見ていた。
「万聖節の夜、第三期ってとこですかね」
年嵩の古参メンバーがミヒャエルを見ながら言う。少し前まではこのクランはただの寄せ集めに過ぎなかった、ミヒャエルの自覚によってクランはクランとして生まれ変わったのだな、と彼は思っていた。
「ここを根城にもっと色々していこうぜ」
ミヒャエルは楽しそうに笑っている。
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