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金と銀の玉の章
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南部の森へはオールが全員抱えて飛ぶという方法を取った。全員が座れる大きさのシートに座りオールの魔力で全員持ち上げて空を移動する事にしたのだ。これをこの数日練習してオールは完全に身に着けたようだった。
「アキラとルトガーはこの指輪つけて」
とオールから黄色い石の指輪を数日前に渡される。それは魔力を吸う石で出来た指輪でそれを毎日付け替えさせられた。アキラとルトガーの魔力を吸った指輪は空を飛んでいる間にオールの魔力が不足しないように付け替えられるとアキラは聞いて
「使えなくなった指輪は再度魔力をためられる?」
「それはもちろん」
ブラッドが言う。
「じゃ、指輪替えたら俺に渡して。大体この指輪のフルの魔力量はわかったから空の指輪は俺がチャージする」
そんな話をしているのを見てエドガーが
「男3人おそろいの指輪かぁ」
としみじみ呟く。ルトガーは嫌な顔をしたが、アキラとオールは意に介さなかった。
ブラッドがルトガーに説明をする。宝飾品ではないので意匠はシンプルにしてるし石が同じなのでおそろいに見えるが指輪を並べたらわかるけど石のサイズが違うから、と。ルトガーはそれで少し気楽になったようだ。エドガーはユリアーナに
「ヘンな事言って。そんなこと言う前にあの子とおそろいの指輪なりなんなりあげなさいよ」
とやりこめられている。
「身内を味方につけた嫁は強いぞ」
とジュニアが兄たちの嫁を思い出してしみじみと言う。
「…ジュニア、怖いんだけど」
とエドガー。エドガーは本気で少し顔色が良くなかった。
「ちょっとまてエドガー、顔色よくない」
ジュニアとユリアーナが同時に言い、ユリアーナがエドガーの額に手を置く。
「…熱い」
今日出立予定の一行だったが一旦中止した。エドガーは行くといったが、皆
『急ぎじゃないから体治してからな』
という。翌日にジュニアも熱を出したので二人ともが出かけたところを聞いたら同日にギルドに行ったという。ユリアーナは二人にとろとろの甘いパン粥を朝ごはんに出す。
「私もたべたくなっちゃう」
グリーナーが言ったのでパンがゆを暫く余分にユリアーナは作る事にした。妊娠中のグリーナーは粥類を好んだが、お腹はすぐ空くらしい。アキラは自分用に卵がたっぷりのおじやを作って朝食にしていた(パン粥をみて食べたくなったのだ)がグリーナーに食べさせた所すごく喜んだ。
「これ、米?」
「米。鰹節の出汁。卵多めだからタンパク質もとれるよ」
「うれしい。今、胃が肉を受け付けないから卵は嬉しいの」
とグリーナーは大きくなったお腹でゆっくり動きながら言う。
ジュニアとルトガーは3日くらい寝込んだ。どうも風邪を引いたらしい。エドモンドが新しい製品を運んで拠点にやってきた。エドガーとジュニアの風邪を聞いて顔を曇らせた。今、街で風邪が流行っていてちょっと深刻になる子供も増えてきていると言う。
体が出来上がっている大人はいいのだが子供が掛かると発熱が長引くと。
「エドガーやジュニアでも起き上がれるまで3日かかったもんね」
とユリアーナが言う。
「で、エイギョーの提案でこういう物を作ったのです」
と色とりどりのマスクをエドモンドが出してきた。エイギョー平田克己は日本からBBQ中にこの世界に転移してきた男だった。
「克己か。確かにいいもんだよ、これは」
とアキラが言う。
「アキラはこれが何かわかってるんですね」
エドモンドに言われアキラは頷いた。
エドモンドは布マスクを手に取り使い方を説明する。ウルリッヒ商会とすれば端切れの活用ともいえるので儲けが結構出るらしい。
「マスクをして、外から帰ったら一番に手洗い、うがいが風邪の予防にはいいですよ」
「…街に行くときはマスクした方が良いね」
アキラは日本を思い出しながらそう言った。
*******
年末は30日まで更新予定
年始は5日から更新再開します。
「アキラとルトガーはこの指輪つけて」
とオールから黄色い石の指輪を数日前に渡される。それは魔力を吸う石で出来た指輪でそれを毎日付け替えさせられた。アキラとルトガーの魔力を吸った指輪は空を飛んでいる間にオールの魔力が不足しないように付け替えられるとアキラは聞いて
「使えなくなった指輪は再度魔力をためられる?」
「それはもちろん」
ブラッドが言う。
「じゃ、指輪替えたら俺に渡して。大体この指輪のフルの魔力量はわかったから空の指輪は俺がチャージする」
そんな話をしているのを見てエドガーが
「男3人おそろいの指輪かぁ」
としみじみ呟く。ルトガーは嫌な顔をしたが、アキラとオールは意に介さなかった。
ブラッドがルトガーに説明をする。宝飾品ではないので意匠はシンプルにしてるし石が同じなのでおそろいに見えるが指輪を並べたらわかるけど石のサイズが違うから、と。ルトガーはそれで少し気楽になったようだ。エドガーはユリアーナに
「ヘンな事言って。そんなこと言う前にあの子とおそろいの指輪なりなんなりあげなさいよ」
とやりこめられている。
「身内を味方につけた嫁は強いぞ」
とジュニアが兄たちの嫁を思い出してしみじみと言う。
「…ジュニア、怖いんだけど」
とエドガー。エドガーは本気で少し顔色が良くなかった。
「ちょっとまてエドガー、顔色よくない」
ジュニアとユリアーナが同時に言い、ユリアーナがエドガーの額に手を置く。
「…熱い」
今日出立予定の一行だったが一旦中止した。エドガーは行くといったが、皆
『急ぎじゃないから体治してからな』
という。翌日にジュニアも熱を出したので二人ともが出かけたところを聞いたら同日にギルドに行ったという。ユリアーナは二人にとろとろの甘いパン粥を朝ごはんに出す。
「私もたべたくなっちゃう」
グリーナーが言ったのでパンがゆを暫く余分にユリアーナは作る事にした。妊娠中のグリーナーは粥類を好んだが、お腹はすぐ空くらしい。アキラは自分用に卵がたっぷりのおじやを作って朝食にしていた(パン粥をみて食べたくなったのだ)がグリーナーに食べさせた所すごく喜んだ。
「これ、米?」
「米。鰹節の出汁。卵多めだからタンパク質もとれるよ」
「うれしい。今、胃が肉を受け付けないから卵は嬉しいの」
とグリーナーは大きくなったお腹でゆっくり動きながら言う。
ジュニアとルトガーは3日くらい寝込んだ。どうも風邪を引いたらしい。エドモンドが新しい製品を運んで拠点にやってきた。エドガーとジュニアの風邪を聞いて顔を曇らせた。今、街で風邪が流行っていてちょっと深刻になる子供も増えてきていると言う。
体が出来上がっている大人はいいのだが子供が掛かると発熱が長引くと。
「エドガーやジュニアでも起き上がれるまで3日かかったもんね」
とユリアーナが言う。
「で、エイギョーの提案でこういう物を作ったのです」
と色とりどりのマスクをエドモンドが出してきた。エイギョー平田克己は日本からBBQ中にこの世界に転移してきた男だった。
「克己か。確かにいいもんだよ、これは」
とアキラが言う。
「アキラはこれが何かわかってるんですね」
エドモンドに言われアキラは頷いた。
エドモンドは布マスクを手に取り使い方を説明する。ウルリッヒ商会とすれば端切れの活用ともいえるので儲けが結構出るらしい。
「マスクをして、外から帰ったら一番に手洗い、うがいが風邪の予防にはいいですよ」
「…街に行くときはマスクした方が良いね」
アキラは日本を思い出しながらそう言った。
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