竜の探索者 最大手のクラン、所属条件はクラン主のお眼鏡に叶うかどうかのみ。人種も身分も関係ない。僕らはみんな冒険者

海の姫の章

13

　「飛んですぐ、ぐらぐらした感じだろ？」

とオールがいくつかの事をルトガーに聞きながら周りを見回す。

「椅子はないか？」

ブラッドに聞かれ

「あ、そか。家具がいるんだ」

とアキラとシルバーは顔を見合わせた。

「どうやって寝てたの？」

アキラとシルバーは声を揃える。

「床にシート敷いてブランケットかけて」

「床ですねぇ」

そう言ってる間にアキラが人数分のキャンプ用のディレクターズチェアを出す。

「今日の所はこれで」

「これ。ウルリッヒ商会ウチのだよね？」

椅子に腰かけてルトガーが言う。

「うん。エイギョー達の企画で作ったやつ」

「結構売れるみたい。畑仕事の時用とかにも売れてるって」

シルバーもこれを購入しようと口にする。ルトガーが

「色とかリクエストあります？ないなら即納できるやつ持ってきてもらいますよ」

「じゃ、即納出来る奴10くらい？」

「アイテムボックスに入れておけるしそれくらいでいいんじゃない？ついでに半ダースほどピクニックシートとブランケットをお願いしようかな。……家具はエドモンドに来てもらって適当にそろえてもらおう。エドモンドにも指輪用意するだろ？」

「その程度の数の余裕はあるな」

ブラッドが頷く。シルバーは立ち上がる。

「じゃ、俺はこれからちょっと約束の時間なので。アキラ、ゲートをお願いするね」

シルバーの言葉にアキラは頷き答えた。




「で、どこの部屋にする？」

どうせアキラはまた土足厳禁で済むのだろうな、とオールが言うとアキラももちろんそのつもりと返す。ここに転移してくるのに庭に出るつもりは無かったので皆拠点で使っているスリッパや室内履きのままである。のでアキラはそのまま彼らを案内し家の中を歩く。

「一階のここかなって思って」

元は本が沢山は言ってただあろう書棚に囲まれた部屋に三人を案内する。

「じゃ、設置を始めるか」

ブラッドが左の端の書棚を触り始める。何をしているのか全くわからないが、ブラッド的には満足な物だったらしい。

「いい木だ。古くて長く生きた木を使ってる。こういうやつとは通じやすいんだ」

そう言いながら力強い指が木をなぞっている。長い間そうしていると思ったら一瞬プラチナの光が光って本だなは元に戻った。

「そう、そうだよ」

ブラッドは言いながら少し左右のアキラの胸ぐらいの位置を削る。左に緑色、右に黄色の石を使った飾りが本だなに取り付けられる。

「これでゲート化は終わり。偽装はオールに頼むけどその前に。アキラこの指輪を右小指に着けてくれ」

アキラは渡されたプラチナ台の黄色い石の指輪を渡される。

「その指輪で緑の石をタッチすると拠点に戻れる。拠点のゲートノ緑の石をタッチするとここに戻る」

「やってみていい？」

アキラの言葉にブラッドは頷いた。

アキラは指輪で緑の石に触れた。